第33回東京国際映画祭、コロナ禍で開幕 『テネット』監督からメッセージも
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会場では豪華なビデオメッセージも
第33回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月31日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、本年度のフェスティバル・アンバサダーを務める俳優の役所広司らが出席した。また、最新作『TENETテネット』が日本でも大ヒットを記録したクリストファー・ノーラン監督からビデオメッセージが到着。「映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す」「映画を通じて国際的な連帯を強める」「コロナ後の映像文化についての考察を深める」という3つの目的を掲げ、開幕を迎えた。
新型コロナウィルスの感染拡大が続くなか、各国の映画祭が中止や延期、縮小といった影響を受ける中、実施される今年の東京国際映画祭。上映作品の総タイトル数は、例年に比べて約3割減となったが、映画館でのフィジカルな上映を基本とし、感染症対策を十分講じながら、シンポジウムやゲストのトークなどにオンラインも活用した多様なプログラムを通して“映画の力”の結集を目指す。
挨拶に立った安藤裕康チェアマンは「新型コロナウィルスの苦境が続くなかで、今年の春から開催すべきか悩み続けました」と明かし、「困難の中にありますが、映画の力を信じ、未来への灯を燃やし続けたい」と強い思いを表明。「感染症対策に万全を期しながら、リアルで開催しようと決意した」と映画祭の開幕に感無量の面持ちだった。
また、“映画祭の顔”である役所は「今回の映画祭開催は、今までと違う形ですので、準備する実行委員会の皆さんの苦労はとても大変だったと思います」と労をねぎらい、「大きなスクリーンで映画を観られるのは、映画ファンにとって、最高のプレゼントだと思います。気の抜けない開催期間だと思いますが、コロナ禍での映画祭開催っていうのは、今後に生かされるんじゃないかと思います。みんなで知恵を絞って、映画祭を続けられるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。
昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門が、「TOKYOプレミア2020」という1部門に統合されることに。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ部門の選定視点も残し、32本のプログラムを予定。各賞を競う形式ではなく、その中の全作品を対象に観客が投票する「観客賞」が設けられた。
加えて、例年通り「特別招待作品部門」「Japan Now部門」「ワールド・フォーカス部門」「ジャパニーズ・アニメーション部門」「日本映画クラシックス部門」「ユース部門(TIFFチルドレン/TIFFティーンズ)」の実施も決定している。
●クリストファー・ノーラン監督からのメッセージ
皆さん、こんにちは。『TENET テネット』の監督、クリストファー・ノーランです。今年の第33回東京国際映画祭の開催、おめでとうございます。このような厳しい時期に、皆さんが大きなスクリーンで映画を観ることを称え、そして、楽しむ道を見出してくれたことは、私にとって、そして、世界中の映画製作者にとってインスピレーションの源となります。そして、映画を観ることの感動、さらには大きなスクリーンで映画を楽しむことのワクワク感を大切にすることは、日本の映画ファンのみならず、世界中の映画ファンの心を躍らせてくれるものです。改めて、おめでとうございます。そして、映画祭を楽しんでください。
■開催情報
「第33回東京国際映画祭」
期間:10月31日(土)~11月9日(月)
会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木ほか
公式サイト:https://2020.tiff-jp.net/ja/
オープニング作品:『アンダードッグ』(武正晴監督)
クロージング作品:『HOKUSAI』(橋本一監督)
「TIFFCOM2020」
期間:11月4日(水)~11月6日(金)
会場:ザ・プリンスパークタワー東京
公式サイト:https://tiffcom.jp/
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