乃木坂46 賀喜遥香、早川聖来、掛橋沙耶香、田村真佑……『ノギザカスキッツ』で新境地見せた4期生メンバー
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乃木坂46 4期生が出演するコント番組『ノギザカスキッツ』(日本テレビ系)が10月26日に最終回を迎えた。今年6月より、全20回にわたり放送してきたこの番組は、4期生メンバーのバラエティ面を大きく成長させる結果となった。
2019年10月から半年間放送してきた前身番組『乃木坂どこへ』でもMCとして時間を共にし、『キングオブコント』(TBS系)決勝常連である、さらば青春の光と本気でコントに挑戦。当初はメンバーも「アイドルがコントに挑戦する」という少々生半可な考えで臨んでいたが、番組が用意していたのはコテコテのコントだった。番組プロデューサー毛利忍のYouTubeチャンネル「毛利Pチャンネル」にて、そう語るのは早川聖来。さらばの森田哲矢も「誰よりも前のめりだった」「笑いに貪欲」と認める、関西魂を爆発させたメンバーだ。
視聴者投票で人気ナンバー1キャラを決定する「第1回ノギスキキャラデミー賞」では、残念ながら早川自身の代表作「せーらおばあちゃん」が呼ばれることはなかったが、計12のキャラで様々なコントを盛り上げた名バイプレイヤーとして「さらば賞」が贈られた。実際、20位以内には15位に「早小路セイラ」、8位には賀喜遥香との「尼崎姉妹」がランクインしており、そのキャラの多さに票が分散したとも考えられる。早川の魅力は、役に振り切った演技力の高さ。かつて舞台公演『16人のプリンシパル』にて4期生の中でも突出した強さを誇り、その後「乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』2019」や『スマホを落としただけなのに』、『あなたと作る~etude The 美4』と多くの舞台経験を重ねている一人。『ノギザカスキッツ』の経験を通して、早川独自の新たな道も透けて見えてくる。
「さらば賞」を獲得した早川に対して、「キャラデミー賞」で1位に輝いたのは賀喜。そのキャラは金川紗耶が扮する「やんちゃんなやんちゃん」を盛り上げる「やんちゃじゃないかっきー」というまさかの結果に。早川が言っていた「同情票」という意見も納得であるが、賀喜の最大の魅力は愛らしくもインパクトのあるその表情だろう。「やんちゃじゃないかっきー」然り、5位にランクインした「妄想少女かっきー」も、コロコロ様変わりする性格と顔の動きで魅せるコント。自身も認めるほどに、賀喜の新しい一面を見せた一作となった。
130票という僅差で惜しくも2位となったのが、掛橋沙耶香による「保険ポリス」。森田とバディを組む警察官のコントで、出身の岡山弁による「ちばけとったらおえんで」が決めゼリフ。可愛らしい敬礼のポーズと真面目に取り締まる振り幅が魅力の、掛橋を代表するキャラとなった。毛利PのYouTubeチャンネルで、相手役の森田は「コント、芝居に向いてる。頼もしかった」と掛橋を賞賛。2位という結果に悔しさを露わにしたその表情が、掛橋がこのコントで自信をつけたことを表している。
3位は番組初期から好評を博していた田村真佑の「新妻まゆたん」。狂気じみた演技に加え、ゲテモノ料理のサソリに、ビリビリ椅子、バラエティ番組で罰ゲームにも使用されるノニジュースと最も身体を張ったのは田村だった。その余波は、今年6月に放送された『乃木坂46時間TV』(ABEMA)にも及び、そこでも田村はカエルとヤモリの素揚げを口にする羽目に。早川たちとは違った方向性でバラエティ力を伸ばしたのが田村だ。
賀喜をはじめに多くのメンバーが流した大粒の涙、4期生の代表曲「I see…」に乗せたキャラの数々は、『ノギザカスキッツ』での成長と思いの深さを感じさせる。早川がコメントしていたように、新4期生も含めた16人で力を合わせて作り上げた初めての番組でもあった。
11月10日からは『ノギザカスキッツ ACT2』として、2ndシーズンがスタート。新たに3期生も参加し、さらに番組を盛り上げる。3期生にとっても、4期生にとっても互いに刺激し合う、これまでとは一味違った『ノギザカスキッツ』が観られそうだ。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter