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名和晃平の個展「Oracle」がGYRE GALLERYで開催中 鎌倉時代の彫刻にオマージュを捧げた新作などを発表

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会場風景

京都 ・伏見のスタジオ「Sandwich」を拠点に活動を続ける彫刻家名和晃平の個展が、2021年1月31日(日)まで、GYRE GALLERYで開催されている。

同展は近年、名和が取り組む京都の伝統工芸復興プロジェクトから生まれた作品を中心にした構成。鎌倉時代の「春日神鹿舎利厨子」へのオマージュとして、木彫漆箔仕上げの《Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)》(通称 : 雲鹿)を発表している。

《Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)》

また、複数のメディウムや塗料・オイル・油絵具などを混合し、複雑な物質性とテクスチャを生み出すペインティング、霧やUVレーザーを用いた新作も展示されている。

さらにGYREのアトリウムには、彫刻作品《Silhouette》がインストールされている。これは一昨年、東京・スパイラルホールと京都 ・ロームシアター京都で行われた、ピアニストの中野公揮氏のコンサートの舞台美術作品として登場したもの。音の旋律を元にした曲線でつくられた回転体とそのボリューム、炭化ケイ素の粒に覆われて光に反射する表皮が魅力的な作品だ。

アトリウム展示風景

展覧会タイトル「Oracle」は、神託、神意、助言を与えてくれるものなどを意味する。海外への渡航が難しくなった今年、名和自身がスタジオで過ごす時間が増えた影響で、さまざまな実験的試みが継続的に行われている、という。こうした中で生まれた作品は、これまでの名和作品から一歩踏み出して、私たちに何かを与えてくれるような気がする。

【開催情報】

『名和晃平 個展「Oracle」』

2020年10月23日 (金)~2021年1月31日(日)、GYRE GALLERYにて開催
https://gyre-omotesando.com/art/

会場風景
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