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森山未來「アンダードッグ」撮影で冷静さ意識、勝地涼は“信頼の拳”に「痛い…」

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「アンダードッグ」舞台挨拶の様子。左から武正晴、森山未來、勝地涼。

第33回東京国際映画祭オープニング作品「アンダードッグ」の舞台挨拶が本日11月2日に東京・EX THEATER ROPPONGIで行われ、キャストの森山未來と勝地涼、監督を務めた武正晴が登壇した。

“咬ませ犬”としてリングに上がる崖っぷちのプロボクサー・末永晃を中心に、3人の男たちのドラマを前後編にわたって描く本作。森山が晃を演じ、勝地はテレビ番組の企画で試合に挑む芸人ボクサー・宮木瞬に扮した。「百円の恋」でも武とタッグを組んだ足立紳が脚本を担当した。

МCがボクシングシーンをどのように撮影したのか質問すると、森山は「振り付けはありますけど、リングに上がってお客さんの声援とアドレナリンを感じながら、宮木をボコるという」と苦笑。「ボクシングの試合ってものすごくテンションが上がるんですけど、そういうときこそクールな部分を持たないといけないので、そこを意識して(勝地と)コミュニケーションを取っていましたね」と語った。

勝地は「自分が段取りを意識したとしても、ガードして目を隠しながらやっているから何が起こっているのかわからなくなっているんですよ」と振り返る。森山との試合シーンについては「全体的に未來くんに引っ張ってもらいました。ある程度(体に)当てている場面もあるんですけど、未來くんは信頼を込めてがっつり殴ってくれるので、小さい声で『痛い……』と伝えるようにはしていました」と裏側を明かして観客を笑わせた。

本作では、北村匠海(DISH//)が過去に秘密を持つ才能豊かな若手ボクサー・大村龍太役で出演している。イベント中には、登壇が叶わなかった北村が3人に聞きたいことをまとめた音声が流された。武に向けては「現場でも夢を大きくしてくれる監督。映画を撮ろうとしたきっかけが知りたい」、森山へは「いろんな表現をしている方だと思いますが、これが自分の人生における生きがいだと思うタイミングは?」と問いかける。そして「減量などいろいろ大変だったこの撮影のあと、自分自身への“ご褒美飯”はなんでしたか?」という質問に、勝地は「俺への質問だけ浅くない!? おい、匠海!」と慌てていた。

北村からの質問に対し、武は「最初に映画の現場で仕事をしたとき、『監督という職業には一生就けないだろうな』と思うほど素晴らしい監督たちを目の当たりにしたんです。自分は助監督を15年ぐらいやったんですけど、その積み重ねでこのまま一生監督になれないとつらいまま終わるな、1本ぐらい撮れないとたまらないなと思ったんです。助監督はいい仕事だと思ってるけど、そう思うぐらいキツかった」と述懐。また「映画は撮るけど、じゃあ何を撮るのかっていうところは、今も悩みますね」と話した。

森山は「僕たちには表現したいという要求がありますし、お客さんも表現を体感したいっていう欲求が強くあるんだとコロナ以降強く再確認できました。舞台であればお客さんと同じ時間を共有できるし、映画であれば作品と観客の皆さんが1つの空間で一体になれる。表現や提示をしたいという気持ちはあってもお客さんがいないと完結できないですし、(作品を通じて)お客さんの価値観や世界観にいい変化があると、僕自身の喜びになります」と述べる。勝地は「アイ、イート、ジャパニーズ、つけ麺……」とかろうじて答えるも、「なんだ匠海の質問は!」と嘆いていた。

劇場版「アンダードッグ 前編」「アンダードッグ 後編」は11月27日より東京・WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)ほか全国で順次ロードショー。

※「アンダードッグ」はR15+指定作品

(c)2020「アンダードッグ」製作委員会