「大人のけんかが終わるまで」プレビュー開幕、鈴木京香「共感してもらえる」
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「大人のけんかが終わるまで」公開稽古より。
「大人のけんかが終わるまで」プレビュー公演が、本日6月30日に東京・シアター1010で開幕。これに先駆けて昨日29日に公開稽古が行われた。
日本初上陸となる本作は、フランスの劇作家ヤスミナ・レザの最新作。今回の日本版では上演台本を岩松了、演出を文学座の上村聡史が担当し、出演者には鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、藤井隆、麻実れいが名を連ねている。
不倫関係にあるアンドレアとボリスはある夜、レストランの駐車場に車を止めたまま揉めていた。ボリスが妻から推薦されたレストランに連れてきたことを、アンドレアは「デリカシーがない」と非難する。嫌気がさしたボリスが車を発進させると、駐車場にいた老女・イヴォンヌを轢いてしまい……。
公開稽古では、5人のキャスト全員が登場するレストランでのシーンが披露された。鈴木は徐々に情緒不安定に陥っていくアンドレアを表情豊かに表し、北村はアンドレアとの不倫関係を隠そうとする、いたたまれない立場のボリスを繊細に演じる。
また麻実は認知症の症状が現れはじめるイヴォンヌの突飛な言動をコミカルに表現。藤井はそんな母イヴォンヌにべったりなマザコンぶりを見せるエリック役を好演した。そして板谷は義母であるイヴォンヌの世話に手を焼き、夫エリックへの不満を募らせるフランソワーズの苛立ちをあらわに表現。5人のキャストが小気味よいテンポで、シニカルな大人の会話劇を織り成した。
プレビュー公演開幕を翌日に控えた鈴木は「いよいよ始まるなという気持ちですが、やはり舞台に立ってみると稽古場の時よりも楽しさが増えてきた感じがします」と心境を語り、「演出の上村さんのもとで、5人のキャラクターを皆でつくってきたので、私もアンドレアを生き生きとした女性として演じたいです」と意気込む。そして「どのキャラクターにもイヤな人がいないといいますか、どこか共感してもらえるところがあると思います」とアピールした。
本作を「思った以上に疲弊する舞台」と言い表す北村は、「今回ほど不安な部分がない舞台も初めてで、どんなことが起こっても動揺しないで、リラックスして初日に臨めるかなと思います」とコメント。板谷は「舞台の上ではずっとけんかをしているので、私は俯瞰で見ることが出来ないのですが、お客様がこの舞台で何を受け取ってくださるのか、私自身すごく興味がある」と期待を語り、藤井は初日を前に「緊張感がいまMAXの状態」と明かしつつ、「お客様に入っていただいたら、力をいただけるんじゃないかと思っておりますので、どうぞ劇場でお待ちしています」と観客に呼びかける。
そして麻実は「初夏に相応しい、ちょっと大人の辛口コメディですので、楽しんで演じたいと思います」と意気込みつつ、「この舞台はご夫妻でいらっしゃるととても面白いと思います」と作品の出来に太鼓判を押した。
本作は明日7月1日までプレビュー公演が行われたのち、愛知、静岡、岩手を巡演。7月14日から29日までは東京・シアタークリエにて上演され、その後さらに大阪、広島、福岡、愛媛、兵庫を巡るツアーを行う。
「大人のけんかが終わるまで」
2018年6月30日(土)・7月1日(日)※プレビュー公演
東京都 シアター1010
2018年7月4日(水)・5日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 中ホール
2018年7月7日(土)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール
2018年7月10日(火)
岩手県 岩手県民会館 大ホール
2018年7月14日(土)~29日(日)
東京都 シアタークリエ
2018年8月1日(水)
大阪府 岸和田市立浪切ホール 大ホール
2018年8月3日(金)
広島県 上野学園ホール
2018年8月5日(日)
福岡県 博多座
2018年8月8日(水)
愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール
2018年8月10日(金)~12日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作:ヤスミナ・レザ
翻訳:岩切正一郎
上演台本:岩松了
演出:上村聡史
出演:鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、藤井隆、麻実れい