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THE YELLOW MONKEY、東京ドームで30周年リスタート「今日から新しい時代が始まった」

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「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-」の様子。(撮影:横山マサト)

THE YELLOW MONKEYが昨日11月3日に東京・東京ドームにて、結成30周年記念ライブ「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-」を開催した。

THE YELLOW MONKEYは昨年末より30周年記念の東名阪ドームツアーを開始。ツアーファイナルは4月4日と5日に東京ドームで行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け中止となった。今回のライブはこの中止から7カ月を経て開催されたもので、チケットは感染拡大防止のため、政府のガイドラインに準じた、東京ドームの最大収容人数の50%以下となる1万9000枚のみが販売されソールドアウトした。また各配信プラットフォームでの生配信やWOWOWでの生中継を通じ、会場に足を運べなかった全国のファンもライブの模様を楽しんだ。

開演前からステージ上で行われていたカウントダウンが60秒を切ると、感染拡大防止のため声を出せない場内のオーディエンスからは大きな手拍子が沸き起こる。開演時刻を迎え、ステージ後方にはこのライブに向けたリハーサルに臨むメンバーの様子や、名古屋および大阪でのドームライブの映像が映し出された。吉井和哉(Vo)、菊地英昭(G)、廣瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)、そしてサポートメンバーの鶴谷崇(Key)がステージに上がり、最初に奏でたのは「真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~」。芳醇なサウンドがドームに響くと、1万9000人のすさまじい拍手が響いた。

その後メンバーは「追憶のマーメイド」を妖艶に披露し、「SPARK」で一気に場内をヒートアップさせる。最初のMCで吉井は1席ずつ空席が設けられた場内を見渡し「見た感じだとちゃんと満員だ!」と笑顔を浮かべ、「細かいことは言わなくていいや。今夜は俺たちも思い切り楽しんで、最高の夜にしたいと思います。弾けてってください!」と語りかけ、万雷の拍手を浴びた。「Tactics」では「声はいらないから、体でください」という吉井の言葉に応え、観客はワイルドなグルーヴに身を任せて心地よさげに体を揺らした。

菊地英昭のエモーショナルなギターソロから始まった「球根」では、荘厳なアンサンブルで1万9000人を圧倒。その後メンバーたちは花道を歩き、センターステージへ進み出た。吉井は今回のドームツアーではセンターステージを設け、30年を振り返るべく初期のライブハウスさながらに4人だけでのパフォーマンスを披露していると語った。

紫色のレーザーライトの中で骨太なサウンドと切なげな歌声が絡み合う「花吹雪」を披露し、続いては「Four Seasons」を高らかに鳴らす。吉井がアコースティックギターをかき鳴らしながら熱唱した「Foxy Blue Love」では、菊地英昭と廣瀬がセンターステージから会場の四方を見渡し、ファンと笑顔を交わし合っていた。続く「SLEEPLESS IMAGINATION」ではLEDビジョンに過去のこの曲のライブ映像が流れ、バンドの30年にわたるキャリアを改めて印象付けるひとときとなった。

菊地英二のダイナミックなドラム、廣瀬のベースラインがドーム中を揺らした「BURN」のあと、吉井は「最後の東京ドームはあまり晴れ晴れとした気持ちでできなかったもんですから、いつか気持ちいい最高の東京ドームをやりたいなと思っていました。4月のチケットはほぼソールドアウトしていたけどこういうことになって……なかなか気持ちいい思いをさせてもらえないなと思っています」と4月に中止となった公演に思いを馳せる。さらにコロナ禍を経たこの日のライブについて「たぶん、ドームクラスのライブは世界で初めてかなと思います。ここにいる皆さんと画面を通じてご覧になっている皆さん、観て、体験してくれてありがとうございます。忘れないでいてもらいたいし、俺たちの姿を覚えていてほしいです」と思いを明かした。

「THE YELLOW MONKEYのロックンロールを聴いてください」と吉井が紹介し「JAM」へ。アリーナ外周から真っ赤なライトがドーム天井を照らす中、4人は万感の思いを表現するかのようにそれぞれの音を丁寧に鳴らす。通常のライブであればオーディエンスが大合唱を繰り広げる2番のサビでは、観客に配られた自動制御のリストバンド型ライト・フリフラが一斉に赤く灯り、1万9000人の思いをメンバーに伝えた。

鶴谷によるピアノソロから始まった「メロメ」では、柔らかなレーザーの光とLEDビジョンに映し出された星空が荘厳な曲の世界を彩る。幻想的な空間に観客を誘ったあとは「天道虫」のパワフルな演奏が再び場内を熱狂に導いた。「パンチドランカー」ではオーディエンスが一斉に空に向かってパンチし、「Love Communication」では吉井がステージ左右の花道を駆け回ってオーディエンスに向けて「愛し合いましょう!」と叫んだ。

吉井は次の曲に入る前「このバンドは皆さんに支えられて、ファンと一緒に歩んできたバンドです」と改めてファンに感謝を述べ「今回の東京ドームは本来の望むべき形じゃないかもしれないけど、THE YELLOW MONKEYの勲章として、自分の歴史に刻みます。また今日から新しい時代が始まったと思います。一緒にまたがんばりましょう」と呼びかける。そして「40周年や50周年はまたここでやらせてもらいたいと思います。 そのときはテレビやネットでご覧の皆さんも、ぜひここに集まってください」と語り、「バラ色の日々」を歌い始めた。会場内にはファンの歌声を募集する「Sing Loud!」企画に寄せられた音源が響き、場内のファンは歌声の代わりにタオルを掲げて熱い眼差しをステージに送った。

「SUCK OF LIFE」では菊地英昭と廣瀬が再びセンターステージへ進み出て、フリフラの灯りに照らされながら華麗な音色を響かせる。間奏で吉井が菊地英昭のギターの弦をマイクでなぞり唇を重ねる場面では、自身の顔の下半分をプリントしたマスクを装着して接近した。本編最後の曲は今年2月に配信リリースされた最新曲「未来はみないで」。吉井はこの曲について「この不思議なタイトル、こんな世の中になるとは思わないで付けたタイトルの曲を聴いてもらいたいと思います」と語り、丁寧な歌声を響かせた。

アンコールは「楽園」で始まり、アニバーサリーイヤーの再開を告げるような「ALRIGHT」へと続く。曲中のメンバー紹介ではそれぞれに向けて「30周年おめでとう!」と祝福の言葉を送り合い、吉井はファンに向けても「30周年おめでとう! そしてありがとう! これからもよろしくお願いします!」と叫んだ。淡いピンク色のライトと紙吹雪がドーム中を彩った「悲しきASIAN BOY」のあと、ラストナンバーとして「プライマル。」が力強くパフォーマンスされた。すべての演奏を終えたあとメンバーたちは笑顔で記念写真に収まり、名残惜しそうに花道を行き来する。吉井は最後に「本当にありがとう、またやるぞ!」と東京ドームでの再会を改めて誓った。

「30th Anniversary LIVE」は11月7日に神奈川・横浜アリーナ、12月7日に東京・国立代々木競技場第一体育館、12月28日に東京・日本武道館でも行われる。横浜アリーナ公演の模様はHuluおよびニコニコ生放送で配信される。なお2021年2月3日には、今回の東名阪ドームツアーで演奏された楽曲からファン投票で選ばれた曲を収録するライブアルバム「Live Loud」のリリースが決定。投票受付は11月7日12:00よりスタートし、バンド結成日である12月28日の日本武道館の公演後に収録内容が発表される。

「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-」2020年11月3日 東京ドーム セットリスト

01. 真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
02. 追憶のマーメイド
03. SPARK
04. Balloon Balloon
05. Tactics
06. 球根
07. 花吹雪
08. Four Seasons
09. Foxy Blue Love
10. SLEEPLESS IMAGINATION
11. 熱帯夜
12. BURN
13. JAM
14. メロメ
15. 天道虫
16. パンチドランカー
17. Love Communication
18. バラ色の日々
19. SUCK OF LIFE
20. パール
21. 未来はみないで
22. 楽園
23. ALRIGHT
24. 悲しきASIAN BOY
25. プライマル。