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NiziU RIKU、AYAKA、MAYUKA……努力を重ねデビューに繋げた“真ん中”メンバー それぞれの歩みから見える共通点

音楽

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リアルサウンド

 12月2日にデビューシングル『Step and a step』のリリースを控える9人組のガールズグループ・NiziU。先日10月30日に出演した『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でのパフォーマンスも大きな注目を集めた。デビューに先立ち、メンバー9人を改めて年齢順に紹介したい。前回はMAKO、RIO、MAYAの年長組3人を紹介したが、今回は続けてRIKU、AYAKA、MAYUKAについて取り上げる。

 まずは2002年生まれ、先日10月26日に18歳の誕生日を迎えたRIKUだ。他のメンバーから“リス”と呼ばれ、親しまれる彼女は大阪での地域予選からオーディションに参加。東京合宿では参加者26人中ダンスレベルテスト6位、ボーカルレベル4位、最終5位と順位はいずれも高かったが、地域予選の時にJ.Y. Parkが彼女にかけたのは「ダンスと歌の実力は全体的に見ると優れている方ではありません」という厳しい言葉だった。しかし、その際J.Y. Parkは付け加えてRIKUの“ナチュラルさ”を評価。RIKUは何といっても向日葵のように輝く笑顔が魅力的だが、J.Y. Parkはそれが作られたものではなく、とても自然に感じられたという。

 ただ、地域予選でも東京合宿でも同じく動作にグルーヴがないと指摘されてまったRIKU。その課題を背負って臨んだ韓国合宿では、最初の個人レベルテストでJ.Y. Parkの「Who’s your mama?」を披露した。この曲はJ.Y. Park自身が語っていたように、遊び人のような浮ついた雰囲気を表現することが一つの肝。一生懸命さが前面に出てしまうRIKUにとっては難しい課題だったが、見事に表情やグルーヴ感のあるダンスで表現し、J.Y. Parkが驚くほどの成長を見せた。その後のチームミッションでもRIKUはめきめきと力を発揮。しかし、J.Y. Parkが当初RIKUの魅力として挙げた“ナチュラルさ”は少しも失われていない。実力をつけてもなお、屈託なく笑うエネルギッシュさがファンの心を惹きつけているのだろう。

 2003年生まれ、現在17歳のAYAKAは地域予選で誰よりも周囲の目を奪う存在だった。透明感のある美しさを放ち、J.Y. Parkから「miss Aのスジに似ている」と称されたビジュアルが視聴者の心をすぐに掴みSNSで話題に。地域予選で「このままデビューしても歌手を長く続けられない」と厳しい評価を下したJ.Y. Parkも、そのスター性を買って合格と判断したほど。ただ元よりレベルの高い東京合宿参加者の中で、AYAKAは常に試練を受けることになる。印象的だったのは、韓国行きのメンバーに選ばれた際に「私はまだ実力が全然足りてないので、選んでくださったことに恥じないように頑張ろうと思います」と語りながら涙した彼女の姿。自分の実力不足を理解しながらも、一方でJ.Y. Parkからスター性を評価されているというプレッシャーをAYAKAは常に抱えていたように思う。それでも諦めることなく、AYAKAは韓国合宿で大きな成長を見せていった。個人レベルテストでもトレーナーからダンスが上手くなっていると驚かれたAYAKAだが、最もその成長を感じられたのはMIIHI・RIMAと組んで臨んだチームバトルだ。JYP練習生の二人と練習を重ねたことにより、「Very Very Very」(I.O.I)のパフォーマンスではJ.Y. Parkから高評価を受けた。チームメンバーはもちろん、AYAKAには「応援したい!」「推したい!」と思わせる愛らしさがある。まさにアイドルになるために生まれてきたような女の子だ。

 そしたAYAKAと同じく2003年生まれ、今月13日の誕生日で17歳になるMAYUKA。彼女は大阪での地域予選に参加したが、オーディションの模様は当初未公開だった。『NiziU 9 Nizi Stories』の第6話(MAYUKA編)で初めて公開された映像では、まだ幼さが残るMAYUKAの姿が残されている。以前からダンスを習っていたというが、予選でJ.Y. Parkから受けたのは新人のような“情熱”が感じられないという評価。テクニックよりも、ダンスや歌で感情を伝えられていないという理由から当初は合格保留となっていた。そんな彼女が一躍注目されたのが、韓国行きのメンバーを決める東京合宿最後の試練“SHOWCASE”でのパフォーマンス。それまで1つもキューブをもらっていなかったにもかかわらず、自信溢れるダンスやラップを披露したことでJ.Y. Parkの目にとまり、一気に3つのキューブを獲得して韓国行きのメンバーに選ばれた。何よりも視聴者の心に残っているのは、韓国合宿のチームバトル「Heartbeat」(2PM)でMAYUKAが披露した力強いラップではないだろうか。彼女が担当したラップパートはかなり難易度が高い。しかしながら、MAYUKAは覚醒したかのように情熱的に、かつ正確に見せ場のラップをこなし、楽曲の持つ世界観を表現した。誰もが驚くとともに、最後までアイドルになりたいという夢に食らいつくその姿勢に感動したはずだ。何よりも、トレーナー・スタッフからの人柄評価が最高点だったことから彼女のひたむきな姿勢が伝わってくる。

 こうしてRIKU、AYAKA、MAYUKAのデビューまでの道のりを辿ると、3人の共通点が見えてくる。彼女たちはどちらかといえば、NiziUの中でも特に苦戦を強いられたメンバーだったのではないだろうか。年長組の3人は全員がダンスや歌のレッスン経験者、年下組のMIIHI、RIMAはJYP練習生で、NINAも予選からボーカル面についてJ.Y. Parkの評価は高かった。そんなメンバーに囲まれながらRIKU、AYAKA、MAYUKAはスター性を評価され、その期待に答えるように努力を重ねてきたのだ。そして、3人はそれぞれ韓国合宿で努力の成果を発揮し認められ、デビューメンバーに見事選ばれた。J.Y. Parkがオーディション開始当初から語っていた「大切なことはナチュラルさ」という言葉が思い返される。自分らしさを大切にしながら、技術面では素直に他人のアドバイスを受け入れ、吸収する――そんなRIKU、AYAKA、MAYUKAは何色にも染まれる“NiziU”の名に相応しいメンバーなのだ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico