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肩パットのみを身に着けておくる異色作 劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』開幕

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劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』チラシ

2枚の肩パットのみを身に着けた男優陣と、個性豊かな女優陣がおくる劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』が本日11月7日(土)に開幕する。

歌と踊りと芝居の全方面から、圧倒的な物語世界を全力で舞台上に立ち上げる劇団鹿殺し。常にあらゆる方法論を模索する彼らが、今回たどりついたのは「肩パット」。曲者揃いの男優陣が、裸体の前と後ろに1枚ずつの肩パットを装着して、資料によれば「シンプルな肉体と、想像力の翼のみを武器に、演者と観客、双方の世界を無限に解放することに挑戦する」という。

脚本の丸尾丸一郎はこの企画について、コロナ禍に途方に暮れていた夏に思いついた起死回生の秘策であると語り、演出の菜月チョビは「制限されて縮こまるのではなく、どうなろうとフレキシブルに戦える力を持った、自由でシンプルな作品作りがしたい!」と意気込む。その、志高き新機軸が「肩パット」。あまりの鹿殺しらしさに笑ってしまうわけだが、今回の公演にはもうひとつの目玉がある。音楽を、タテタカコが担当することだ。

是枝裕和監督作『誰も知らない』の主題歌に起用されたのが2003年。以降も浮つくことなく、胸に響くメロディと伸びやかな歌声で聞き手を魅了してきた。「タテタカコ」と「肩パット」がどんなハーモニーを醸すのか、想像もつかなすぎて興味を惹かれる。

そんな奇跡的座組で今回挑戦する作品は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』と、江戸川乱歩の『少年探偵団』の2本。これもまた想像を絶するセレクトである。

これまでもあらゆる方向から、観客の度肝を抜いてきた劇団鹿殺し。また新たな挑戦が、彼らを高みへ押し上げる。公演は11月15日(日)まで、東京・池袋あうるすぽっとにて。2作品が日替わりで上演されるプログラムは公式サイトで確認を。

文:小川志津子

全公演、生配信あり!
劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』


『銀河鉄道の夜』
原作:宮沢賢治
脚本:丸尾丸一郎
演出:菜月チョビ
音楽:タテタカコ
振付:伊藤今人
北村想『想稿・銀河鉄道』より一部引用あり

『少年探偵団』
原作:江戸川乱歩
脚本:丸尾丸一郎
演出:菜月チョビ
音楽:タテタカコ
振付:藤林美沙

2020年11月7日(土)~2020年11月15日(日)※2演目を交互上演
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)

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