角川武蔵野ミュージアムがついにグランドオープン! 未来志向の文化複合施設をレポート!
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隈研吾の設計による角川武蔵野ミュージアム
11月6日、ところざわサクラタウンの目玉施設、角川武蔵野ミュージアムがグランドオープンした。美術、博物、図書の垣根を超えて、文化そのもの面白さを楽しめる未来志向の複合施設だ。
ところざわサクラタウンは、所沢の地から最先端の文化と産業を生み出し、世界経向けて発信する「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設だ。広大な敷地のなかにはKADOKAWAの書籍製造、物流向上やオフィスのほか、イベントスペース、ホテル、ショップやレストランなどが展開される。
そのなかでも広く注目を集めているのが、角川文化振興財団が手がける文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」だ。すでに7月のプレオープンでミュージアムの一部は公開されていたが、グランドオープンにより5階建ての建物内すべての施設が公開となる。
1Fのグランドギャラリーは、約1000㎡という広い面積を活かした展示が行われる。グランドオープン第一弾となる展覧会は、作家であり、角川武蔵野ミュージアムの博物部門ディレクターも務めている荒俣宏の監修する『荒俣宏の妖怪伏魔殿2020』。これまで、荒俣が研究・収集してきた妖怪に関する資料が展示される。
4階のエディットタウンは、角川武蔵野ミュージアム館長で、編集工学研究所所長の松岡正剛が監修した、25000冊の蔵書が並ぶ図書館「ブックストリート」や、高さ8メートルの巨大本棚でプロジェクションマッピングも上映される「本棚劇場」などで構成されている。
なかでも約5万冊の本が並ぶ巨大本棚の佇まいは圧巻。本棚にはKADOKAWAの刊行物のほか、KADOKAWA創業者の角川源義や文芸評論家の山本健吉、そのほか日本を代表する作家や研究者らの蔵書で構成されている。毎時0分にはプロジェクションマッピングも上映される予定だ。
エディットタウンでも美術作品の展示を行われる。エディットタウンの入り口に飾られている作品は、会田誠の《疫病退散アマビヱ之図》。角川武蔵野ミュージアムでは、今後も「コロナ時代のアマビエ」をテーマに、鴻池朋子ら現代美術作家の作品を展示していくという。
そして、エディットタウン内の「エディットアンドアートギャラリー」では、2021年3月7日まで日本人とオーストラリア人アーティストユニット米谷健+ジュリアの『米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい』が開催されている。
同フロアにもう一つあるギャラリー、荒俣ワンダー秘宝館は、グランドギャラリーと同じく荒俣宏が監修した博物館。荒俣宏の森羅万象への関心が垣間見える空間だ。
そして5階は、KADOKAWAの創業者である角川源義がこよなく愛した武蔵野をテーマとした空間となっている。
武蔵野ギャラリーでは、3万年前より人が暮らす武蔵野を再定義することがテーマとなった『武蔵野三万年ことはじめ』が当面の間展示される。角川源義が撮影した武蔵野の風景写真や、武蔵野台地の地形模型、人気イラストレーターtoy(e)によるダイダラボッチのイラストなどを用い、地域の情報がわかりやすく解説されている。
また、図書コーナーの「武蔵野回廊」では、民俗学者の赤坂憲雄の選書による、武蔵野を再発見するための本を陳列。入場者は自由に閲覧することができる。
このほか、角川武蔵野ミュージアム内にはマンガ・ラノベ図書館や、EJアニメミュージアムなどもオープン。一日で館内を全部回るのが困難では?と思ってしまうほど、見るべきものにあふれている。
ジャンルにこだわることなく、あらゆる文化の面白さを貪欲に紹介していこうとする角川武蔵野ミュージアム、今後、国内外の多くの人たちの心を揺さぶっていくだろう。新しく誕生した日本の新名所に期待したい。
【関連リンク】
角川武蔵野ミュージアム
https://kadcul.com/
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