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小泉孝太郎、磯村勇斗、阿部サダヲの共通点とは? 『恋する母たち』心をかき乱す男たち

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リアルサウンド

 失踪した記憶喪失な夫との再会、出張先でイケメン部下との情事、夫の不倫相手との直接対決……一気に物語が動き始めた金曜ドラマ『恋する母たち』(TBS系)第3話。

 夫・慎吾(渋川清彦)がいるという与論島にやってきた杏(木村佳乃)。11年前に会社のお金を横領したこと、そして自分と幼い息子を捨てて人妻と失踪したことを直接伝えても、やはり慎吾は何も覚えていなかった。

 ただ、杏のつける香水に「懐かしい」と言い、かつて杏にも言い続けてきた「世界で一番の人」と今の妻について話す。記憶がないならないで、人格まですっかり変わっていてくれたら、どんなに楽だったか。

 杏が愛した慎吾の良さはそのままに、自分との思い出だけが消えた夫の姿に思わず涙があふれる。慎吾が記名・捺印した離婚届を区役所に提出すると、今度は斉木(小泉孝太郎)から「付き合ってほしい」という告白が待っていた。

 一方、優子は新商品の販売イベントで、赤坂(磯村勇斗)と京都へ。招待客が集まったところに、まさかの停電のアクシデントに見舞われる。しかし赤坂の機転でイベントの中止を回避できた優子。

 ところが、今度はホテルの予約がツインルームしか取れておらず、他の部屋も空いていないという。また周辺ホテルもなかなか取れない模様。せっかくピンチを救ってもらったのに……とでも思ったのだろうか、優子は赤坂と同じ部屋に泊まる決意をする。

 さらに眠れないという赤坂に「飲みましょう」と声をかけたのも優子から。赤坂の口説き文句にツッコミを入れるつもりが、逆に誘うようなことまで口走ってしまう。そして案の定2人は1つのベッドへ。こうなるかもしれないと思っていた優子の予感は、傍から見ていれば引き寄せの法則(自分に起きることは、自分が思ったことからしか起こらない法則)に他ならない。

 そして、もうひとりの母であるまり(仲里依紗)は、夫・繁樹(玉置玲央)の不倫相手・のり子(森田望智)から、不倫の決定的証拠になりうる衝撃的な会話内容の音声ファイルをメールで受け取り、ひどく動揺する。すぐさま丸太郎(阿部サダヲ)に相談すると、まりのことを狙っているにも関わらず、まりに3人で冷静に話し合うように助言。まりにとって子どもたちとの生活を守ることこそが「勝ち」だと諭し、「大丈夫」と背中を押す。

 丸太郎の言葉を胸に話し合いへと挑むまり。のり子からの挑発的な発言にも取り乱すことなく健気に対応すると、か弱いほうになびくと予想した丸太郎の言葉通りに繁樹の態度が激変。のり子には事務所を辞めてもらうと宣言する。晴れて、のり子を撃退することができたものの、まりの心は曇ったままだった。

 斉木、赤坂、丸太郎――。母たちの心をかき乱す男たちには、ある共通点がある。それは、彼女たちが助けてほしいと願ったときに、どこまでも味方になってくれるという点だ。仮に、そのピンチに手を差し伸べることが、彼女たちを口説き落とすという自分の利益から遠ざかることになるとしてもだ。

 人はどうしても自分の利益を最速で手にしたいと願ってしまう。だからこそ、それを後回しにしてでも“私の味方をしてくれている”という展開に、大人の男の余裕を感じさせ、より魅力的に見せる。加えて、彼女たちは母であり、大人の女だ。愛情を注いで当たり前の側に居続けると、愛をもらってばかりではいられない、何か返してあげたいという気持ちになるのかもしれない。

 愛する一方で疲れたところに「愛されて困る」という状況を作り出し、いつしか「愛を返さずにはいられない」展開に持っていく。それも急かすことなく、じわじわと時間をかけて。斉木と丸太郎がバーで反芻するのは、そんな大人の恋の味。まだ若い赤坂は彼らほど達観できてはいないが、どちらかというと優子のほうがその素養を持ち合わせている。

 杏は斉木の告白を受け入れ、優子は赤坂と秘密の逢瀬を重ね、まりの心はますます丸太郎一色に……。杏と斉木はお互い正式に離婚が成立しているのだから、自由に恋愛を楽しめそうだが、そこは杏が母であることから息子との関係性に一波乱ありそうだ。そして優子は割り切った関係を楽しもうとするが、その思いとは裏腹にどんどんのめり込んでいく予感。そしてまりにとって一番頼りになる存在は夫より丸太郎になっているのは明らか。

 大人の恋には、責任が伴う。だからこそ「なかなか落とせない」というもどかしい時間こそが甘く、楽しいのだろう。

■放送情報
金曜ドラマ『恋する母たち』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:木村佳乃、吉田羊、仲里依紗、小泉孝太郎、磯村勇斗、森田望智、瀧内公美、奥平大兼、宮世琉弥、藤原大祐、渋川清彦、玉置玲央、矢作兼、夏樹陽子、 阿部サダヲ
原作:柴門ふみ『恋する母たち』(小学館 ビックコミックス刊)
脚本:大石静
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
演出:福田亮介
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS