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「Malu」永瀬正敏、かつて賞を贈ったエドモンド・ヨウとのタッグに感慨

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第33回東京国際映画祭「Malu 夢路」Q&Aにて、左からエドモンド・ヨウ、水原希子、永瀬正敏。

「Malu 夢路」が11月8日、第33回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映され、Q&Aにキャストの永瀬正敏と水原希子、監督のエドモンド・ヨウが登壇した。

本作はマレーシアと日本を往還する美人姉妹の永年の確執を描く物語。セオリン・セオ、メイジュン・タンらが出演した。音楽を細野晴臣が担当している。

Q&Aでマレーシアとの縁について聞かれた水原は「堤幸彦監督の『トリック劇場版 ラストステージ』で呪術師を演じたとき、マレー語のセリフがありました。あれが本当にマレー語だったかどうか確かめたいです」と、当時のセリフをヨウに披露。「だいたい伝わります」と答えたヨウだったが、水原が「本当に?」と確認すると「実は、よくわからなかった」と打ち明けて笑いを誘った。

出演を決めた理由について、水原は「エドモンド監督の作品は、どれも美しいものばかりでした。オファーがあった役は英語と中国語と日本語を話すキャラクター。私自身、英語が少し話せますし、ちょうど中国語を勉強していたので『語学力が生かせる!』という気持ちも正直ありました」と述懐。「でも何より、このチームで作品を作ったらとても素敵なものができあがるんじゃないかという期待が決め手でした」と続ける。

オムニバス映画「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」のため訪れたマレーシアで初めてヨウと会った永瀬は「『いつか一緒に作品を作りたいね』と話していたんです」と当時を回想。「第30回東京国際映画祭ではエドモンド監督が監督賞を受賞したのですが、そのときは審査員として参加していた僕が彼に賞をあげました」といたずらっぽく笑い、一緒に作品をという願いが実現したことを喜んだ。

最後の挨拶でヨウは「アートハウスがあまりないことも1つの要因なのですが、実は私の映画はマレーシアで上映されていないんです」と告白。「私が映画人になったきっかけは、日本のアニメ、マンガ、ドラマ、そして映画。日本の文化に育てられた私にとって、日本での上映はとても意味があることです。皆さんに本作を観ていただけることを心からうれしく感じると同時に、映画を作ってよかったと改めて思いました。ありがとうございます」と感謝する。

水原は「仕上がった作品を観て、とても感激しました。幻想的なシーンもたくさんあり、これは夢なのか妄想なのか、現実なのかと、とても不思議な気分になる作品です。そこに細野晴臣さんの音楽が重なり、監督と『Malu』の世界観にグッと引き込まれます。たくさんの方に、この世界に没頭していただきたいと思います」とアピール。永瀬は「監督の“余白の美学”を劇場で体感していただきたいです。この映画が盛り上がれば、また彼が日本で作品を撮り、この場所に戻ってきてくれると思うので、劇場に足を運んでいただければうれしいです」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。

「Malu 夢路」は11月13日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で順次ロードショー。

(c)Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film