GRAPEVINE、スタイル変えず目の前の観客だけに演奏した「FALL TOUR」大盛況で幕
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GRAPEVINE「GRAPEVINE FALL TOUR」最終公演の様子。(Photo by Taku Fujii)
GRAPEVINEが11月7日に東京・中野サンプラザホールにてホールツアー「GRAPEVINE FALL TOUR」のツアーファイナルを開催した。
GRAPEVINEが観客を招いてライブを行うのは、昨年秋に開催された同名のホールツアー以来約1年ぶり。本ツアーは新型コロナウイルスの感染拡大予防ガイドラインにもとづき、会場の収容人数を規制したうえで開催され、チケットは全公演ソールドアウト。ライブの配信は行われず、GRAPEVINEは会場に足を運んだ来場者だけに向けて丁寧に楽曲を届けていった。
客電が落ち、客席からバンドを歓迎する拍手が巻き起こる中、5人はゆっくりと定位置に向かう。亀井亨(Dr)は拳を挙げて拍手に応えて見せ、バンドの準備が整うと「HOPE(軽め)」でライブがゆっくりとスタートした。その後は「Arma」「豚の皿」といったここ数年ですっかりライブの定番曲として定着した楽曲が立て続けに披露され、オーディエンスは1曲終わるごとにバンドを称えるような温かい拍手を送る。客席の間隔は空いているものの、いつものホール公演と変わらず着席しながらバンドの演奏を楽しんでいるオーディエンスを見た田中和将(Vo, G)は「ごゆるりと最後まで好きなように過ごしてください」と優しくアナウンス。言葉少なくライブを再開させた彼らは「報道」といったレア曲も交えながら、新旧の楽曲をオーディエンスに届けていった。
「すべてのありふれた光」の最後の一節「ここで待ってるよ」という歌詞を、田中は両手を広げてオーディエンスに呼びかけるように歌う。次曲「The milk(of human kindness)」のアウトロでは5人のセッションに熱が入り、高野勲(Key)がノイジーなサウンドを発すれば金戸覚(B)がベースを弾きながらペグをいじり、スリリングなアンサンブルでオーディエンスを圧倒。カオティックな雰囲気から一転し、その後はバンド初期の楽曲「そら」を田中が軽やかに歌い上げ、緩急を付けた展開で観客の心を揺さぶっていった。
ステージが7色に照らされた「CORE」では5人が向かい合ってアグレッシブなプレイを展開。楽曲のクライマックに向けて次第に力が入っていく演奏を見守っていたオーディエンスは、曲終わりで堰を切ったように大喝采をバンドに送り、ライブはフィナーレのような盛り上がりを見せた。「サンキュー中野。また来るぜ」という田中の挨拶を合図に、「超える」の演奏へ。田中の力強いストロークに田中は「今 限界を超える そのくらい言っていいか」と高らかに歌い、オーディエンスにポジティブなメッセージを届けてライブ本編の幕を閉じた。
アンコールを受け、缶ビールを片手に再登場したGRAPEVINEの面々はリラックスした表情で「1977」を弾き始めてライブを再開させる。どこか牧歌的な空気感がありながらも間奏で緻密なアンサンブルを繰り広げて観る者を魅了した「NOS」、オーディエンスの多くが手を挙げて盛り上がったアッパーチューン「ミスフライハイ」などを経てライブは最終盤へ。ラストナンバー「アナザーワールド」では田中のエモーショナルな歌声に西川弘剛(G)のエモーショナルなギターサウンドが重なり、温かな余韻を残して5人はステージをあとにした。
なお各サブスクリプションサービスではこの日のセットリストを再現したプレイリストを公開中。
GRAPEVINE「GRAPEVINE FALL TOUR」2020年11月7日 中野サンプラザホール
01. HOPE(軽め)
02. Arma
03. 豚の皿
04. また始まるために
05. 報道
06. すべてのありふれた光
07. The milk(of human kindness)
08. そら
09. 指先
10. here
11. Alright
12. 片側一車線の夢
13. 光について
14. CORE
15. 超える
<アンコール>
16. 1977
17. NOS
18. ミスフライハイ
19. アナザーワールド