中村蒼と泉澤祐希、生き別れの兄弟が再会 『エール』感情が滲み出てくるかけあい
映画
ニュース
福島に帰り、母校で講演を務めた鉄男(中村蒼)。家族に恵まれず、小さい頃から離れ離れになり、その身を案じていた弟・典男(泉澤祐希)が、鉄男に会いに喜多一にやって来た。
家族のことを忘れるように言われていたが、なかなか忘れることができずに、ずっと思い悩んでいた鉄男。『エール』(NHK総合)第108話では、鉄男にとっての家族を考えるきっかけにもなる回となった。
何十年ぶりかの再会となった鉄男と典男。有名な作詞家となっていた鉄男のことを知らずにいた典男は、息子から講演のことを聞き、鉄男のもとにありつけたと言う。典男を心配していた鉄男は、離れてからのことを尋ね、2人の過去も映し出される。
典男は自分のせいで鉄男が倍怒られていると思い、いなくなった方が鉄男が楽になると考えて家を出て行ったと話す。その中で盛岡で床屋を営んでいる夫婦とたまたま出会い、そこの手伝いをしながら技術を磨いて、床屋として独立を果たし、妻と息子2人がいる幸せな家庭を築いていた。
自分だけ逃げて幸せになったのではないかと謝る典男に、鉄男は「生きててくれてありがとうな」とこの上ない優しい言葉をかけて、自分のことを話す。お互い家を飛び出してからは家族と会わずに生きてきた鉄男と典男。母親に全てを背負わして家を捨ててしまったと自らを責め続けていた。
そんな2人に向かって、裕一(窪田正孝)の母・まさ(菊池桃子)が、母としての立場から「立派に成長してくれることこそが幸せであり、それこそが親孝行だから胸を張って生きていい」と伝え、2人は救われていった。
そこからの時間は、何とも幸せな余韻に浸れる時間となった。鉄男にとっての家族を考えることにもつながり、その後の映画主題歌の作詞づくりの仕事を受けるに至ったのだろう。
典男を演じた泉澤祐希は、『ひよっこ』(NHK総合)の三男役でも知られ、鉄男を演じる中村蒼との対峙にも注目が集まった。お互いに優しさからくる感情が内から滲み出てくるかけあいは見応えがあった。
一方で、慈善音楽会も終えて、裕一を待つ音(二階堂ふみ)は、華(古川琴音)にも相手にされずに、暇を持て余しているようだ。こちらはこちらで今後の動きが気になる。
■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。Twitter/Instagram
■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/