中条あやみが明かす、挫折の経験とマインドの変化 「周りの方の力を借りながら夢や目標へ」
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中条あやみ主演映画『水上のフライト』が11月13日に公開された。『超高速!参勤交代』シリーズの脚本を手がけた土橋章宏が、実在するパラカヌー日本代表選手との交流を通じ作り上げたオリジナルストーリーで、『キセキ-あの日のソビト-』の兼重淳が監督を務めた本作は、走り高跳びの選手として将来を期待されるも、不慮の事故に遭い二度と歩くことができなくなってしまった主人公・藤堂遥が、カヌーという新たな夢を見つけて進んていく模様を描いた人間ドラマだ。
カヌーや走り高跳び、車いすでの演技に挑戦し、「ターニングポイントになるだろうなと思っていた」と語る本作や、自身の挫折の経験などについて、主演の中条に話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「新しい事への挑戦が多く、ターニングポイントに」
ーー実話がベースとなっている本作では、中条さんの新たな一面を見れたような気がしました。
中条あやみ(以下、中条):ありがとうございます。私自身、今回の役は新しい事への挑戦が多く、ターニングポイントになるだろうなと思っていたんです。自分にとっても大きな作品になるんだろうなという思いがありました。遥という役を演じることは難しいと思うけど、真剣に、丁寧に演じていきたいなと思いました。
ーーいままで中条さんが演じられてきた役柄のイメージとはガラリと変わった役柄ですよね。
中条:いままではキラキラした恋愛作品やコメディ、学園もののイメージがあったと思うんですけど、今回は自分がどう映っているかを全く考えずに、ひとりの女の子に真剣に向き合いながら、寄り添っていった感覚でした。
ーー遥は中条さんご自身と近い部分はあるんですか?
中条:似ていないところもあるんですけど、似ているところもあるなと思っていて。遥は強い女性だと思うんです。一匹狼で、自分に対してストイックに競技を頑張ってきていたり、挫折したけど新しい居場所を見つけて前向きに頑張っていく姿はすごいなと。私も自分に対して負けず嫌いなところがあるというか、自分ができないことに対してすごく悔しいと思うタイプの人間なので、そういう部分は似ているなと思います。
ーーカヌーや走り高跳びなど、練習が必要な作業も多かったのではないでしょうか?
中条:カヌーは乗るまでに1カ月くらい練習して、走り高跳びの練習もすごく大変でした。けっこう短期間だったので、限られた時間の中で濃厚な時間を過ごしました。特にカヌーに関しては、自分にできる気が最初は全くしなくて。「大丈夫かな、本当に私でよかったのかな」っていう不安がすごくありました。
ーー撮影では何が最も大変でしたか?
中条:撮影したのが去年の真夏だったんですけど、カヌーのシーンが直射日光ですごく暑くて(笑)。その中で練習したり撮影したりしていたので、暑さとの戦いがとにかく大変でした。ちょっと時間ができると、みんなでカヌーに乗ったまま「日陰に逃げよう!」って言って避難したり。しかも、避難したのはいいんですけど、そのままバランスを崩して水の中に落ちちゃったりして(笑)。そうすると、衣装を乾かすところから始めなければいけないので、落ちたらそれだけのタイムロスになってしまうんです。それで落ちることの恐怖を学びました(笑)。その経験のおかげで逆に鍛えられましたね。
ーー体力的なハードルはもちろん、実話に着想を得た物語ということで、精神的な面でもより考えなければいけないこともあったと思います。
中条:私自身は健常者で自由に動き回ったりすることができるけれど、そうでない方がどういうふうに物事を見ているのかはすごく考えました。車いすの先生に、車いす生活なったときにどういう感情を抱いたのか、詳しく話を伺いました。その感情や気持ちを参考にして、自分自身もそういう気持ちを抱きながら、遥という役と向き合っていきました。自分ではない役を演じるときはいつもそうなんですけど、今回は特に“その人になる”責任を持たないといけないなと思いました。
「やっぱり向いてないかなって思ってしまう瞬間はある」
ーー大きな目標を持った遥が挫折を経験し、また違う目標を見つけて進んでいく模様が描かれていきますが、中条さん自身はこの仕事を始めてから大きな挫折を経験したことはありますか?
中条:はい、あります。オーディション受けても受からなかったり、初めて行ったオーディションで、そのとき初めて会った監督に「今日はモデルとしてではなく、女優として来てるんだから、ちゃんと演技をしてください」って言われたことがあって。もちろんそのオーディションは落ちたんですけど、それがすごく悔しくて。「もう向いてないかな」「辞めようかな」っていう瞬間は何回かありました。
ーーそれはいつぐらいの頃ですか?
中条:16、17歳のときですね。でも、ほかの作品でも大変な役や難しい役をやって、できなかったりしたら悔しいと思ったり、やっぱり向いてないかなって思ってしまう瞬間はありますね。今回の遥を演じていても難しいなと思ったので、常に挫折している感じはあります。凹むことはたくさんありますね。
ーー先ほど「ターニングポイントになるだろうなと思っていた」と発言されていたように、それほど難しい役を乗り越えたからこそ得たものも大きかったのでは?
中条:今までと違うタイプの役だったので、遥という女の子を演じることで、自分自身も成長させてもらいました。目の前に大きな壁が立ちはだかったり、夢や目標が出来たときに、以前なら「私にはやっぱり無理かな」と思っていたかもしれません。でもそうじゃなくて、1人じゃないんだから、周りの方の力を借りながら、夢や目標に向かえたらいいなというマインドに変わりました。
ーーこの作品は当初、2020年東京パラリンピックに向けて6月に公開される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で公開延期、そして東京パラリンピックの開催も延期になってしまいました。そんな紆余曲折を経て公開を迎える現在の心境を教えてください。
中条:私としては、去年この作品を撮って、今年の6月に公開が決まって、早く皆さんに観ていただきたいと思っていた部分もあったし、この映画をきっかけにパラリンピックをもっとたくさんの人に知ってもらって、この映画と一緒に盛り上げていけたらいいなと思っていました。なので、どちらも延期されることになったと聞いたときはショックでしたし、「もし映画館で公開されなくなったらどうしよう」という不安もありましたが、こうして11月13日に公開されることが決まって、ホッとした気持ちもあります。ぜひたくさんの人に観ていただきたいなと思います。
■公開情報
『水上のフライト』
全国公開中
監督:兼重淳
出演:中条あやみ、杉野遥亮、高月彩良、冨手麻妙、大塚寧々、小澤征悦
企画:土橋章宏
脚本:土橋章宏、兼重淳
主題歌:「ひとりで生きていたならば」SUPER BEAVER
配給:KADOKAWA
(c)2020 映画「水上のフライト」製作委員会
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