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石岡瑛子の足跡たどる回顧展開催、「ドラキュラ」衣装など展示

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東京都現代美術館で開催中の「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」より、「ドラキュラ」の衣装。

企画展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」の内覧会が11月13日に東京・東京都現代美術館で開催された。

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」はアートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる分野で世界を舞台に活動した石岡瑛子をフィーチャーした、世界初の大規模な回顧展。彼女が携わった初期の広告キャンペーンや、映画、オペラ、演劇、サーカス、ミュージックビデオ、オリンピックなどの仕事を総覧することができる。3つの章で構成されており、第1章は主に日本で行った仕事、第2章は1980年の渡米後に参加したコラボプロジェクト、第3章は自身の個性を進化させた円熟期の仕事を紹介する。

デザインや普遍的な創造性について語るインタビュー音声が流れ出す入り口。資生堂時代に前田美波里を起用した夏のキャンペーンで注目を集め、パルコや角川書店の広告展開にも携わった石岡の作品が目に入る。彼女はルキノ・ヴィスコンティ監督作「イノセント」の日本版ポスターのアートディレクションを担ったほか、フランシス・フォード・コッポラの「地獄の黙示録」日本版ポスターも手がけた。コッポラがポスターを大いに気に入ったことで、その後も仕事をともにすることになる。

三島由紀夫の生涯を彼の作品世界と重ねて描いた映画「ミシマ-ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ」で石岡は、プロダクションデザイナー(美術監督)として映画界に足を踏み入れた。日本の俳優が出演し、コッポラ、ジョージ・ルーカスが総指揮を執り、ハリウッドと日本で共同製作された同作。会場には主人公と金閣寺の心理的な関係を表すシーンに使用された建物が展示されている。「ミシマ」は第38回カンヌ国際映画祭で芸術貢献賞を受賞したが、日本では未公開だ。

石井はコッポラの「ドラキュラ」で衣装デザインを担当。会場では“ドラキュラのトランスセクシャルな魅力”を強調したという赤いローブのほか、蛇などのモチーフが忍ばせられた何着もの衣装を見ることができる。さらにデザインドローイングもずらりと並べられた。石岡は同作で第65回アカデミー賞衣装デザイン賞を獲得している。

ターセム・シンとの協働作品についての展示も。シンと石岡、そして彼の親友で私生活では石岡のパートナーでもあったプロデューサー、ニコ・ソウルタナキスによるコラボレーションは、4本の映画として結実した。「ザ・セル」のコーナーでは初期段階でシンにファックスで送ったというアイデアドローイングが並べられ、「落下の王国」コーナーでは主人公が変身する黒い盗賊のコスチュームが巨大ビジョンの前に置かれていた。

グリム童話に立ち返り、女性の成長譚として作り上げられた「白雪姫と鏡の女王」のエリアも設置。石岡は少女が自立していく過程を衣装デザインで表現した。青いドレスや、女王のウェディングドレスの美しさを堪能できる。なお石岡は「意志の勝利」「オリンピア」で知られる映画監督レニ・リーフェンシュタールの展覧会の総合プロデュースも経験。場内にはポスターが貼られている。

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」は本日11月14日から2021年2月14日まで開催。

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

2020年11月14日(土)~2021年2月14日(日)東京都 東京都現代美術館 企画展示室 1F・地下2F
※休館日は月曜日(11月23日、2021年1月11日は開館)、11月24日、12月28日~2021年1月1日、1月12日
開館時間 10:00~18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1300円 / 中高生 700円 / 小学生以下 無料