大和国を代表する名将・筒井順慶が『麒麟がくる』に登場 信長は“仏を背負って”戦う!?
映画
ニュース
信長(染谷将太)と朝倉・浅井の戦いは依然として続いていた。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の第32回『反撃の二百挺』で、光秀(長谷川博己)は筒井順慶(駿河太郎)に初対面し、鉄砲二百丁を譲り受ける。
信長にとって越前での戦いは事実上の敗北に終わる。だが光秀は、義昭(滝藤賢一)に今回の戦の報告をする際に、頑として引き分けと言い張って譲らなかった。戦は敗北だと主張する摂津晴門(片岡鶴太郎)と言い争う内に、光秀はあることに気づく。摂津が、浅井長政(金井浩人)の裏切りを光秀らよりも早く耳にしていたということだ。
幕府内に朝倉・浅井と通ずる者がいることを疑う光秀に、摂津は「朝倉を真の敵とは思っていない」と言い放つ。これには光秀も「摂津殿は我らの敵となるおつもりか」と怒りをあらわに。摂津が席を立ってから、光秀は義昭に「公方様がおいでなら浅井も裏切ることはできぬはず、朝倉勢も怯んで足を止めるはず」と、次の戦に参陣することを強く促し、義昭はなんとも複雑な表情を見せた。
それからしばらくして、光秀は藤吉郎(佐々木蔵之介)の鉄砲の買いつけに付き添い、堺の豪商・今井宗久(陣内孝則)を訪ねることになる。先の戦で多数の鉄砲を失った織田軍のために急ぎ三百丁の鉄砲が必要だったが、宗久からは先約との商談が今朝がた成立したばかりだと断られてしまう。だが宗久の粋な計らいにより、光秀らは顕本寺の茶会に参加することになった。そこで宗久の商談相手と目星をつけていた大和の順慶と交渉の場を持つことができ、鉄砲二百丁を融通してもらえることになる。順慶は鉄砲を譲るにあたっては、自分も松永久秀(吉田鋼太郎)同様に信長の側に置いてほしいと口にするのだった。駒(門脇麦)の助け舟もあり、まとまったこの話。光秀はまたも信長のために手柄を立てた。
さらに駒は、今やすっかり大人の女性に成長し、義昭の寵愛を受けるまでに。綺麗な着物や、急に立場が変わったことに自分でもまだ不慣れな様子だが、今でも光秀を助けようという気持ちは変わらない。かつては光秀に淡い恋心さえ抱いていた駒だが、今は光秀を憧れの存在としてではなく、サポートする立場で見守る姿がたくましい。
そして「金ヶ崎の退き口」からわずか2カ月後のこと、信長は、家康軍と共に近江にいる朝倉・浅井軍に向けて出陣する。この「姉川の戦い」で織田・徳川連合軍は激戦の末に大勝。信長は、家康(風間俊介)と光秀の活躍を褒め称えた。だが信長が去った後、家康が光秀を呼び止める。「信長がいずれ闘わなければならない相手は、甲斐の武田信玄」と伝え、信玄の上洛を促している義昭の動きをしきりに気にする様子を見せる。「公方様は、ああ見えて食えぬお方だ」と忠告をしてきた。これが何を示しているのか、この時の光秀は知る由もない。
仏像を縄で自分の背中に括り付けた信長は、文字通り「仏を背負って戦う」と冗談とも本気ともつかぬことを言い出す。そうこうしているうちに、比叡山延暦寺と朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)の関係は強固になり、京では自分の力を過信する義昭が、信長を見くびりだした。摂津の入れ知恵もあり自体は思わぬ方向に動きそうだ。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin