“チェロの超新星”佐藤晴真のデビューアルバムはブラームス!
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今から1年あまり前の2019年9月13日。「ミュンヘン国際音楽コンクール」チェロ部門において、日本人チェリスト佐藤晴真(さとうはるま)優勝のニュースが、音楽界を騒然とさせたことを思い出す。難関で知られる同コンクール・チェロ部門で日本人が優勝するのは初めての快挙だった。
1952年にスタートした「ミュンヘン国際音楽コンクール」は、長い伝統と権威を誇る難関コンクールとして知られている。4、5年に1回行われるチェロ部門の過去の日本人入賞者は、堤剛(1963年第2位)と横坂源(2010年第2位)の2人のみ。過去にはアントニオ・メネセス(1977年第1位)やソル・ガベッタ(1998年第3位)など、錚々たる名チェリストを輩出してきたことでも有名だ。この難関を制した佐藤晴真が、待望のデビューアルバムを発表するとなればこれは気になる。しかもクラシック界最古にして最高の権威を誇るドイツ・グラモフォンからの新譜なのだから素晴らしい。プログラムには、ブラームスの歌曲(チェロ編曲)と2曲のチェロ・ソナタが選ばれた。
「デビュー作にブラームス作品を選んだのは、低い音、そしてチェロらしい音を使った音楽を書いてくれたブラームスが昔から好きだったからです。さらには、現在ベルリンで勉強しているので、最初にドイツの作曲家の作品を録音するのが自然だと思いました」そう語る佐藤晴真は、留学先のドイツから帰国直後の3月にコロナ禍に遭遇。演奏活動が出来ない期間は、自分を見つめ直す貴重な時間になったようだ。「練習はしながらも、音楽に対する視点を休ませて映画や読書などをして過ごしていました。街を歩いているときには周囲の建物を見ています。建築に興味があるので、建築関連の雑誌を読んだり図面を見たりする時間がとても楽しいのです」これは、音楽の幅を広げる上においてかけがえのない時間に違いない。
弱冠22歳の大器が切り開く未来は、とてつもなく大きい!
●アルバム情報
「The Senses ~ブラームス作品集~」
佐藤晴真(チェロ)/大伏啓太(ピアノ)
11月25日発売
¥3,300 (税込)
UCCG-1879
https://www.universal-music.co.jp/sato-haruma/products/uccg-1879/
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