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白石麻衣、平手友梨奈、佐々木美玲……『坂道合同オーディション』CMコメントの背景を解説

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リアルサウンド

 『坂道合同新規メンバー募集オーディション』の募集締め切りが7月9日に迫り、各グループのメンバーをフィーチャーしたCMがオンエアされている。

参考:乃木坂46 中田花奈、生田絵梨花の“秘密”を暴露 「あくびが大きな声でハイトーン」

 今夏開催される『坂道合同新規メンバーオーディション』とは、具体的には乃木坂46の4期生、欅坂46の2期生、けやき坂46の3期生を新規メンバーとして募集するもの。「この夏で、あなたの人生が変わります。」というキャッチコピーの元、各グループのエースメンバーがCMに登場している。

 乃木坂46からは、白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥の3人。最近SHOWROOMでスタートした帯番組『のぎおび⊿』の配信内でも各メンバーがオーディションについて触れることが多く、メンバー、ファンの間でも注目が高まっているのを感じさせる。ドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』の延長線上にあるような今回のCMは、「オーディションを受けた時の心境」「活動を通じて今思うこと」をナレーションベースで話しながら、グループの中におけるメンバーの存在と葛藤、その先に掴んだ今の自分を30秒の映像の中で浮かび上がらせている。

 例えば、白石であれば、初めてセンターを務めた6thシングル『ガールズルール』を機に、グループを牽引するフロントメンバーの一人へと大きく成長。モデル業をはじめ、様々な人々と関わっていくめまぐるしい日々の中で、白石は“自分でも知ることのできなかった自分”を見つける。特徴的なのは、各メンバーのバックで流れる楽曲。白石はセンターを務める20thシングル「シンクロニシティ」。西野は白石とダブルセンターを務めた13thシングル「今、話したい誰かがいる」、齋藤は初めてセンターを任された15thシングル「裸足でSummer」。「シンクロニシティ」の〈きっと/誰だって 誰だってあるだろう/ふいに気づいたら泣いてること〉という歌詞が、これからオーディションを受けようとしている者の背中を押すエールにもなっていることに、この映像の密度がある。

 欅坂46からは、平手友梨奈、長濱ねる、菅井友香の3人。1期生オーディションの最終審査まで進みながらも、家族の反対で一度はデビューを断念した長濱は、2thシングル「世界には愛しかない」で途中参加したメンバー。〈誰に反対されても〉という歌詞は、短いフレーズながら、抜群の説得力を持つ。グループのキャプテンである菅井は、2周年記念ワンマンライブで「ガラスを割れ!」のセンターを務め、自身の殻を打ち破った。逞しく力強い目力は、言葉はなくとも多くのメッセージを放つ。姿を見せること自体が久々である平手は、この2年の間で急速に成長していった。まだ初々しかった顔つきは、すっかり大人びた表情へ。「サイレントマジョリティー」から始まった彼女の険しく、危うい物語は、多くの者が知っているからこそ、「いい青春というのが送れない可能性もある。正解も、間違いもない」という平手の言葉、アコースティックギターによる「サイレントマジョリティー」のイントロが、含みを持って映像の余白を想像させる。

 けやき坂46から選ばれたのは、佐々木美玲、小坂菜緒の2人。全国ツアー、日本武道館3DAYSを成功させ、期待を一身に受けながらリリースしたばかりの1stフルアルバム『走り出す瞬間』。佐々木は、同作のリード曲「期待していない自分」のセンターを担当している。けやき坂46はまだまだ成長過程にあるグループと言える。佐々木の「初めて見るサイリウムに感動して。もっと強くなってけやき坂を大きくしたい」というセリフは、オーディション応募に悩む者にとっては、より等身大に近く、思いを共感できるものだ。

 また、乃木坂46、欅坂46、けやき坂46、3グループの映像に共通して言えることは、成功した今の立ち位置があるからこそのメッセージ性であること。グループとして、個人として、どちらにおいても輝いていなければ、このようなCMを打つことはできない。そして、3グループは今夏、それぞれが全国ツアーを開催するが、現体制としてはラストのツアーとなるだろう。8月19日がオーディションの最終審査。その先で、坂道シリーズの新章が幕を開ける。(渡辺彰浩)