面白いことしかやりたくない!good morning N°5『ただやるだけ』開幕
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good morning N°5『ただやるだけ』
90年代から愚直に駆け抜けてきた2劇団の、看板女優たちが立ち上げたユニット「good morning N°5」。その新作公演『ただやるだけ』が、11月19日(木)に開幕する。
『拙者ムニエル』の澤田育子と、『カムカムミニキーナ』の藤田記子。それぞれの舞台で、劇世界を背負い投げしかねない勢いの熱演を見せる看板女優たちだ。小劇場演劇の酸いも甘いも噛み分けたふたりが、「面白いことがやりたい、というか、面白いことしかやりたくないッ!!」との切実な志を掲げて立ち上げたユニットが『good morning N°5』。このたび、結成13周年を記念して上演されるのが、問題作の予感あふれる『ただやるだけ』である。
これまで狂おしいほどの愛や屈折やオンナの性(さが)を、ダイナミックに舞台に乗せてきた彼女たち。昨年、澤田の作・演出で上演された『どうしようもなくて、衝動。』は、2019年浅草九劇大賞を受賞した。回を重ねるごとにその評判は高まり、SNS上でファンを公言する演劇人も少なくない。しかも、決して似通った色合いの表現者だけに愛されているのではなく、応援者が多方面から出現して、フォロワーを驚かせている。
今回のキャスティングは、そんな彼女たちの熱い渦が結実した形だ。出演者の筆頭には、百戦錬磨のひとり芝居職人・入江雅人。『どうしようもなくて、衝動。』からの連続登板である。意外な伏兵が、劇団「ラッパ屋」の弘中麻紀だ。ウェルメイドなコメディを得意とする劇団からやって来て、身一つで渦の中に飛び込んだ。そして今作の音楽も担当する、中村中。歌姫の枠に収まらない、あらゆる活躍ぶりを見せてくれるはずである。
掛け値なしで、ハードな企画だ。客席数を大幅に減らし、感染症予防のための対策をすみずみまで凝らして、大赤字必至の長期公演。公式サイトではクラウドファンディングが告知されており、そのリターンは上演台本やDVDはもちろん、マフラータオルやオリジナルTシャツなど、見ているこちらが心配になってしまうほどの出血大サービスぶり。他には何も望まない、ただただ、面白いことがしたい。そんな彼女たちの熱と叫びが、下北沢に分厚く轟く。公演は12月13日(日)まで、東京・下北沢シアター711にて。
文:小川志津子
good morning N°5『ただやるだけ』
作・演出:澤田育子
音楽:中村 中
出演:入江雅人 / 藤田記子 / 千代田信一 / 弘中麻紀 / 藤原祐規 / 中村 中 / 平井亜門
久保田南美 / 武田裕子 / 高久瑛理子 / 澤田育子
2020年11月19日(木)~2020年12月13日(日)
会場:東京・下北沢シアター711
期間中11月23(月・祝)14:00、30日(月)19:00、12月5日(土)19:00の回は生配信も実施。アーカイブは各公演日より4日間予定、チケットは各公演、開演30分前まで購入可能。詳細は劇団公式サイトへ
https://gmn5.com/tadayarudake/
公演支援プロジェクト クラウドファンディング
https://motion-gallery.net/projects/gmn5_cf