YOASOBIやヨルシカら台頭の中で注目のCHRONICLE 音楽以外の様々な分野とクロスオーバーした表現がポイントに
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変化の著しい昨今の音楽シーン。CDの売り上げよりも、ミュージックビデオの再生回数がヒットの指標と言われるようになっている。音楽は今、映像と切っても切り離せない関係にあると言ってよいだろう。そして近年の日本では、小説やイラストといったジャンルの垣根を超えての表現も盛んになってきている。
たとえば、「夜に駆ける」で一躍ブレイクを果たしたYOASOBIは“小説を音楽にするユニット”として注目を集めた。小説&イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説を原作として、音楽へと作り上げているのだ。その結果、原作小説がコミカライズされたり、飲料や映像作品とのコラボレーションするなど、従来のタイアップともまた異なる形で音楽表現の裾野を広げている。一方で、同じく現在注目を集めているヨルシカも、CDと小説を合わせて発売するなど“音楽と物語”が一体となった表現を特徴としている。さらに、ここ数年で急激に人気を獲得した音楽ユニット・ずっと真夜中でいいのに。も、YouTubeに投稿されるアニメーションと一体となったミュージックビデオが表現の重要な核となっている。
近頃のこうしたアーティストたちの台頭の背景には、音楽を“音”だけでなく文章やイラストなどとともに多角的に楽しみたい、というニーズの大きさがあるように思う。リリックビデオの普及などに見られるように、歌詞を視覚化したり、小説として“音楽を読む”ことで楽曲の世界観に浸りたいという思いがユーザー側に強いのだ。もちろんアーティスト側も表現したいものは音楽だけではないはずで、表現のチャンネルが増えれば増えるほど伝えたいことも解像度高く表現できるだろう。アートや映像にも才能を発揮している米津玄師がこれだけ人気を集めているのはその証左だ。
様々な分野とクロスオーバーした表現が魅力のCHRONICLE
さて、そうした状況の中で今注目したいのがCHRONICLEだ。CHRONICLEとは、イラストレーターのloundraw、サウンドクリエイターのHIDEYA KOJIMA、ボーカルのT.B.Aの3人による“音楽と物語とアート”がシンクロした新時代の音楽アート集団である。
loundrawは、小説『君の膵臓をたべたい』(住野よる)『君は月夜に光り輝く』(佐野徹夜)といった様々な作品の装画を手がけ、担当装画の累計発行部数は400万部を突破、自らも小説や漫画の執筆、アニメーション制作など多彩な才能を発揮している。対してHIDEYA KOJIMAは、80年代のエレクトロ〜ディスコミュージックを現代風にリメイクしたような音楽性で人気の音楽ユニット・ORESAMAのサウンドクリエイターとして活躍中。T.B.Aについては一切の詳細が明かされていない。
CHRONICLEの作品は、異なる個性を持つ3人が生み出す音楽とアニメ、アート、小説が密接に絡み合うことで物語が展開されていく。当サイトのインタビューでも「音楽と物語の二軸があるプロジェクト」「3人が集まってお互いにジャンルを越境してアート表現を行うチーム」と話している通り、彼らの作品は音楽だけにとどまらない様々な分野と融合しているのだ。
たとえば、彼らのデビューシングル「宇宙」には、躍動感あるサウンドに対して繊細なタッチのイラストと、登場人物たちが繰り広げるまるで映画のようなアニメーションが施されている。まさに映像と音楽がシンクロした表現が展開されているのだ。思えばHIDEYA KOJIMAが手がけるORESAMAもアニメ文化と密接に結びついた音楽活動を徹底している。彼のサウンドには、やはりイラストや情景、物語を喚起させる魅力があるのだろう。
そんなCHRONICLEのおよそ1年半ぶりとなる待望の新曲「いつか飛べなくなるとして。」は、〈羽ばたいてゆけ〉というストレートで力強い歌詞と、疾走感あふれるギターサウンドが魅力の一曲。新しい世界へ飛び立つような爽快感と、どこか切ないエモーショナルな雰囲気が混ざり合っていて奥深い。
12月にはさらに新曲「深層サーチャー」のリリースも決定しているCHRONICLE。日々進化していく音楽シーンの中で、様々な分野とクロスオーバーする彼らが今後どんな表現を見せてくれるか注目だ。
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・loundraw×HIDEYA KOJIMA×T.B.Aによる音楽アート集団 CHRONICLEに聞く、ジャンルを越えた表現
■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)
■リリース情報
CHRONICLE
digital single「いつか飛べなくなるとして。」
2020年11月11日(水)リリース
作詞:loundraw
作曲・編曲:HIDEYA KOJIMA
ボーカル:T.B.A
■関連リンク
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