変わりゆく時代と若者たちの格闘を描く『その男、ピッグテイル』開幕
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『その男、ピッグテイル』
宮崎秋人、大薮丘、一色洋平ら、着実に経験を重ねてきた若手俳優陣が主軸を担う『その男、ピッグテイル』が11月22日(日)に開幕する。
この公演が目指すのは、「しっかりと構築されたストーリー性のある演劇作品」を「劇場空間でなければ味わえないダイナミックな演出」で上演すること。ここで演出を担うのは、劇団"tsumazuki no ishi"を主宰するほか、最近では小林聡美・八嶋智人・野間口徹の顔合わせで話題となった3人芝居『あなたの目』の演出を手掛けた寺十吾だ。俳優としても百戦錬磨の彼が、志の高いカンパニーを粛々と率いる。
脚本を手掛ける秋之桜子は「山像かおり」の名で俳優としても活躍する人物。2005年に立ち上げた二人芝居で脚本を担当し、以降、コメディからシリアスまで実直に書き上げる脚本家として成長を遂げた。文学座の松本祐子・奧山美代子と立ち上げた演劇企画集団「西瓜糖」では、大正から昭和へ至る時代性を物語に織り込んで評判となった。
キャストも実に彩り豊かだ。主演を務める宮崎秋人は人気俳優ユニット「D-BOYS」で活躍、時代劇から音楽劇、シチュエーション・コメディまでを自在にこなす。大薮丘は『テニスの王子様』で才能を発揮、その後も和田憲明や宅間孝行ら実力派演出家の作品を経験してきた。一色洋平はストイックな活動を重ねる早稲田大学演劇研究会出身。演劇集団キャラメルボックスへのゲスト出演者としては異例の「2作品連続主演」を果たした逸材だ。
物語の舞台は江戸から明治へ時代の大きな転換期にあった日本。社会の価値観の急激な変化に戸惑いながらも、明日へ向かう若者達の「生」を描き出す。身分に関係なく、これまでの価値観が180度変化した時代において、時代と格闘しながら生きる者たちの物語だ。
公演は29日(日)まで、東京・池袋あうるすぽっとにて。「東京芸術祭2020」参加作品となる。
文:小川志津子
『その男、ピッグテイル』
作:秋之桜子
演出:寺十 吾
出演:
宮崎秋人 大薮 丘 一色洋平/ 前島亜美
町田マリー 加山 徹 高山春夫
吉村公佑 今井勝法 中山朋文 碓井将仁 ほか
2020年11月22日(日)~11月29日(日)
会場:東京・あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)