「ばるぼら」稲垣吾郎が逃避行への憧れ語る、二階堂ふみは“今週のお花”に言及
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「ばるぼら」公開記念舞台挨拶の様子。左から二階堂ふみ、稲垣吾郎、手塚眞。
「ばるぼら」の公開記念舞台挨拶が本日11月21日に東京・神楽座で行われ、キャストの稲垣吾郎、二階堂ふみ、監督の手塚眞が登壇した。
手塚治虫のマンガを、彼の実子である手塚眞が映像化した本作。異常性欲に悩まされる売れっ子耽美派小説家・美倉洋介が、自堕落なフーテン女・ばるぼらと出会い翻弄されていくさまが描かれる。稲垣が洋介、二階堂がばるぼらを演じた。ライブビューイングで配信された本日の舞台挨拶。稲垣は「本当は皆さんに会いに行きたかったんですが、今日は楽しいひとときを過ごせればと思っています」と全国の会場に集まったファンに呼びかける。
本作で初共演を果たした稲垣と二階堂。稲垣は「デビュー作から観ています。ずっとご一緒したかったのでうれしかったですね」と喜びを伝え、「二階堂さんがばるぼらとしてそこに存在してくれていたので、僕は洋介を演じられたと思っています。洋介にとってはばるぼらがミューズですが、僕にとってもこの作品を作るうえで二階堂さんがミューズでしたね」と振り返る。一方の二階堂は「稲垣さんは聡明で博学な方なので、魅力的な洋介になるだろうなと思っていました」と回想し、「稲垣さんからは現場で学ばせていただくことが数多くあって、感謝の気持ちでいっぱいです」と思いを口にした。そんな2人に手塚眞は「お二人は本当にプロフェッショナル。難しい内容でしたが、躊躇なくさまざまな場面を演じてくださいました。2人がいなければこの映画はできていませんね。幸運に恵まれてうれしいです」と声を掛ける。
世界中のスタッフが参加した本作。クリストファー・ドイルが撮影を担当したことに触れ、稲垣は「ずっとご一緒したかったので夢が叶いましたね」と顔をほころばせ、「ドイルさんはいいか悪いかはっきりしている。彼が喜んでくれると手応えがありました」と続ける。二階堂は「言葉は違えど、同じ方向を目指したスタッフが集結してくれました。芸術のあるべき姿を学ばせていただけたなと感じています」と真摯に語った。
イベント中盤には、役作りするうえで心がけたことを稲垣と二階堂が問われる場面も。稲垣は「洋介は原作のイメージだと、精神的にも肉体的にもマッチョな男らしい印象なんですが、今の時代この作品を映像化する場合、男性的にしすぎないほうが作品全体がよく見えると思いました」と述懐し、「洋介が愛に溺れていく感じがとてもいいですよね。あそこまで振り切ることって普段できない。愛の逃避行をするのは憧れますね。実際の僕のほうが冷静なので」とほほえむ。二階堂は「原作を読んでも、脚本を読んでも実態のないキャラクターなんだろうなと思いました。だから自意識を持たないようにしましたね。普通の感覚が通用しない人物だと思っています」と分析した。
手塚治虫が本作を観たらどのような感想を持つかという質問が飛ぶと、手塚眞は「父親は『主役の俳優は絶対美しい人がいい』と言うと思います。2人なら父も太鼓判を押してくれる。内容についてはああだこうだ突っ込んでくるとは思いますが」と笑い、会場を和ませる。
ここで、手塚眞が稲垣と二階堂をイメージして選んだ花束を、スタッフが2人に贈呈することに。手塚眞が「清潔感のある稲垣さんをイメージしてオフホワイトとグリーンの花を選びました」と話すと、稲垣は「SNSにもよく載せているのですが、こういう色のお花が好きなのでうれしいです」とコメント。手塚眞が“大人っぽく”まとめたという花束を受け取った二階堂は「現場に入る前に、どんな方なのか知るために稲垣さんのブログを拝見したんです。そこに“今週のお花”が掲載されていて、現場でお花の話をしたことを思い出しましたね」と裏話を披露した。
最後に二階堂は「アート性の高い作品になっていると思います。劇場で堪能していただいて、友達やご家族に共有していただければ」とアピール。稲垣は「愛や幻想、狂気の果てに見える景色、芸術を堪能していただける作品になっていると思います。そのときの気持ちや環境によって受け止め方が違うと思いますので何度でも観ていただけるとうれしいです」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「ばるぼら」は全国で公開中。
※「ばるぼら」はR15+指定作品
(c)2019『ばるぼら』製作委員会