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嵐はTikTokを通じていつもそばにいてくれるーーダンス姿からお茶目な反応まで、15秒に詰め込まれたファンファーストの精神

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リアルサウンド

 嵐によるショートムービープラットフォーム「TikTok」への投稿が毎回話題を呼んでいる。2019年11月に公式アカウントを開設して以来、ダンス動画はもちろん、MVからメンバーがマジックを披露する様子まで、自然体の嵐の姿を見ることができるとファンは毎回投稿を心待ちにしている。嵐のSNS公式アカウントとしてはほかにもYouTubeをはじめInstagram、Twitter、Facebook、Weiboがあるが、TikTokでの投稿はその特徴を活かした内容でファンの心をグッと掴んでいる。今回は、これまでの嵐のTikTok投稿を振り返り、5人の発信する動画の魅力に注目したい。

15秒間に詰め込まれたファンファーストの精神

 TikTokの動画は15秒。ちょっとした空き時間などに再生して気軽に楽しめる手軽さも人気だ。嵐の投稿も、当初はMVなどのダイジェスト的なもののみを投稿していくのだろうと捉えていたが、さすがはファンファーストの嵐だった。嵐にとって初のデジタルシングル「Turning Up」のダンス動画は、ファンが嵐のように踊ることができるよう、定点カメラで収録したものを投稿。また、ツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』の最終日にスタッフから贈られた貴重なイルミネーションの投稿では、大野智がスタッフ、そしてファンへ向けた感謝のコメントも添えられていた。長丁場のツアーを無事終えた瞬間の感動を私たちと一緒に共有してくれたその優しさに、胸がいっぱいになったファンも多いのではないだろうか。

 「IN THE SUMMER」を使用した投稿ではMVを収録した場所からメンバーが同じ振付のダンスを披露し、さらに5人によるモノクロでのパフォーマンスも公開。ファンはMVと見比べながら、それぞれの投稿を楽しむことができた。「Party Starters」のダンス動画では、保健室のようなカーテンが開くと5人が登場。動画には「Dance with me now!」のコメントが添えられ、カラフルな「PARTY」の文字が踊り、紙吹雪のエフェクトと共にノリノリで踊るキュートな嵐の姿も。彼らのTikTokは、MVでは見ることのできない“ゆるさ”も大きな魅力だ。

嵐がいつもそばにいてくれるような親近感

 そしてなんといっても「やっぱり嵐が好きだ」と思えるのは、数々の金字塔を打ち立て、日本を代表する国民的アイドルグループとなった今でも変わらない親しみやすさを感じる投稿の数々だ。中でもマジックを披露する投稿は人気で、相葉雅紀のマジックに本気で驚いた表情を見せる松本潤がカワイイと話題になった投稿も。レモンとカップを使ったマジックをはじめ、ストローやコインを使ったものまで、全てタネは見ている人に分かるよう撮影されているので、余計松本が驚く様子が面白い。『ARASHI’s Diary -Voyage-』(Netfilix)やライブのメイキングで見せるストイックな演出家・松本潤とは真逆の、メンバーと一緒の時に見せる“おちゃめな最年少メンバー”としての一面が最高だ。毎回「え???マジで?」「なんだよ~~!」と本気で驚く松本の表情がなんとも愛らしく、幾度となく再生しては大笑いしてしまう。

 最も爆笑したのは大野に全員が仕掛けたドッキリ動画。一見、天井から吊るしたバランスボールを巧みに避けながら腹筋をするというチャレンジ動画なのだが、大野が頭を下ろす場所にあらかじめ隠しておいた紙コップと紙皿で作ったシーソー状の仕掛けをそっと差し入れる相葉。なにも知らない大野がそのまま頭を下ろすと紙皿に乗せた粉が頭上から降り注ぎ、一瞬で真っ白になる大野。爆笑するメンバーに「満足か!」と余裕で応えるのも大野らしい。深夜にすごろくをしていた頃となんら変わることのない仲の良さも伝わってきて、笑顔になると同時にほっこりとした気持ちにさせてくれる投稿だ。

 また「何を表現しているの? 」「何かの文字?」とファンの間で話題騒然となった“組体操動画”も。相葉が一番下になり、大野、櫻井、二宮和也の3人が乗っていくなかなか難度の高い技を披露しているが、なぜか完成した組体操の横で謎のポーズをとる松本の姿が。後日、相葉がパーソナリティを務めるラジオ番組『嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス』(文化放送)で「(動画に)答えを求めちゃいけない」と告白。あえてのシュールな面白さでファンを楽しませていた。

 嵐の発信する15秒の動画から感じるのは、TVより近い距離感、スマホやパソコンを開けばいつも私たちファンと一緒にいてくれるような親しみやすさだ。年内で活動休止となる嵐だが、常にファンファーストである彼らのこと、新しい動画できっと私たちを笑顔にしてくれるはずだ。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。