『姉ちゃんの恋人』林遣都の過去が明らかに デビュー作『バッテリー』に重なるピッチング姿も
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ダブルデートのバーベキューで真人(林遣都)に想いを伝えた桃子(有村架純)だったが、はっきりとした返事をもらうことができずに戸惑い、同時に不安も募らせていくことに。11月24日に放送された『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)第5話は、ゆっくり進んできた恋愛模様に大きな進展が訪れる。告白によってお互いの呼び名が変わるほど近付いた2人は、これまで隠されていた真人の過去を共有する。そこから示されるのは、過去を受け入れて未来を向くという、このドラマの本質に他ならないだろう。
桃子が恋した相手が気になった和輝(高橋海人)と優輝(日向亘)と朝輝(南出凌嘉)は、桃子が帰った後のホームセンターをこっそりと訪れ、そこで働いている真人を見つける。遠くからでも直感的に姉の恋の相手だと察する弟たちは、器用にフォークリフトを操作する真人に魅力を感じて一安心。その一方で、告白の返事がもらえないことの不安をみゆき(奈緒)に打ち明ける桃子。そんなみゆきも、和輝から「恋人を前提とした仲良し」の関係を提案されたことを報告しようと思いながら、できずにいたのである。
クライマックスで自分の過去、先週のエピソードで描かれた、恋人を守るために過剰防衛で逮捕されたという暗い過去について桃子に告白する真人。すると桃子は、黙って真人を抱きしめる。その直前のシーンで、偶然検索サイトで真人の名前を調べて事件のことを知ってしまうシーンで突如訪れる静寂も含め、今回のエピソードでは主要な登場人物たちの想いが、言葉を介さずに描かれている点が目立っていた。真人からの告白の答えをもらえずに浮かない表情の桃子に、和輝たちが自分を覗いていた辺りを穏やかな顔で見つめる真人。それはあたかも、桃子と真人の間で語られるべきことが、隠されていた真人の過去だけであることを強調しているかのようにも映る。
その一方で、これまでのエピソードでは脇役に徹していた2人の人物からは、台詞として明確に想いが吐き出されていく。貴子(和久井映見)のもとを訪れ、自分が保護司を務めていた真人の恋の相手が姪の桃子であることを知った複雑な心境を吐露する菊雄(光石研)。そして、日南子(小池栄子)との会話で自身の思い描く“幸せ”について語る沙織(紺野まひる)。とりわけ沙織が語る、「何かに属しているから幸せなわけじゃない」と「幸せの形はひとつじゃない」という言葉は、さりげなくも桃子と真人の行く末を示唆しているようにも思えてくるほどだ。
ところで今回の劇中、ホームセンターの同僚たちとライバル店との草野球の試合が行われ(前クールの『アンサング・シンデレラ』<フジテレビ系>しかり、職場の連帯感をあらわすために草野球が頻繁に用いられるのはなぜなのだろうか)、リリーフとして登板する真人の華麗なるピッチングが煌めく。あらためて思い返すまでもなく、林遣都のデビュー作といえば滝田洋二郎監督の『バッテリー』で、林は天才的なセンスを持つピッチャーを瑞々しく演じていた。あれからもう13年経ったのかと正直驚いてしまうが、久々に見る林の投球シーンに懐かしさを覚えたのは筆者だけではないだろう。
※高橋海人の「高」はハシゴダカが正式表記。
■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
『姉ちゃんの恋人』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:有村架純、林遣都、奈緒、高橋海人(King & Prince)、やついいちろう、日向亘、阿南敦子、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、スミマサノリ、井阪郁巳、南出凌嘉、西川瑞、和久井映見、光石研、紺野まひる、小池栄子、藤木直人ほか
脚本:岡田惠和
音楽:眞鍋昭大
主題歌:Mr.Children「Brand new planet」(TOY’S FACTORY)
演出:三宅喜重(カンテレ)、本橋圭太、宝来忠昭
プロデュース:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)、平部隆明(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
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