『姉ちゃんの恋人』有村架純×林遣都はこのまま別れてしまうのか 奈緒との友情シーンにも注目
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真人(林遣都)の過去に何があったのか。真摯に話をする真人のつらい思いを受け止め、寄り添おうとした桃子(有村架純)だったが、真人はそれを拒絶してしまう。12月1日に放送された『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)第6話は、対話に始まり対話に終わる。いくつもの印象的な対話によって物語が組み立てられていき、“誰かと話をすること”の必要性を説くようなエピソードであった。
泣きはらした状態で家路についた桃子は家の前で菊雄(光石研)に会い、真人の保護士をしていたことを知らされる。同時に菊雄は、桃子が真人に恋をしていることを知った複雑な心情を吐露するのである。そして帰宅した桃子の顔から泣いていたことを感じ取った和輝(高橋海人)たちは、真人との間に何かあったのではと察知する。そして翌日、河川敷でばったり真人に遭遇した弟たち。キャッチボールをしながら打ち解け、桃子への思いを聞き出そうとするのだ。
4人が河川敷で談笑するシーンで、それぞれの将来の話題があがった際に、和輝はみゆき(奈緒)との会話を回想する。その中でみゆきは、「コロナ禍」という言葉を発する。思い返してみれば第1話の時点で、自粛期間に料理が上達した話や、マスクの争奪戦が繰り広げられた話など、この物語が“コロナ収束後”であることを何となくにおわせる描写が登場していたが、単語として「コロナ」が登場するのはおそらくこれが初めてのことだろう。むしろその際のみゆきの口ぶりからは、まだコロナが終わってはいないともとらえることができ、現実にリンクしているようにも思えてしまう(登場人物がマスクをしていないのは演出の都合であることは、毎回クレジット後に示されているわけだが)。
そんなみゆきは、またしても和輝との関係を桃子に話せずじまいであったわけだが、劇中でいくつもあった対話の中でも、みゆきと桃子の日課であるコンビニ前でのやりとりが特に印象的だった。真人との関係を応援してくれるかという桃子の問いに即答で「反対する」と答えるみゆきの返答。「こういう時、親だったら絶対に反対する。嫌われても悪役になっても反対するの。そういう人がいるから、その人を説得するには納得させるには幸せになるしかないの」。何でも話せる親友であり、そして時には親代わりのように桃子を見守る。2人の関係の深さがよく表れたやりとりといえよう。
ちなみにそのシーンでの、前置きとして「長いよ」と言う桃子の表情からカメラが左右に動いて元の位置に戻るだけで会話の内容を一気に端折る演出であったり、中盤で捨てられている椅子に座ろうとしていた臼井(スミマサノリ)と貴子(和久井映見)が出会うシーンであったり、小さな“意外性”も現れてきた今回。第1話での地球のキーホルダーにつづいて、真人は壊れた椅子を修理する。前者がちょっと疲れ気味であった桃子の心を象徴していたとすれば、後者は真人を表しているのか。真人は真人自身で、自分の過去から“復活”することを選んだということだろう。
※高橋海人の「高」はハシゴダカが正式表記。
■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
『姉ちゃんの恋人』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:有村架純、林遣都、奈緒、高橋海人(King & Prince)、やついいちろう、日向亘、阿南敦子、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、スミマサノリ、井阪郁巳、南出凌嘉、西川瑞、和久井映見、光石研、紺野まひる、小池栄子、藤木直人ほか
脚本:岡田惠和
音楽:眞鍋昭大
主題歌:Mr.Children「Brand new planet」(TOY’S FACTORY)
演出:三宅喜重(カンテレ)、本橋圭太、宝来忠昭
プロデュース:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)、平部隆明(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
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