「見る女」「見られる女」の想いがぶつかりあう『燃ゆる女の肖像』本編映像
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©Lilies Films.
映画『燃ゆる女の肖像』の本編映像が到着した。
昨年の『カンヌ国際映画祭』脚本賞、クィアパルム賞を受賞した同作は、18世紀、フランス・ブルターニュの孤島を舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘エロイーズと、彼女の肖像を描く画家マリアンヌの一時の恋を描いた作品。監督は『水の中のつぼみ』のセリーヌ・シアマが務めた。マリアンヌ役にノエミ・メルラン、エロイーズ役にアデル・エネルがキャスティング。12月4日から公開。
公開された映像は、エロイーズの2枚目の肖像画を制作する場面にフォーカスしたもの。作業が捗らないマリアンヌがエロイーズに「笑顔が描けません、一瞬で消えてしまうから」と告げる姿や、エロイーズの動揺、困惑、イラ立ちといった感情が起きた時の仕草を指摘し、「観察する立場ですので」と話す様子、エロイーズが「立場は同じです、何も変わらない」とマリアンヌを呼び寄せ、「あなたが私を見る時、私は?」と問いかけるシーンなどが映し出されている。
セリーヌ・シアマ監督は、主人公の2人を画家と被写体という設定にしたことについて、「肖像画を描くために芸術家がモデルを見つめるのと、恋愛感情も含めて相手を見つめるという2つの構造が欲しかったからです」とコメント。エロイーズ役のアデル・エネルは、このシーンを「普段女優が監督や演出する側の人間から見られるだけの存在と考えられていることに対する問題提起の場面」としても受け止めたようで、「この言葉には共感できました。だから、このセリフを言えて嬉しかった」と述懐した。
またシアマ監督は、『燃ゆる女の肖像』で描こうとした愛の形について「この映画で描かれる愛とは、相手と一緒にいる、いられるということだけでなく、築いた関係がどう自分を成長させ、心が解放され、自分自身を見つめなおしてそれまで知らなかった自分に近づけるのかということです」と語っている。
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