「逃亡者」崖際の撮影に密着、渡辺謙と豊川悦司が土管上で対峙
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ドラマスペシャル「逃亡者」メイキング写真
テレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャル「逃亡者」の撮影現場に、映画ナタリーが密着した。
前後編で構成された本作は、テレビ朝日とワーナー・ブラザース・インターナショナル・テレビ・プロダクションが組み、1960年代にアメリカで放送されたテレビドラマ「逃亡者」をリメイクしたもの。舞台を現代の日本に移し、妻殺しの容疑を晴らすため逃亡する外科医・加倉井一樹と、彼を追う刑事・保坂正巳の姿を描く。加倉井を渡辺謙、保坂を豊川悦司が演じた。保坂率いる警視庁特別広域捜査班所属メンバーの役で三浦翔平、原沙知絵、藤本隆宏、岩男海史もキャストに名を連ねている。
2019年11月に関東近郊の山中で撮影されたのは、前編で唯一、加倉井と保坂が交わる場面。加倉井が保坂たちに追われ、水路を抜けて崖に掛かる水道管の上にたどり着くシーンだ。崖すれすれに建てられたセットで、スタッフやキャストは安全を考慮しながらリハーサルを何度も重ねていく。加倉井と保坂は大きな土管の上に立ち、よろけながらも対峙。アクションシーンでは、加倉井が妻の名を呼ぶ声が山に轟いた。渡辺は何度もタイミングを豊川に確認し、自らスプレーで顔に水をかけて汚れメイクを施す。収録が終わると一転、和やかなムードに。渡辺が満面の笑みでスタッフと会話する姿が見られた。
渡辺は「久々にこんなに山場の多いドラマをやらせてもらいました。このシーンだけじゃなく、さまざまなところで逃げまどっています。安全確保はしていますがスリリングなシーンがたくさんあるので、撮っていくというより、撮り逃げしていくような感じですよ」と笑顔で苦労を垣間見せる。共演作は今までにもあったが、撮影ではいつもすれ違ってしまっていたという渡辺と豊川。今回も同じフレームに収まる場面は多くないと話しながらも、渡辺は「自分を追い詰める先頭に立ってる人間からのプレッシャーや、豊川くんの顔は常に感じています」と述べた。
「今回が一番一緒に芝居させてもらったんじゃないかと思います」と話したのは豊川。「謙さんは俳優仲間から見ていてもすごく真面目な方。自分の役を作り込むだけでなく、全体のこともよく考えてらっしゃっている。監督や共演者に『このシーンはこう解釈できるけど君はどう思う?』と聞いてディスカッションされることが多いです」と振り返る。続けて「その時間の中で『こういう見方があるんだ』『謙さんはこういうふうに解釈したんだ』という発見があって。ほかの現場ではあるようでないことなので、そのスタイルに触れられて刺激になりました」と語った。
本作はドラマ版や映画版も作られてきている。ほかのバージョンとは違う、今作ならではの特色について尋ねられた渡辺は「今回は時間がたくさんあるので、加倉井やほかの人のバックグラウンド、情感のようなものが描けています」と答え、「そういったところが恐らく映画版にはない、日本版の物語での緩急になるのではないでしょうか。情緒のあるシーンがいくつか撮れていて、ただただ逃げ回っているわけではないです」と述懐した。
渡辺は撮影を振り返り、「ドローンを使って、並走して撮ったシーンもありました。川の中を走っていく場面でも、そばからフォローしてもらえるわけですよね。撮影しながら追われている実感がありましたし、こんなところから撮られるんだとも思いました」と話す。豊川も「普段では行かないような、ダムの地下深くといったロケーションもありました。撮影場所に行くのにエレベーターに5分乗りっぱなしだったり、エレベーターが壊れて地上に上がれなくなったり。面白かったですね」と回想している。
ドラマ「相棒」や「ハゲタカ」の和泉聖治が監督を務めたドラマスペシャル「逃亡者」は、テレビ朝日系で明日12月5日、6日の21時より2夜連続放送。
ドラマスペシャル「逃亡者」
テレビ朝日系 2020年12月5日(土)、6日(日)21:00~
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