人間が徹底的にくんずほぐれつ…文学座アトリエの会「ガールズ・イン・クライシス」開幕
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文学座12月アトリエの会「ガールズ・イン・クライシス」より。(撮影:宮川舞子)
文学座12月アトリエの会「ガールズ・イン・クライシス」が、本日12月4日に東京・文学座アトリエで開幕した。
「ガールズ・イン・クライシス」はドイツの劇作家アンネ・レッパーによるミュールハイム劇作家賞受賞作を、小畑和奏の翻訳・上演台本、生田みゆきの上演台本・演出で送るもの。物語の中心となるのは、夫のほかに恋人もいるベイビー。彼女は、自律した人生を求めて“人形”を探す旅に出る。出演者には金沢映子、横田栄司、亀田佳明、吉野実紗、鹿野真央、木場允視が名を連ねる。
生田は、「見えないウイルスが可視化した様々な人間の姿を描くことも、また演劇の使命でしょう」と心境を語り、「昨今の様々な問題を思い浮かべながらも、目指したのは演劇ならではの『人間同士が徹底的にくんずほぐれつするエンターテイメント』です。劇場で、あるいは配信でお楽しみください!」と来場と視聴を呼びかけた。
本作では明日12月5日の19:00開演回がライブ配信され、12月11日までアーカイブを観ることができる。公演は16日まで。生田のコメント全文は以下の通り。
生田みゆきコメント
今年の3月以降、いち演劇人として今どんな作品が必要なのかをずっと考えています。今だからこそ希望を語らなければ、とも思いますが、見えないウイルスが可視化した様々な人間の姿を描くことも、また演劇の使命でしょう。本作は、誰もが持っている「善い人間でありたい」「自分の意思で生きたい」という願望が、それと対極的な優生思想や群集心理、同調圧力と結びつかざるを得ないという大きな矛盾を描いた作品です。昨今の様々な問題を思い浮かべながらも、目指したのは演劇ならではの「人間同士が徹底的にくんずほぐれつするエンターテイメント」です。劇場で、あるいは配信でお楽しみください!
文学座12月アトリエの会「ガールズ・イン・クライシス」
2020年12月4日(金)~16日(水)
東京都 文学座アトリエ
作:アンネ・レッパー
翻訳・上演台本:小畑和奏
上演台本・演出:生田みゆき
出演:金沢映子、横田栄司、亀田佳明、吉野実紗、鹿野真央、木場允視