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ぴあ 総合TOP > DOBERMAN INFINITY P-CHO、音楽と仲間への愛を貫く一途な心 確かな経験&ワイルドなフロウを併せ持った“影の暴れん坊”

DOBERMAN INFINITY P-CHO、音楽と仲間への愛を貫く一途な心 確かな経験&ワイルドなフロウを併せ持った“影の暴れん坊”

音楽

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リアルサウンド

 MCのKUBO-C、GS、P-CHOの3人と、劇団EXILEのメンバーとして俳優活動も行うSWAY、ボーカルのKAZUKIで構成される、4MC+1Vocalスタイルのヒップホップグループ、DOBERMAN INFINITY。LDH所属ながらも“踊らないグループ”として唯一無二の存在感を放っている彼らが、12月2日に約1年ぶりとなるニューシングル『6 -Six-』をリリースした。表題曲「6 -Six-」とカップリング曲「SO WHAT」は、現在放送中のドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』(日本テレビ系)の挿入歌に起用され、リリース前から話題を呼んでいる。そこで本連載では、DOBERMAN INFINITYのメンバーについて1人ずつフィーチャー。第3回目はMCのP-CHOについて、グループの歴史と絡めながら紹介していく。

 P-CHOは、1980年5月2日生まれで奈良県出身。子どもの頃は目立ちたがり屋でお調子者だったそうだが、小学生の頃の夢は意外にも学校の先生。実際に自分が勉強を教わっていた先生の教え方が面白く、憧れの対象になったという。しかし、年齢が上がるにつれて教師になるには学力が必要なことに気づき、徐々に興味の矛先が変わっていったそうだ。P-CHOがラップに興味を持ったのは、16歳の時で、その頃から1学年上の先輩であるKUBO-CやGSと遊んでおり、「中3の時にはもうHIPHOPカルチャーには興味があって、高校1年ぐらいからラップを見よう見まねでやりはじめました」(引用:TOKYO HEADLINE)と語っている。1998年に“地元の仲間達”とWEST HEADとして地元・奈良で音楽活動をスタートさせると、2000年には、滋賀県出身のMAB、兵庫出身のTomogenと共にDOBERMAN INCを結成。大阪に拠点を移して活動を始めた。当時は大学に通いながら活動していたそうだが、就職せずに音楽の道へ。2002年には、BACH LOGIC aka BLを中心とするMATCHSTICKMENプロデュースのもと、インディーズデビューを果たした。だが、「2002年にインディーズデビューしてからはプロデューサーが付いたんだけど、とにかく曲作りのペースがスピーディー。それこそバイトもしながら、寝ずに作曲みたいな時期もあったね」(引用:アルキタ)と当時を振り返るように、インディーズデビュー後も多忙な生活は変わらず、2004年にDOBERMAN INCがメジャーデビューしてからもバイト生活が続く。共に活動していたGSも、「音楽で食べていくことの難しさと魅力を同時に感じていました。何百人を前にしてライブして終わったらバイト……なんか夢がないっていうか(笑)」(引用:TOKYO HEADLINE)と葛藤していた過去を明かしている。

 さらに、2006年にはメンバーのMABが脱退。2008年にLDH所属となり、東京で活動していく中で、2013年にはTomogenが脱退し、DOBERMAN INCはKUBO-C、GS、P-CHOの3人に。それでも、ヒップホップカルチャーや音楽への強い愛情がP-CHOを“音楽で食べていく”という夢へと突き動かし、『VOCAL BATTLE AUDITION 4』のファイナリストKAZUKI、劇団EXILEで俳優活動を行うラッパーSWAYとの出会いが、“DOBERMAN INFINITYの5人で全国アリーナツアーを実現する”という新たな夢をP-CHOに与えた。そして2019年、DOBERMAN INFINITYの結成5周年を祝う待望のアリーナツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2019 5IVE ~必ず会おうこの約束の場所で~』が実現。同年にリリースしたベストアルバム『5IVE』のインタビューでも、「この5人が集まったときに凍っていた氷が一気に溶けたような感覚になったんです。止まっていた時間が動きだした」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と語っているように、DOBERMAN INFINITYは『HiGH&LOW』シリーズやCMソングに起用されるなど、ハイスピードで活動の幅を広げていった。

『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2019 5IVE ~必ず会おうこの約束の場所で~』FINAL DIGEST MOVIE

 O.M.W(OLDMAN WILDIN’/P-CHO、JAY’ED、NAOtheLAIZAによるプロデュースチーム)の一員としても活動し、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE(DOBERMAN INFINITYとEXILE HIROの共同プロデュース)など、他のアーティストにも楽曲提供を行っているP-CHOは、アーティストとして活躍する今も「趣味が音楽くらいしかない」と語るほどの音楽マニア。メンバーからも「USの楽曲の曲名とかアーティスト名とかすごく細かく覚えてる。ジュークボックスみたい(笑)」(SWAY)、「CHOちゃんは最新の流行りにいちばん敏感でアンテナが高い」(GS)(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)などと称賛されている。基本的には「5人で歌う曲は5人が集まって作ることに意味がある」(引用:DOBERMAN INFINITYが「6 -Six-」で綴った“かけがえない仲間への感謝” 「みんながいてくれるから自分らしくいられる」)という信念を持つDOBERMAN INFINITYだが、先述したベストアルバムのリード曲「5IVE」はメンバーからはP-CHOが1人で歌詞制作に参加。5周年・ベストアルバム・リード曲という記念すべきタイミングで一任されるということは、メンバーから音楽的にかなり信頼されている証拠だろう。

DOBERMAN INFINITY「5IVE」 (Official Music Video) ( from BEST AL「5IVE」)

 また、普段はとても穏やかな口調だが、ラッパーとしては跳ねるようなフロウで、ワイルドにかますのがP-CHOのスタイル。“特攻隊長”SWAYでさえ、「影の暴れん坊はCHOさんだと思ってます(笑)。(中略)ステージに上がった途端のCHOさんの変貌ぶりが好きなファンは多いと思います」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と語るように、ギャップの激しさに定評がある。それでいて、“ALL ROUND HIP HOP”をコンセプトに掲げるDOBERMAN INFINITYにおいては、ラッパーとして長年積み重ねてきた経験に絶対的な自信を持ち、「メロウなもの、ロックに近いもの、EDM、バラード、何を入れても自分たちはHIPHOPを表現できる」(引用:TOKYO HEADLINE)ことが自分達の強みだと語っている。

 そんなP-CHOのキャラクターは、仲間想い・家族想いの心優しき中間管理職。2016年に今市隆二(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)がパーソナリティを務めるラジオに出演した際には、グループ最年少のKAZUKIが「デビュー当時から架け橋になってくれた人です。すごく話しやすくていつもお世話になってますね」(引用:J-WAVE)とP-CHOを紹介する場面もあったが、今となっては年齢差やキャリアの違いを感じさせない“いじられキャラ”が定着している。ちなみに、下積み時代は、2008年に上京するまで、高校3年生で始めた最初のバイト先で10年間働いていたそうで(参照:アルキタ)、そのエピソードからも一途な性格が窺えるP-CHO。「P-CHOさんは音楽以外何もできない」というのが、グループ内ではお決まりの“いじり”となっているが、1度決めたことを貫く精神力と忍耐力、それもまた彼の才能なのかもしれない。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38