クメール・ルージュ政権下カンボジアを描く「FUNAN」本編の一部公開
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「FUNAN フナン」新場面カット
第42回アヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリ作品「FUNAN フナン」より、本編映像の一部がYouTubeで解禁された。
本作の舞台は、クメール・ルージュに支配された1975年以降のカンボジア。強制労働のため農村に送られる途中、息子ソヴァンと離ればなれになってしまった母親チョウの激動の日々が描かれる。Netflixとの提携も発表されたアニメーションスクール“ゴブラン・レコール・ド・リマージュ”卒業生の監督ドゥニ・ドーが、自身の母親の体験をもとに作り上げた。チョウ役で「アーティスト」のベレニス・ベジョ、夫のクン役で「グッバイ・ゴダール!」のルイ・ガレルが出演している。
今回解禁になった映像は、革命組織によって人々が移動させられ、地雷の埋まった川を渡っていくシーン。チョウが少し目を離したすきにソヴァンが進行方向に逆らい歩いて行ってしまう様子や、それに気付いてあとを追おうとするクンの母やチョウの姿が収められている。アートディレクターのミッシェル・クルーザは特に印象に残っている箇所として本シーンを挙げ、「たくさんの人が一斉にリアクションを取ったり個々に動きを見せるシーンなので、自然なリアクションを振り付けるのが難しかった」と振り返った。
ドゥニ・ドーは「自分はどこから来た? なぜフランスに住んでいるのに白人じゃない?というのは、繰り返し母親に投げかけていた問いだった。クメール・ルージュのことも繰り返し聞いていたが、まだ当時についての奇妙な幻想が自分の中にあったと思う」とコメント。続けて「カンボジア現地でのリサーチや、母と叔母の再会などを実際に目にして、クメール・ルージュ政権時に何が起こったかを真に描く必要があると感じた。私の母をモデルとした1人の女性の話だが、あの苛酷な時代を生き抜いた皆の物語でもある」と語った。
「FUNAN フナン」は12月25日に東京のYEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル池袋ほかで公開。
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