BTS、SEVENTEEN、JO1、Snow Man……2020年存在感増したダンスボーカルグループ 4組をピックアップ
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毎週、注目すべき新作を紹介してきた「本日、フラゲ日!」。2020年の締めくくりは、今年さらに存在感を増したダンスボーカルグループをピックアップ。世界的スターになったBTS、J-POPシーンに新たなスタイルを持ち込んだJO1など4組を改めて紹介します!
2020年8月にリリースされた「Dynamite」がアメリカ・Billboard「HOT100」で首位を獲得。さらに『第63回グラミー賞』の最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門にノミネートされるなど、BTSは名実ともに世界のトップグルーブに上り詰めた。キャリア初の英語詞による楽曲「Dynamite」は、80’sポップを現代的なダンスミュージックに昇華させた楽曲。レトロフューチャー的なトラック、カラフルなメロディライン、超キャッチーなサビのフレーズは、まさに世界標準だ。MVにはデヴィッド・ボウイのポスターやワム!のレコードが映り込んでいるが、これは“非黒人がブラックミュージックを取り入れる”“アイドルから本物のスターへ”というBTSの軌跡とつながっていると思う。また『MAMA2020』で披露されたマイケル・ジャクソンへのリスペクトに溢れたダンスブレイクも大きな注目を集めた。
日本2ndミニアルバム『24H』のタイトル曲は、個人的に2020年もっとも印象に残った楽曲の一つだ。現代的なヒップホップ、オルタナR&Bの潮流を的確に捉えたトラックメイク、メンバーの広い音域を活かしたメロディライン、〈想うよ 君だけ〉というフレーズ。音楽的な攻めの姿勢を貫き、“ファンを大事にしたい”という思いを込めたこの曲は、SEVENTEENの躍進を象徴するナンバーだと思う。特に4つ打ちのビートと3連のフロウを組み合わせたサビのアレンジには、抗いがたい魅力がある。また、作詞・作曲、トラックメイクからダンスの振り付けなど、クリエイティブのすべての要素においてメンバー自身の意志が反映されているのも彼らの特徴。BTSと同様、クリエイターとしての可能性とパフォーマーとしての才能を高いレベルで共存させたグループと言えるだろう。
2019年12月にサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』をきっかけに結成され、2020年3月にシングル『PROTOSTAR』でメジャーデビューを果たしたJO1は、“国民プロデューサー(視聴者)”によるメンバーの選出、現行の海外のポップミュージックを強く意識した音楽性、フィジカルの強さを活かしたパフォーマンスなど、K-POPのメソッドを活かした日本発の“グローバル男性アイドルグループ”だ。その最初の集大成が1stアルバム『The STAR』。煌びやかなエレクトロサウンドと切ないメロディとともに“気持ち一緒にいれば、完璧な夢になる”と語り掛ける「Shine A Light」、オルタナR&B、トラップの要素を織り交ぜたトラックのなかでエキゾチックな高揚感に溢れたボーカルが響く「無限大(INFINITY)」など独特のハイブリッド感覚に溢れた楽曲からは、世界で勝負できるポテンシャルの高さを感じ取れる。
2020年1月にリリースした1stシングル『D.D. / Imitation Rain』(Snow Man vs SixTONES)がミリオンセールスを記録、SixTONESとともにいきなり音楽シーンのど真ん中に登場したSnow Man。10月に発表されたシングル『KISSIN’ MY LIPS / Stories』は、このグループの音楽的な多様性を実感できる作品だった。K-POP系の楽曲にも携わるクリエイターが参加した「KISSIN’ MY LIPS」は、無機質なシンセベースと生々しいアコースティックギターを軸にしたダンスナンバー。そして「Stories」は90’sのミクスチャーロックにも通じるデジロックの進化型。まったく方向が違う楽曲をコンパイルしているのは、メンバーの高い表現力と幅広いサウンドに適応できるセンスだ。2021年1月リリースの新曲「Grandeur」はラテン濃度高めの情熱的な楽曲。来年もさらなる進化が期待できそうだ。
※記事初出時、一部表記に誤りがございました。訂正し、お詫び申し上げます。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。