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モチベーションは“宝探し感覚”――2021年要注目アーティスト&昨年の音楽シーン振り返り(ヒットの新潮流編)

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2020年、音楽シーンは期せずして改革の年となりました。“個の表現者”、“チームとして共創する表現者“の時代になったと思います。

TikTok発のシンガーソングライターの躍進、YOASOBIなどボカロ文化圏から派生したユニットの活躍には目覚ましいものがありました。コロナ禍の影響によって“人が気軽に会えなくなった時代”。音楽ビジネスは、急速なデジタルシフトに迫られDX(デジタルトランスフォーメーション)化が一気に進みました。5年は時間が早送りされたような感覚なのです。

いわゆる、Online Merges with Offline(オンラインがオフラインを融合する)の時代。

アナログ偏重であった業界のデジタルシフト。テクノロジーを駆使してマーケットの対象範囲、マネタイズなどを根底から変化させる必要に迫られました。具体的にはCDに代わり、Spotifyなどストリーミングサービスの普及。オンラインライブの開催が増えた1年となりました。

プロモーションやマーケティング手法にも大きな変化が生まれた1年でした。平井 大「Stand by me, Stand by you.」のロングヒットのきっかけとなったTikTokや YouTubeでのUGC(ユーザ生成コンテンツ)の存在は、ヒットを生み出す“機能性”として注目されました。

手法は様々であり“歌ってみた”、“踊ってみた”、“弾いてみた”、“リップシンク(口パク)動画”、“カップル動画”、“ネタ動画”など、たくさんのリスナーによる二次創作コンテンツが生まれました。他にも事例はたくさんあります。クラブヒットにも繋がったラッパーTohjiが踊る「GOKU VIBES」から拡散した“踊ってみた”人気も記憶に新しいです。


DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver



TikTokでのユーザー発信から、フレデリック「オドループ」という6年前の作品によるリバイバルヒットが生まれたことも興味深い現象となりました。


フレデリック「オドループ」Music Video | Frederic "oddloop"


ファン参加型で作品を身近に楽しむことで、より人気が増幅していくという健全な構造となったのです。そんな時代の“モチベーション”において大切なのはリスナーにとっての“宝探し感覚”だと思います。良い音楽を広げたいと思う感情、良い音楽を使いたいと思う感情。音楽作品によって仲間とネットを通じて繋がれるという“共感システム”が、積極的に新しい作品を“見つけ出したい”という思いへと結びつき、再生回数によって人気が可視化された2020年、多様化したヒット現象の底上げにつながったのではないでしょうか? 

そんな新しい時代に活躍し、さらに2021年の躍進を期待したいアーティストを10組紹介していきましょう。

2021年にさらなる活躍が期待できるアーティスト10選


Eve

シンガーソングライター。2021年、最も活躍が楽しみなポップカルチャー最先端を駆け巡る表現者。『週刊少年ジャンプ』連載中『呪術廻戦』(芥見下々・著)原作によるTVアニメ『呪術廻戦』オープニング主題歌「廻廻奇譚」がYouTubeで2,900万再生を突破。米津玄師以降、過渡期であるシーンをひっくり返すのはEveしかいないだろう。


廻廻奇譚 - Eve MV


Reol

シンガーソングライター。すでにネットシーンでの知名度は高かったが、2020年、ReolはYouTubeでのフックアップやLINE CUBE SHIBUYAでの無観客ライブの成功を経てさらなる躍進を果たした。海外からの注目度も高く。セルフプロデュース力の高いクリエイティビィティ、卓越したボーカリゼーションに魅了されたリスナーは多い。


Reol - 第六感 / THE SIXTH SENSE Music Video


Siip

詳細不明。特定のイメージを持たない神出鬼没のファントム(幻影)表現者。作詞作曲、アレンジ、ボーカル、演奏、プロデュースを手がける、顔出ししない謎めいたシンガーソングクリエイター。2020年12月24日、初配信曲となる「Cuz I」をリリース。一度聴いたら頭から離れない圧倒的センスとリアリティーに注目すべき新しい才能だ。


Siip - Cuz I (Official Music Video)


Ado

シンガー。17歳最後の日である2020年10月23日、メジャーデビュー曲「うっせぇわ」にて毒っ気あるハイトーンボイスでシーンに衝撃を与えた。すでに同曲はYouTubeにて2,300万再生を突破。新たな才能は、ボカロ文化圏をこえてJ-POP〜ロックフェス文化圏にてアンテナを張っているミュージックラヴァーたちにも発見されつつある。


【Ado】レディメイド


Vaundy

シンガーソングライター。現役大学生の20歳。新世代の表現者であり、作詞、作曲、アレンジを自ら手がけ、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。耳を捕らえ一聴でクセになる天性の声と、破格の才能を感じさせるジャンルに囚われない楽曲センスで、2021年必ずやシーンの中心となるアーティストだ。


世界の秘密 / Vaundy : MUSIC VIDEO


りりあ。

シンガーソングライター。トイズファクトリーの新レーベル・VIAよりメジャーデビューが発表されたばかりの次世代表現者。TikTokでバズった「浮気されたけどまだ好きって曲。」の登場は衝撃的だった。顔出しをしないで、淡い明かりの下で弾き語りされる魔法めいた歌声の魅力。時代を鏡のように映し出す表現者として、要注目な逸材だ。


りりあ。「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」MV


Who-ya Extended.

20歳のボーカリストWho-ya(フーヤ)を中心としたクリエーターズユニット。その正体は謎に包まれているが、TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』オープニングにフックアップされ、2019年11月メジャーデビュー。さらに、TVアニメ『呪術廻戦』第2クールのオープニングに新曲「VIVID VICE」が大抜擢。要注目の新人といえるだろう。


Who-ya Extended 「Synthetic Sympathy」 MUSIC VIDEO full ver.


空白ごっこ

突如、ネットシーンに現れたクリエーターズバンド。“全曲神曲ばかり”とネットで騒がれた珠玉の作品たち。針原翼(HarryP)、koyori(電ポルP)による両極の楽曲パワー。せつなくもエモーショナルなセツコによる歌声の魅力。次世代を指し示す羅針盤へ光を射し、空白を埋める新しい音色が、緊迫した世の中へ向かって解き放たれていく。


空白ごっこ - 19(Music Video)


PEOPLE1

メンバー編成や素顔など一切不明のバンド。唯一の窓口となるヒントはTwitterで垣間見れるゆるいキャラクター性。自らを“ピポイチ”と略していた(笑)。毎回楽曲のクオリティーが高く、新曲「113号室」では、ラップテイストな歌唱を繰り広げるなど才能を見せつけてくれる。YouTubeでの工夫を凝らした、アニメーションMVも見どころだ。


PEOPLE 1 “113号室” (Official Video)


しなの椰惠

シンガーソングライター。健康優良不良少女であり、ライブハウスの屋根をぶっ飛ばすかのような圧巻のパフォーマンスにやられた。家庭環境、恋人との関係、大人との軋轢や葛藤といった題材を赤裸々に歌う、独自の視点から吐き出される言葉のパワー。しかし、著名フェスへの出演が決まりながらも続々中止に。彼女の才能を埋れさせてはいけない。


しなの椰惠『駄目なあなたのまま』(Official Video)



文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

Yahoo!ニュース、J-WAVE、NHK、Spotify、LINE MUSIC、AWA、ミュージックマガジンなどで書いたり喋ったり選曲したり考えたり。Spotifyで公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』を毎週火曜日更新で選曲中。
https://twitter.com/fukuryu_76



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