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『モコミ』第1話から小芝風花の魅力が炸裂! モノと話せる少女役で好演光る

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リアルサウンド

 新土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)では、第1話から主人公の清水萌子美を演じる小芝風花の魅力が炸裂していた。副題にある通り、彼女は一風変わっているのだが、それは彼女が持つ人とは違う不思議な感覚ゆえのことだ。萌子美は幼少期からヌイグルミや植物、石など感情を持たないとされるモノの気持ちがわかってしまい、それがため散々変人扱いされたり大人から叱られたりしてきた経験から、他人との関わりを極力避け、ひっそりと生きてきたのだ。

 今は工場で不良品がないか部品のチェックをするバイトをしているのだが、高いところにある窓が“泣いている”ことに気づいた萌子美は窓拭きをしようと上った脚立から落下。なぜそんなことをしたのか誰にも理由を説明できない彼女はバイトを休んでしまう。

 第1話では、そんな塞ぎ込みがちな彼女と、彼女を心配するあまり変に気を使ってばかりの母親はじめ清水一家のもとに、15年ぶりに祖父の須田観(橋爪功)が訪れる。幼少期、たった一人自分のことを嘘つき呼ばわりせずに最後まで信じてくれて味方だった祖父との再会に、萌子美も生まれ変わることを決意する。

 これまで小芝風花主演ドラマと言えば、同放送枠だった『妖怪シェアハウス』での目黒澪役や、『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)での小林苺役など、破茶滅茶な世界観に巻き込まれ強烈な周囲に“振り回される側”にいることが多かった。それが本作では本人にそんな意図はなくとも小芝演じる主人公が特殊能力のために周囲を“振り回す”側に配置されているのがおもしろい。

 この突拍子もない、ただ多くの人がかつて憧れたことのあるだろう“動物やペットの気持ちがわかったらなぁ”“ぬいぐるみと話してみたい”という願望を叶えられる世界線に、小芝の持つ可憐さやピュアさ、少し浮世離れしたメルヘンさがよく似合う。これまでは“ピュア”であるがゆえに巻き込まれる側だったのが、その“ピュアさ”ゆえに周囲を振り回してしまい、内に籠もってしまうようになるのだ。

 彼女の優しさがよく現れていたのが、ぬいぐるみを抱きかかえながら話しかけるシーンだ。一方的にモノに自分の気持ちをぶつけるのではなく、本当に話し相手として耳を傾けながら“バイト休んじゃったよ〜”とこぼしていた。当初、このドラマの設定を読んだ際に、モノ側の声も流れるのか気になったのだが、今のところモノ側の声は発せられず、萌子美が代弁したり相槌を打つ形で我々視聴者はモノ側の気持ちを知ることができるようになっている。だからこそ、彼女がきちんとモノを慈しみながら向き合ってはじめて出来る間合いや空気感がとても重要になってくるのだ。モノ側と我々の橋渡し、通訳をしてくれるのが小芝演じる萌子美であるがゆえ、我々もすんなりとこの設定を受け入れられるのだと改めて思わされる。

 ままならない世界を生きる姿を演じる小芝風花もまた新鮮だ。これまでも空気を読んでばかりいるキャラクターを演じることはあったが、それどころではなく自分の内に完全に閉じ込もってしまっている萌子美がどんな風に自分自身や家族、周囲と向き合い双方の“生まれ変わり”を見せてくれるのか、温かい気持ちを分けてもらいながら見守りたい。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:小芝風花、加藤清史郎、工藤阿須加、田辺誠一、富田靖子、橋爪功、水沢エレナ、内藤理沙ほか
脚本:橋部敦子
演出:竹園元(テレビ朝日)、常廣丈太(テレビ朝日)、鎌田敏明
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company
音楽:森英治
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:竹園元、中込卓也(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
企画協力:オスカープロモーション
(c)テレビ朝日