韓国13人組ボーイズグループ・SEVENTEENが、1月23日に初のオンラインコンサート『2021 SEVENTEEN ONLINE CONCERT』を開催した。そのオフィシャルレポートをお届けする。
2020年にリリースした韓国アルバム2枚がいずれも100万枚以上を売り上げる"ダブルミリオンセラー"を達成したSEVENTEEN。この日は約1年5か月ぶりの公演とあって世界122ヵ国のファンが同時視聴し、グローバルな人気を見せつけた。なお、今回のコンサートは、メイン画面とコンセプト画面を含めた4つのマルチビュー画面で楽しむことができ、コメント欄を通じてファンたちの反響もリアルタイムで寄せられた。
コンサート開始の18時になると、クラシカルなスーツを着こなしたメンバーたちがカフェや図書室でくつろぐオープニング映像が。斜めにかけられた額縁には"Incomplete;Something that is incomplete is not yet finished or does not have all the parts or details that it"の文字が浮かび上がる。額縁の前に集まったメンバーたちが並んで記念撮影をすると、画面が暗転。
ダイヤモンド型のステージが赤く染まり、ユニットリーダーの3人がせり上がる。ウジの優しい歌声から、ホシの低音ラップ、エスクプスの力強いラップのリレーで始まったのはIntroの「New World」に歌詞をつけた新バージョン。世界中が困難な状況に置かれている今、彼らなりの新世界を築くメッセージのようだ。強烈なエレクトロサウンドに合わせてダンサーが合流し、サイレンが鳴り響くと、ウジとホシによる「BRING IT」へ。2匹の猛獣と化し「撃て!! 撃て!!」とあおるように雄叫びながら拳銃を撃つパワフルなパフォーマンス。最後は背中合わせになると両端から迫りくる壁に飲み込まれて火花が舞い上がった。
ド派手なスタートから一転し、パープルのオーラの中から1つの影が現れる。その影が2つに分裂したかと思うと、1本の白い帯でつながれたジュンとディエイトによる「My I」のステージへ。運命の糸に導かれるようにシンクロし、近づいたり離れたりする2人。ジュンの左手がディエイトの頬をなぞるエンディングポーズに、より成熟した美しさを感じてため息がもれる。
続いて上空から赤い棘をモチーフにしたゴンドラに乗ってジョンハンとスングァンが登場し「Flower」へ。地上に降り立つとウォヌと合流し、美しくも棘がある花に魅せられた切なさを表現する。そこにエスクプスもラップのシャウトで加わり、ラストは4人がひとつの花となった。
そのままの体制でウォヌの「Fear」のパートが始まると、一旦暗転し、ディノのソロダンスへ。毒にもがき苦しむようなパフォーマンスの後に手首に唇を当ててるディノ。再び暗転すると、ジョシュアの囁くようなパートから、ミンギュ、ドギョム、バーノン、ディノによる群舞へ。雷鳴が鳴り響き、ここで全員が合流。宮殿のセットの中で装飾がふんだんに施された白い衣装で舞う彼らの姿はまるで神話から飛び出したかのようだ。
ジョンハンを囲んで毒を飲むポーズで曲を終えたかと思うと、毒から覚醒したかのように立ち上がり、ジョンハンのキックから「Fearless」のステージへ。バーノンがメンバーの背中を飛び越えて倒れると、その周りをメンバーとダンサーが囲んで行進してゆく。逆三角形を作って"Gimme gimme gimme something new"と威嚇するようなパフォーマンスには、毒の恐れから抜け出して大胆不敵になった彼らの力強さが感じられる。タイトルと歌詞とパフォーマンスから「Fear」との関連性が話題になっていた「Fearless」だけに、この2曲の連続披露にCARATたちも「神セトリ!!」と絶賛の声をあげた。
「CARATと一緒にいるみたい」
赤い布の下で、アスファルトの空間にいるメンバーと、室内にいるメンバーが時空を超えてシンクロするイメージ映像から、パープルのバラが開花する映像が映し出される。すると上空のカメラが一輪の花と化したメンバーを映し「Fallin' Flower」のステージへ。月明かりの中に彩とりどりの花が咲きほこる背景の前で、グレー、ライトパープル、ミントグリーンのシフォンブラウスの衣装で群舞する美しさは、まさに動く芸術作品。
続いては近未来の廃墟をほうふつとさせる背景の中で「Thanks」。CARATたちもコメント欄で「SEVENTEEN SEVENTEEN コマプタ」とおなじみの声援を送って盛り立てた。「My I」からの連続した幻想的なステージは、刹那的な美しさと儚さを感じさせ、SEVENTEENが作る唯一無二の世界観に酔いしれるばかりだった。
オープニングトークでは、メンバーたちが「お久しぶりです~」と叫ぶと、効果音の歓声が流れ、それがツボにハマったメンバーたちは「すごい!!」と大はしゃぎ。ディノは「歓声があるから、CARATと一緒にいるみたいで不思議ですね」と笑顔を浮かべる。
まずは順番に自己紹介。ジョンハンは「元気にしていましたよね? オンラインコンサートでお会いできてうれしいです。家でおいしいものを食べながら、楽しい思い出を作ってください」。ホシは「今日は皆さんがいないので、今何時はまた次にします~」と言ったものの、メンバーたちから「王子様、王子様」と盛り立てられて「今何時~」と「10時10分~」といつもの掛け合いを。ここで効果音の歓声が盛り立てると、かえって恥ずかしさを増長させたようで、顔を隠しながら照れまくるホシ。
バーノンは「本当にときめきますね。今までしてきたライブが思い出されます。いい時間を作りましょう」。ミンギュは「一緒にできないのは残念ですが、僕らのエナジーを皆さんに全部伝えられるように最前を尽くします」と挨拶したが、髪色をグリーンにしたことで「キム芝生」「キム非常口」と一斉に冷やかされてタジタジに。ウォヌは「皆さんの幸せを応援するウォヌです。皆さんのストレスを今日、すべて吹き飛ばせたらと思います」と意気込みを語ると、メンバーからの無茶ぶりで応援歌を歌う羽目に。そこで「ヒムネラ(力を出して)! ヒムネラ!」と頑張るも歓声があがり「同情の歓声じゃないの?」「この歓声がむしろ恥ずかしくさせるね」とのツッコミを受けていた。
スングァンは「All of the CARAT~」とかっこつけて英語で挨拶を始めたが、ジョシュアに間違いを指摘されて「やっぱりバラエティの神だね」と意図せず笑いをとってしまう。ウジは「こんにちは、CARATたち。ウアヘ(ウジ+チョアへの造語)」と頬の横でハートを作って愛嬌を。ドギョムは「今日が本当に楽しいライブになればいいです。力を分け与えます!! ファイト!!」と。ジョシュアは「こんにちはジェントルセクシー、ジョシュアです。皆さんにとても会いたかったのですが、こうしてでも一緒に時間を過ごすことができて幸せです」とジェントルマンからさらにアップグレードした挨拶でわかせた。
エスクプスは「最強リーダーエスクプスです。楽しい時間を一緒に過ごしてください」と挨拶したが、なぜか唐突に誰かの提案でエスクプスゲーム(セブチ考案のハングルで4文字の言葉をリズムに合わせて順番に言っていくゲーム)がスタートし、「エ・エ・エ・エスクプスゲーム!チェスンチョル♪ ラタトゥイユ! マンゴジュース! チーズラーメン!」と自由すぎるメンバーたち。
この空気の中でも動じないジュンは自ら歓声を要求して「いつもそうだったように一緒にいますよ、僕ら。こんにちはジュンです」とキザな挨拶を。
さらにはメンバーからのリクエストで「焦げた匂いがしませんか? 僕の心臓が燃えています。CARATへの愛が燃えているから」とドラマ「火の鳥」でSHINHWAのエリックが流行らせたクサいセリフを再現してわかせた。
ディノはわざわざセンターに移動して「アンニョン! 会えてうれしいよ。みんなわかっているだろうけど、僕はディノだ。またの名をDANCEOLOGYとも言う」とため口で自己紹介すると、メンバーたちは大爆笑。最後はディエイトが「今日はSEVENTEENと一緒に良い夜になるといいし、新年を健康に迎えてほしいです」と挨拶すると、久しぶりに短くしたヘアスタイルを絶賛されて笑顔を見せた。
嘘にまつわるトークから、ライブ初披露曲へ
ここでSEVENTEENコンサート恒例の掛け声をウジから発表。「SEVENTEEN CARAT パチパチ(拍手)」に続き、オンラインコンサートということで「IN-COMPLETE」の掛け声でロボットのような動きを。見本の後はいつもならばCARATが上手にマネしてくれるのだが、今日は代わりにロボット出身のシュボットことジョシュア(SEVENTEENのオリジナルバラエティ番組「GOING SEVENTEEN」から生まれたキャラクター)が「IN-COMPLETE~」とやるも、ロボットになりきりすぎてしまい「エスクプスから「GOING SEVENTEENじゃないんだから、マイクを使って」とダメ出しが。そこで最後はメンバー全員がロボットになって掛け声を。
ここでジョンハンの「掛け声をしたら急に散歩をしたくなりましたね」との唐突な切り返しで、カメラに向かって「ハニヘ」「ホランヘ」「ドアヘ」「ホンランヘ」(ホシ+サランヘ=ホランヘの造語から、メンバーの名前+サランヘの造語が流行中)と順番に愛嬌を振りまきながらサブステージに移動。近くなった客席を見渡すと、1席ずつ設置されたペンライトが輝いて歓声の音があがり「気分があがりますね。生で会えたらもっといいけど」としみじみ。
そしてなぜか唐突にホシが「ところで、嘘をついたことがありますか?」と切り出し、嘘についてのフリートークが展開。ジョシュアが「あるメンバーがヘアスタイルとカラーを変えたから、よく似合うって言ってしまった」と告白すると、「最近、色変えたの誰?」「まさか僕じゃないよね」との探り合いに。
さらにジョンハンが「僕もCARATに嘘をついた。コンディションは大丈夫かと聞かれて、大丈夫だと嘘をついた。本当はCARATに会いたくて心が痛いのに。嘘をついたから罰を受けないといけませんね」と言うと、茶番劇を制するかのように淡々とウォヌが「こうして善意の嘘まで聞きましたので、ここでお聞かせしたい曲があります」と語り「SEVENTEEN CARAT パチパチ(拍手)IN-COMPLETE」の掛け声で次の曲へ。
にぎやかなトークから一転して始まったのはミディアムテンポのバラード曲「Lie Again」。前アルバム『An Ode』の収録曲だが、ライブでは披露されてこなかった名曲の初披露とあって感動するCARATたち。続いてはこの時代を生きる大人だけど子供のような人へのメッセージソング「Kidult」をしっとりと歌い上げる。途中で全員が立ち上って紙吹雪が舞う中で熱唱し、スングァンとドギョムの高音が美しく響き渡ると「泣ける」「神ってる」と絶賛コメントが寄せられた。
ユニットステージではそれぞれの魅力が全開
3つのユニットのイメージ映像を挟み、ここからはユニットステージへ。先陣を切るのはヒップホップチームの「Back it up」。原色のライトの中で、毛皮、ロングコート、リーゼント、じゃらじゃらのアクセサリーを身に着けた4人はヤンキー座りでカメラをにらみつけてワル感全開。革ジャンの男女のバックダンサーを引き連れての大騒ぎで、彼ら自身も大いに楽しんでいるようだった。
続いては、ツイードの高貴な衣装をまとったボーカルチームが「Habit」を、ピアノサウンドを加えたアレンジバージョンで披露。ひとりひとりがソロで歌いつないでいき、最後は全員のハーモニーで聴かせるとコメント欄には「ずっと聴いていたい」「生で聴きたかった」とのコメントが。
3組目は、夜の都会の風景をバックに黒とパープルのラメ衣装で登場したパフォーマンスチームの「MOONWALKER」。メロディも振り付けも大きくアレンジが加えられ、エレクトロなベース音に合わせた小刻みな動きのダンス、女性ダンサーとのコラボもあり、洗練された都会の男ver.といった雰囲気に生まれ変わった「MOONWALKER」に感嘆の声があがった。
さらにユニットステージは、昨年10月にリリースしたスペシャルアルバム『; [Semicolon]』に収録された年齢順ユニットの初披露に続く。
兄チームのエスクプス、ジョンハン、ジョシュアは、ジャズ、ヒップホップ、R&Bを組み合わせたシンセサウンドが魅力的な「AH! LOVE」。ジョンハンがバーテンダーとして働くショーパブのステージにジョシュア立ち、そこにエスクプスが客として現れるという設定で始まり、最後は3人がステージにあがってスタンドマイクで歌いあげる。ロングパートのボーカルに初挑戦したエスクプスの甘くて渋い歌声も新鮮な驚きで、ジェントルマンな3人によるスイートなステージに酔いしれた。
2番目は96年生まれのジュン、ホシ、ウォヌ、ウジによるラテンとボサノバのジャンルの曲「Light a Flame」。パープルやレッドのライトの中で、モノトーンのシャツの腕をまくり、腕時計に黒いパンツ姿でくねるように踊ると、床に寝そべったり、男性ダンサーと絡み合うような動きをしたりと、エモーショナルなパフォーマンスを。
97年生まれのディエイト、ミンギュ、ドギョムはレトロファンク・ジャンルの曲「HEY BUDDY」。寝坊したドギョムがベッドを飛び出し、ディエイトはスクーターに乗って、ミンギュはバスケットボールコートでダンスをしながら登場。ダンサーを率いてのダンス対決もあり、最後は誰がセンターでエンディングポーズをするかでもみ合いも。青春ミュージカルのような楽しく溌溂としたステージだった。
ラストは末っ子チームのスングァン、バーノン、ディノによるミニマルなヒップホップ曲「Do Re Mi」。公園のブランコに3人が並んでちょこんと腰かけて歌っているだけでもキュートなのに、途中からは3人の分身のような子役が登場。ボンボンイのぬいぐるみとたわむれたり、メンバーからマイクを奪って歌ったりと、自由すぎる子どもたちにメンバーも笑顔に。マンネズ+子どもという最強の組み合わせにコメント欄には「なんて尊い」「癒された」との声が寄せられた。
後半は楽曲とともにストーリーが進行
ここで、きらびやかな会場に迷い込んだメンバーの映像が。テーブルのクロスをはずしていくと花束やキャンドルが現れ、メンバーたちもいつのまにかドレスアップ。豪華な食事の前でグラスを交わし、パーティの始まりを予告した。
後半に向けては、セットリストにストーリーを持たせるSEVENTEENらしいステージの連続。
シックな色合いのカジュアルウェアを着た13人がスーパーマーケットを訪れると、ミンギュの「みんなパーティに必要なものだけ買うんだぞ」の掛け声で、「Snap Shoot」に合わせて買い物タイム。ダンスをしっかりと踊りながらも、ディノがウジをカートに乗せて運んだり、ウォヌがほうきをギターにして演奏したり、スングァンがフリーダンスを踊ったり、ディエイトがほうきに乗って飛び回ったりと、合間合間にあちこちでカワイイの渋滞が巻き起こる。
買い物を終えるとパーティ会場に行くために車を呼ぶエスクプス。大型車にわきゃわきゃと乗車すると「Left&Right」の音楽が流れてドライブが始まる。世界の名所のイラストが流れるスクリーンを背景に本当にドライブしているかのようにワクワクするステージを。
曲が終わってパーティ会場に到着した彼らは服を脱ぎ捨てて、黒に白のレースをあしらったクラシカルなセットアップで決めると、スイングジャズをベースにしたレトロサウンドの「HOME;RUN」でダンサーたちと大人数のダンスパーティを繰り広げた。最後は年齢順ユニットごとにカーテンコールを行い、ミュージカルのような華やかなでステージでCARATを大いに楽しませた。
ここで、これまでのステージを振り返ってのトークタイム。ホシは「これまで3つのユニットのステージもしたし、『; [Semicolon]』に収録されたミックスユニットのステージもお見せして、準備をしながらも楽しかったです」と話すと、ディノは「個人的に『HEY BUDDY』がとても楽しくて愛着がわきました」と絶賛。ドギョムも「僕は『Do Re Mi』が子どもたちと一緒にしたのがよかったです」と褒めると、スングァンは「子どもたちが歌うところがキラーパートです。バーノンの子役の子はずっと歌っていましたね」と話をふり、バーノンは「初めに練習に来た時から歌詞を覚えてきていたんですよ」とウラ話を明かした。
ジョンハンが「クプスさんはなにがよかったですか?」と尋ねると、エスクプスは「僕はジョンハンさんがいる『AH! LOVE』が好きです」と答えて2人で固い握手を。ジュンは「僕はジュンさんがいる『Light a Flame』です」と自画自賛すると、ミンギュも「衣装を見るとシンプルならではのかっこよさがあります。余白の美というのかな」と絶賛。97年チームの末っ子リーダーを自称するウジは「僕らのコンセプトはCARATが見たとおりです」と説明。すると兄チームのリーダージョシュアが「僕らのコンセプトは成熟したセクシーさ」とドヤ顔でコンセプトを明かした。
またパフォーマンスチームの「MOONWALKER」についてもホシが「新しい姿を見せたくて編曲して、新しい振付けも披露しました」と言及し、ディエイトは「練習しながら、すごく楽しくて、こんな気持ちは久しぶりでした」と興奮気味にトーク。
ドギョムは「ヒップホップチームもボーカルチームもアレンジを加えましたよね」と話すと、スングァンは「前にお見せしたことがあるステージなので、新しいステージを作るために準備しました」と常に高みを目指すSEVENTEENらしい発言で感動を呼んだ。さらに、ディエイトはダンサーとの共同作業に触れて「ご苦労様でした」とねぎらいの言葉をかけると、ドギョムも「今回のコンサートがうまくいったのは、ダンサーさんや演出さんなど、関わったすべての方々のおかげです」と感謝を伝えた。
その言葉を受けてホシが「僕らはただの石だったでしょう。でもみんなで力を合わせてダイヤモンドになったんです。CARATに会って磨かれて光った」と次の曲のネタバレを。
メンバーもCARATも知らされていなかったサプライズ
ラストの曲は、エスクプスの「僕らにとって意味が大きな曲。登場するときにオープニングからエンディングまで歌詞が思い浮ぶ曲」との曲紹介から「Shining Diamond」。ディエイトがささやくようなパートで前進し、ホシがセンターに君臨し、スングァンが高音をとどろかさせ、バーノンとディノのラップから、エスクプス、ウォヌ、ミンギュのラップに繋いでいくラストの盛り上がりは何度見ても鳥肌もの。彼らの原点であるこの曲で締めくくったことにも、初心を忘れない彼らの決意が感じられた。
ピンクとブルーのペンライトで照らされた客席が映し出されてアンコールを求める歓声が流れると、視聴中のCARATたちも「SEVENTEEN!! SEVENTEEN!!」と絶え間なくコメントを寄せる。その様子を見ると、広い会場をいつも満席にしていたCARATたちの笑顔が自然と思い出される。エンディングム―ビーでは、SEVENTEENの写真が飾られた写真展を訪れたメンバーたちの姿が映り、これまでの道のりを振り返るように、メンバーたちの大切さを確かめ合うように写真を見ていた彼らは集まって再び記念撮影を。
アンコールでは、ツアーグッズのトレーナーやパーカーを着て登場し、3段にせり上がったステージに上から年齢順に腰かけると「All My Love」を真心込めて歌い上げる。CARATに向けて語りかけるような歌詞が感動的で、最後の「守るよ 君のすべての日に」のパートでアップを映し出されたジョンハンは、カメラの向こうのCARATに向かって手を優しく差し伸べた。
曲が終わると、最後の挨拶に映ろうとするが、ここで歌声が流れだして目を丸くするメンバーたち。その歌声は世界中のCARATから寄せられたもので、曲は昨年5月に公開されたSEVENTEEN初のドキュメンタリー『HIT THE ROAD』で初公開された「Us Again」。スクリーンには過去のライブ写真が映し出されるサプライズに、メンバーはもちろん、実は歌声の用途を知らされていなかったCARATたちも驚きの声を上げた。
一緒に歌を口ずさむディエイトやウジ。スクリーンを見つめるミンギュ。涙をこらえて笑顔を見せるドギョム。ディエイトは「本当に美しいです」、ウォヌ「この曲のテーマが今ととても似合っていて、感動を受けました」と感想をつぶやいた。
ひとりずつ語った、CARATへの思い
ここでひとりずつ挨拶を。
ディノ 観客がいない場所で感想を言うのは初めてなので、とても寂しいです。CARATと目を合わせて交流したのが思い出になってしまったようで。コンサートで少しでも皆さんと近づきたい、楽しみたいと思って準備しました。健康に過ごして、また気分よく、よい思い出を作る、そんな日が来たらいいです。僕はいつでもカラットの前で踊って歌う歌手だから。
バーノン 今回、ステージ、ステージすべてを満足するように準備ができたから、もっと惜しい気持ちです。皆さんに直接お会いできないことが…。もうちょっと力を出して、1日でも早くお互いに向かい合って公演ができる日が来たらいいです。それまで健康で過ごしてください。
スングァン 去年の今頃は米国ツアーをしたと記憶していますが、今の状況を想像もしていなかったです。だから僕もメンバーも受けとめるのが大変でした。ツアーや公演で少し疲れていた自分が恥ずかしくもあり、反省もしました。CARATに会えることが当然だと思っていたんだなと。いろんなことに感謝する機会を今一度与えてくれたのかなと思います。だから寂しいとばかり言いたくないです。また必ず会えますからね、ファイト!!
ドギョム まず、きれいな歌のプレゼントをありがとうございます。聴いている間、CARATが本当にいるようでした。公演をしている間もカラットに会いたくて、会えないことに慣れてしまうのが悔しくて寂しいです。でも、そんな中でも皆さんにいい姿を見せようと頑張っています。皆さんもその姿を見て力になってくれたらうれしいです。また会える日が必ず来ますので、健康に過ごしてください。愛しています。
ミンギュ 昨日の夜、もしコンサートにCARATが来られるならどうだろうと想像をしてみたのですが、オープニングから足の力が抜けてしまいそうだと思いました。その前には当然のことに思っていたことを、当然だと思っていたことが恥ずかしいです。それだけ切実に会いたくて、このようにオンラインでも会えることに感謝しています。さっき、メンバー13人の後ろ姿の写真を見て、後ろ姿でも幸せに見えました。つらいぶんだけみんながお互い力になって支え合い、またいつか当然だったけど今では夢のようなその日がくることを願っています。
ディエイト さっき皆さんの歌を聴きながら客席を見ていました。本来は皆さんが座っている場所だから気分が変です。こんな経験を通じて、もう一度僕らの関係がどれほど大切であることを感じたし、多くの感情を感じました。でも、現実は変えることができないじゃないですか。強くならなくてはいけないし、なにか喜びを探さなければいけないので、その喜びがSEVENTEENを通じて与えられたらうれしいです。今の僕が願うのはただ1つ、健康に過ごすこと。健康ならすべてのことは叶うと思います。
ジュン メインステージからサブステージに移動して歌った時、急にCARATが客席にいる思い出がたくさん浮かんできたんです。当時はCARATを目の前に楽しくしていたのに。でも幸いオンラインででもお見せすることができてよかったです。それからさっきCARATの歌を聴いて「AdoreU」のステージ写真を見ながら思ったのですが、いつも周囲の人を大切にして、皆さんを大切にして、瞬間瞬間を大切にしてこれからも頑張っていきます。
ホシ 去年CARATのために多くのことを準備してワクワクしていたのに、想像もつかないことが起きて準備してきたことを見せられなくなりました。こんなに長い時間CARATと会えなくなるとは思わなかったです。ステージがすべての僕らには、とてもつらい時間でした。でもつらい時間ばかりの中でCARATのことを思い出すんです。ライブ動画を見て歓声を聴いて立ち直ることができました。多くのことを悟って成長し、カラットに感謝する気持ちが大きくなる時期でした。2021年はよりよい姿、かっこいいパフォーマンス、いい歌で必ず恩返しします。
ウォヌ 音楽を始めて、セブチのメンバーになって、音楽とパフォーマンスを準備して皆さんにお見せしてきましたが、直接お見せできないのが僕にとってもそうだし、メンバーにもとっても悔しくて、とてもつらい時期でした。僕らが当然だと思っていたことが当然じゃないことが分かって、感謝する瞬間だったようです。CARATにまた会える日まで頑張るので期待してください。
ウジ 1年半前はソウルを皮切りにツアーをしていましたよね。仕事が歌手である僕らには当然なこと、CARATの皆さんに会うのが当然だと思っていたので、悔しい気持ちだけが大きくなります。否定的な話はしたくないのですが、いくら肯定的に考えようとしても、みんながつらいの事実じゃないですか。CARATたちといつも呼吸を合わせて歩んできた僕らなので、大切さやいろんな感情を感じるようです。
でも、変わらないことはCARATの存在は消えないこと、僕らも消えないこと。今は離れていても必ず会える日が来ます。最後に言いたいのは、CARATたち、ウアヘ。
ジョシュア 1年半前は皆さんが目の前にいたでしょう。そういう思い出が鮮明に思い浮かびます。寂しくもありますが、今日はそういう光景を想像しながらやったようです。家で皆さんが応援してくれて、歌を一緒に歌ってくれて、愛らしい眼差しで僕らを見つめている姿を想像してやったので力になりました。もしこの状況で家族たちにあまり会えない人たちがいたら、僕もそうなんですけど、ミョンホ(ディエイト)やジュンもそうだし、家族と会えない人たちがいたら、僕らを通じて幸せを感じてくださったらうれしいです。皆さんの力になりたいです。ホンランヘ。
ジョンハン 僕もミンギュみたいに昨日シャワーをしながら考えたんです。ワールドツアーのことを思い出しながら明日はどうなるか考えました。今日、最初はCARATがいないから気まずくて恥ずかしかったのですが、しているうちに楽しくなりました。でも、本来ならここでCARATが歓声をあげてくれるのにってやっぱり思ってしまって、寂しいし残念だけど、今はこれが最善の方法なので、意味がある時間だったと思います。そしてさっき「Us Again」を聴きながら、13人で一生懸命やってきたなとチームを振り返る時間になりました。1日も早く状況が良くなって、みんなで集まれる時間が来る日を願っています。ハニヘ。
エスクプス 昨年は僕らがいろんな経験をして、いろいろなことを考えた1年だったと思います。その中で、ひとつ言いたいのは、誰かを応援して、愛する心はとても素晴らしく大切な気持ちですが、その対象がアイドルというだけで否定的な視線を受けることもあるようです。でも否定的な視線を肯定的に変えることができるのがSEVENTEENだと思います。だからその宿題を今年、僕らで解いていきたいと思います。絶えず成長して、もっと有名でかっこいいアイドルにならければいけないと思っています。そのためにもっと努力するSEVENTEEN、エスクプスになります。
お約束のダブルアンコール
最後はスタッフやダンサー、事務所、家族、メンバー同士をねぎらって13人で輪を作る。その光景を上空のカメラが映し出すと、エスクプスの「ディノ、上になにがあるの?」ディノ「あの太陽のうえに My my my my Let’s go」との曲フリから「My My」へ。急がずに一歩ずつゆっくり自分の道を進もうというメッセージを込めた明るく爽やかな曲で、メンバーが作った波の中をスングァンが進んでいくパフォーマンスでは、運び役のドギョムとバーノンが重たそうな表情をして笑いを誘った。
曲が終わると、いつの間にかステージの真ん中には小さなキャンプファイヤーが。「CARATとオンラインキャンプファイヤーをしようか~」との掛け声で始まった曲はもちろん「Campfire」。火を囲んで座ったメンバーたちは、隣のメンバーとわきゃわきゃ。ジョンハンがディノの手をとり、ジョシュアはドギョムの肩を引き寄せる。「僕の隣にいる君」の歌詞ではスングァンが、両隣のバーノンとエスクプスを順番に指差し、エスクプスは嬉しそうにハグでお返し。ドギョムがディエイトをおんぶ…など、書ききれないほどメンバーの同士のケミが大発生。最後はCARATに向けて「ホンランヘ」「チョアヘ」「ホランヘ」「サランヘ」と愛の言葉を連発すると、1列になって手をつなぎ深々と挨拶してステージからはけていった。
ところが「みんなお疲れ様」「涙が出たよ」「今日CARATとオンラインで会えてヒーリングだったわ」とバッグステージでの会話が流れ、「え?ヒーリングだって?」「ヒーリング!! Let’s go!!」との掛け声で、メンバーが「Healing」を歌いながら再登場。もはやサプライズにもなっていないSEVENTEENお約束のダブルアンコールが始まり、コメント欄には「このままいくわけないよね」「いつもどおりで爆笑」と笑顔のコメントが殺到。全員揃ってピョンヒョン飛び跳ねたり、ウジのパートでドギョムとジョシュアがからみついていたずらしたりと大はしゃぎ。最後は紙吹雪が舞う中でエスクプスがムービーを回し、その周りを全員が飛び回るという光景で締めくくられ、SEVENTEENのいる世界は平和で美しいとほっこり。そして最後の最後まで「キンランヘ」「セランヘ」「ロンランヘじゃない?」とCARATの呼び方で討論が行われ、ホシの「SEVENTEENがCARATを愛しているからセランヘじゃない?」との結論で「CARAT! セランヘ」と挨拶をして、今度こそステージを後にした。
CARATに会えない寂しさや葛藤をすべてぶつけるように、そしてなによりもCARATを笑顔にするように入念に準備した渾身のステージ。オンラインならではの特性を生かし、メリハリのあるステージ構成で全21曲、約3時間があっという間に感じられた。初披露曲6曲、既存曲はすべてアレンジし、同じステージは2度はやらないといわんばかりのハイレベルを常に目指し実現しているSEVENTEEN。彼らの最上級のステージをCARATが生で見る日が1日でも早く来ることを願うばかりだ。
2021 SEVENTEEN ONLINE CONCERT
2021年1月23日(土) セットリスト
M1-1. New World
M1-2. BRING IT
M1-3. My I
M1-4. Flower + Fear INTRO
M1-5. INTRO + Fear
M2. Fearless
M3. INTRO + Fallin' Flower
M4. THANKS
M5. Lie Again
M6. Interlude + Kidult
M7. Back it up
M8. Habit
M9. MOONWALKER
M10. INTRO + AH! LOVE
M11. Light a Flame
M12. HEY BUDDY
M13. Do Re Mi
M14. Snap Shoot
M15. Left & Right
M16. HOME;RUN
M17. Shining Diamond
M18. All My Love
M19. My My
M20. Campfire
M21. Healing
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