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May’n&中島愛、『マクロスF』記念ソングで10年越しの共演 「Good job!」MVでの“再会”紐解く

音楽

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リアルサウンド

 『マクロスF』10周年記念シングル「Good job!」のフルサイズMVが、9月26日から30日までの期間限定で公開された。

参考:OxTと考える、2人とアニソンを取り囲む“壁”の正体 「業界自体を一度リブートした方がいい」

 テレビアニメ『マクロスF』(2008年)は、『超時空要塞マクロス』(1982年)からスタートした“マクロスシリーズ”の25周年記念作品。『超時空要塞マクロス』で描かれた世界から約50年後、2059年の銀河を舞台に、主人公・早乙女 アルトと、シェリル・ノーム、ランカ・リーという対照的な2人のヒロインシンガーが織りなす恋愛ドラマ、そして人類と謎の地球外生命体の戦いを描くSFロボットファンタジーだ。今年でテレビ放送から10周年を迎え、シェリル・ノームの歌唱担当を務めたMay’nとランカ・リー役の中島愛が出演する「Good job!」のMVが公開。テレビ放送や映画公開時には実現されなかった共演なだけに、『マクロスF』ファンから大きな注目を集めている。

 初期シリーズから、重厚なストーリーとあわせて、物語の要となる“歌”も高い人気を誇るマクロスシリーズ。アニソンや“マクロスシリーズ”に造詣の深い音楽ライターの流星さとる氏は、『マクロスF』のアニメとしての重要性を次のように説明する。

「『マクロス』は主題歌や劇中歌が長く愛され続けるシリーズ。その中でも『マクロスF』は関連する音楽作品が常にオリコンランキングの上位を記録するなど、アニメと音楽の両方で商業的にも成功した作品です。『マクロスF』放送前にも音楽に注目が集まる作品はありましたが、同作は音楽×アニメの関係性を一歩進めた印象がありますね。例えば『けいおん!』(2009年)や『Angel Beats!』(2010年)など、音楽が象徴的なアニメの流れを作ったのも『マクロスF』の成功が残した功績と言えますし、音楽作家の神前暁さん(MONACA)も同作からの影響を公言するなど、その当時アニメやアニソン分野において種を蒔いた作品と言えるのではないでしょうか」

 「Good job!」には、劇中で2059年に行われた最終決戦の前、銀河アルバイト情報誌「宇宙(スペース)アルバイター」のCMソングとしてレコーディングされた、という設定が設けられている。作曲と編曲は、「星間飛行」や「ライオン」といった『マクロスF』楽曲を手掛けた菅野よう子が担当している。(作詞はRobin Robinson)。

「May’nさんと中島愛さんの歌声の相性の良さは、アニメ放送当時からファンの間でも話題でした。「Good job!」には、二人の高音のハーモニーを活かすところは踏襲しつつ、いわゆる“CMソング”として作られたゆえの華やかさがあります。ランカ・リーの劇中CM曲を収録したアルバム『CMランカ』にも近い雰囲気を感じますね。歌自体にも独特な節回しが多々見られ、一般的には難易度の高い歌だと思うのですが、それをサラっと歌えてしまう二人のコンビネーションは流石。また、劇中で使われていた曲は戦闘にあわせて勇ましい曲調や歌詞が多かったのですが、同曲からはアナザーストーリーのような、本編とは異なる二人の魅力が感じられます。劇中では恋のライバルとして重たい描写も多かったため、MVの楽しげに談笑している姿はファンにとっても嬉しいポイントでしょう」

 また、MVの演出や歌詞にも作品への愛が散りばめられているという。

「二人の背景や小物にそれぞれのキャラクターのイメージカラーであるピンク(シェリル)とグリーン(ランカ)が使われているほか、「宇宙(スペース)アルバイター」のCMソングという設定など、『マクロスF』の世界観を尊重しているところからも作品に対する愛が感じられます。また、歌詞にある〈目と目と目が合ったとき ここにいる感じてる〉、〈手と手と手が触れたとき こころが羽ばたきだす〉といったフレーズからは、シェリルとランカ、そしてアルトの存在を感じることができます。劇中では三角関係の3人ですが、今回は友情的な視点から3人の繋がりを描写しているのが魅力的に映りますね」

 10周年記念企画として、2011年に公開された映画『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』が11月9日よりMX4Dで上映されるなど、今後も盛り上がりを見せる『マクロスF』。さらに、2019年6月にはシリーズをクロスオーバーするライブイベント『MACROSS CROSSOVER LIVE 2019』が開催されるなど、今年から来年に掛けて“マクロスシリーズ”がさらに注目を集めていきそうだ。(泉夏音)