第72回読売文学賞に岡田利規「未練の幽霊と怪物 挫波 / 敦賀」
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岡田利規の戯曲「未練の幽霊と怪物 挫波 / 敦賀」(白水社)が、第72回読売文学賞の戯曲・シナリオ賞に選ばれた。
本作は、岡田が能をモチーフに創作した、ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品「NO THEATER」の“進化版”。建築家ザハ・ハディドをシテにした「挫波」、高速増殖炉もんじゅを巡る「敦賀」の2作品が、霊的な存在が思いを語る“夢幻能”の構造を用いて描かれている。
本作は昨年6・7月に劇場で上演される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で公演中止に。劇場公演に代わり、「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」と題したリーディングが6月27・28日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場のYouTubeチャンネルで配信された。
小説、戯曲・シナリオ、随筆・紀行、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳の全6部門からなる読売文学賞は、戦後の文芸復興の一助とするため、1949年度に創設された総合文学賞。第72回の受賞作には「未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀」のほか、中村哲郎「評話集 勘三郎の死」、井上隆史「暴流の人 三島由紀夫」、坪井秀人「二十世紀日本語詩を思い出す」、池田澄子の句集「此処ここ」、角田光代訳「源氏物語」といった作品が選ばれた。
第72回読売文学賞
戯曲・シナリオ賞
岡田利規「未練の幽霊と怪物 挫波 / 敦賀」(白水社)
随筆・紀行賞
中村哲郎「評話集 勘三郎の死」(中央公論新社)
評論・伝記賞
井上隆史「暴流の人 三島由紀夫」(平凡社)
坪井秀人「二十世紀日本語詩を思い出す」(思潮社)
詩歌俳句賞
池田澄子 句集「此処」(朔出版)
研究・翻訳賞
角田光代訳「源氏物語」全3巻(河出書房新社)
※小説賞は該当作なし。