モトーラ世理奈と奥平大兼がキネマ旬報新人賞に、表彰式で今後を語る
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モトーラ世理奈
「2020年 第94回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月4日、東京・Bunkamura オーチャードホールで開催され、新人女優賞のモトーラ世理奈、新人男優賞の奥平大兼が登壇した。
モトーラは、諏訪敦彦が監督を務めた主演作「風の電話」での演技が評価されて受賞。マイクの前に立ったハル役のモトーラは、諏訪や出演作「タイトル、拒絶」の監督を務めた山田佳奈への感謝を口にしながら「これからもたくさんの素晴らしい方たちと出会いたい」と意欲を述べた。
震災により亡くなった母と電話で話すクライマックスの撮影は即興で挑んだといい、「撮影自体もクライマックスだったんですが、諏訪監督が『自分の思うままにやっていいよ』と言ってくださって。電話ボックスの中で感じた言葉を話したところ、監督に『どうだった?』と聞かれたんです。私が『よかったと思います』と言ったら、監督がOKを出してくださいました」と振り返る。МCの笠井信輔が「このシーンに不安はなかった?」と問うと、モトーラは「撮影が始まってからずっと不安だったんですが、監督に相談したら『そのシーンの言葉はハルが旅を終えたときに出る言葉だから』と言ってくださったので、今は考えなくていいや、と楽になりました」とはにかんだ。
「MOTHER マザー」で長澤まさみ演じる主人公の息子・周平を演じた奥平。映画デビューを飾った同作での受賞について「多くの方に観てもらえて、このように評価してもらえることがうれしい。本当にありがとうございます」と笑顔を浮かべる。続けて「初めての現場、初めての演技で、大森立嗣監督やスタッフの皆さんにご迷惑をかけたこともあったかもしれません。でも皆さんすごく優しくて、気付けば僕の人生の中でも濃い1カ月でした。今後も皆様の期待に応えられるよう精進しますので、今後ともよろしくお願いします」と姿勢を正した。
笠井が「自分の演技のどこが評価されたと考えていますか?」と問いかけると、奥平は「作品を自分でも観ましたが、ダメだった部分しか見えませんでした。まだ演技経験も全然ないので、自分の得意なことや苦手なことを見つけていきたいです」と意気込む。撮影当時は16歳であり「母親と話さないこともあった」と振り返るが、本作を通じて家族に対する考え方が変わったと語る。奥平は「こういう形で親孝行ができてよかったなと思います」と満面の笑みを浮かべた。
「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。なお映画ナタリーでは表彰式の模様を引き続きレポートする。