燐光群「草の家」開幕、作者の守安久二子「“ふるさと”へ流れていけますように」
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燐光群「草の家」より。(撮影:姫田蘭)
燐光群「草の家」が、昨日2月5日に東京のザ・スズナリで開幕した。
守安久二子の「草の家」は、愛媛県東温市で行われた「アートヴィレッジTOON戯曲賞2018」で大賞と観客賞を受賞した作品。今回は、同賞で審査員を務めた坂手洋二が演出を手がける。舞台は、旧商家の門構えのまま残る藤井計機商店、通称・はかりや。家を継いだ4人兄弟の長男・悟志の3回忌を迎える初夏、家を支えていた悟志の妻・陽は病に倒れ、老母・芳を残して入院する。この家のバランスは陽によって保たれていたが、彼女の病気によって均衡が崩れていき……。
開幕に際し、守安は「『ふるさと』を思う人が多く暮らす東京で『草の家』が上演されることはとても大きな喜びです。文字の並びが人に拾われ、立ち上がり、空間を広げ、風を起こす。自分の戯曲が、演劇として初めて姿を現した時、そんな印象を持ちました。どうか『草の家』に吹く風がすこしでも遠くへ『ふるさと』へ流れていけますように……」とコメントしている。
公演は2月18日まで。なお終演後には坂手とゲストによるトークが行われ、登壇者には愛媛のシアターねこ代表・鈴木美恵子、守安、政治学者の山口二郎、編集制作者の豊田勇二、ふじたあさやが名を連ねている。
守安久二子コメント
東京で生まれ育った私は、「ふるさと」がもつ甘美なイメージに強い憧れがあります。
「ふるさと」を思う人が多く暮らす東京で「草の家」が上演されることはとても大きな喜びです。
文字の並びが人に拾われ、立ち上がり、空間を広げ、風を起こす。自分の戯曲が、演劇として初めて姿を現した時、そんな印象を持ちました。
どうか「草の家」に吹く風がすこしでも遠くへ「ふるさと」へ流れていけますように……。
燐光群「草の家」
2021年2月5日(金)~18日(木)
東京都 ザ・スズナリ
作:守安久二子
演出:坂手洋二
出演:間宮啓行、円城寺あや、さとうこうじ、鴨川てんし、川中健次郎、猪熊恒和、大西孝洋、樋尾麻衣子、山村茉梨乃、町田敬介
アフタートークゲスト
2月11日(木)18:00開演回:鈴木美恵子、守安久二子
2月12日(金)14:00開演回:山口二郎
2月13日(土)18:00開演回:守安久二子
2月14日(日)14:00開演回:豊田勇二、守安久二子
2月16日(火)14:00開演回:ふじたあさや