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麒麟丸はなぜ虹色真珠を奪わなかった? 『半妖の夜叉姫』父・殺生丸の真意とは

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リアルサウンド

 高橋留美子原作のアニメ『犬夜叉』シリーズのスタッフが再集結し、次世代の物語を紡ぐ『半妖の夜叉姫』(読売テレビ・日本テレビ系)。2月6日に放送された第18話「殺生丸と麒麟丸」では、とわ(松本沙羅)とせつな(小松未可子)がついに父・殺生丸(成田剣)と対面した。

 前回、四凶の渾沌(安元洋貴)による方術で八陣遁甲の陣に取り込まれるも、妖気の流れを嗅ぎ取り抜け出すことに成功したとわとせつな。そこに渾沌が現れ、2人は協力しながら技を駆使して戦う。一方、とわたちとはぐれたもろは(田所あずさ)は残された四凶の一人、饕餮(白熊寛嗣)に襲われ絶体絶命のピンチに。だが、渾沌を倒したとわとせつなが合流し、勝てないとみるや饕餮はその場から逃げ出してしまう。

 そもそも、とわたち3人がこうして四凶と対峙している目的はそれぞれ異なる。せつなは妖怪退治屋に参加しており、もろはは賞金稼ぎ。2人には四凶を退治する理由があるも、とわの目的は彼女たちと共に行動し、せつなから眠りを奪った“夢の胡蝶”を見つける手がかりを得ること。危険を冒してまで四凶を倒す必要はなかったが、どうやら四凶を束ねる獣王・麒麟丸(細谷佳正)は夢の胡蝶に関係しているようだ。

 3人が饕餮を追いかけた先にいたのは、その麒麟丸。とわが夢の胡蝶について尋ねると、麒麟丸は「わしを殺せば、夢の胡蝶は消える」と語る。その言葉を聞き、とわは交戦することなく夢の胡蝶を消してほしいと頼むが、麒麟丸は聞く耳を持たない。彼は、かつて消滅した四魂の玉から放たれた「人間でも妖怪でもない、時空を超える存在から滅ぼされる」という予言を警戒しているため、半妖のとわとせつな、そして四半妖のもろはの力を試そうと戦いを挑んでくる。

 これまで順調に並大抵ではない強さを持つ四凶を倒してきたが、西を治めていた犬夜叉の父・犬の大将と並び、東を治めていた大妖怪である麒麟丸の前では全く歯が立たない3人。技を使わずとも、とわたちをいとも簡単に吹き飛ばす姿に麒麟丸の強さが伺える。そして、彼女たちにとどめを刺そうとした瞬間、空から一本の剣が。それはとわとせつなの父である殺生丸の爆砕牙だった。

 3人がとわがいた現代から戦国時代に戻ってきた時、時代樹の精霊(日高のり子)は彼女たちに「殺生丸は麒麟丸と同じ道を歩んでいる」と言っていた。しかし、麒麟丸の妹・是露(坂本真綾)が生まれたばかりのとわとせつなの命を狙った時も、2人を結界に封じ込めることで守っており、その真意は見えない。今回も成長した娘たちに何も語ることはなく、「まだわしのために働いてもらうぞ」という麒麟丸の命令に従い、その場を去ってしまった。

 気になるのは、麒麟丸がとわたちから虹色真珠を奪わなかったこと。彼と繋がりのある理玖(福山潤)は以前、麒麟丸から夜叉姫の持つ虹色真珠を奪い取れと命令されたと語っていた。だが、いくらでも奪うチャンスがあったにもかかわらず、麒麟丸本人がそうしなかったということは理玖が虹色真珠を集めている理由は別のところにありそうだ。そして、虹色真珠は全て集めてはならず、是露がばらまいたという渾沌の言葉。7つの虹色真珠を集めることが、麒麟丸を倒すことにも繋がるのかもしれない。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30~放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子 
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime