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「こち亀」中川は壊れるとヤバい! 全裸モノマネから拳銃乱射まで、失態を振り返る

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リアルサウンド

 財閥の息子でありながら警察官となり、両津勘吉の相棒として長年コンビを組んだ中川圭一。当初は問題児だったものの、回を重ねるごとに冷静で気配りのできる常識人として、両津をなだめることが多くなり、好青年キャラが定着した。

 そんな中川だが、突如キャラが壊れ、両津さえもドン引きする行動に出ることがあった。本稿では改めて、中川の「壊れ回」を見てみよう。

局部を振り回して壊れる

 両津、ボルボ、本田など、署のメンバーと銭湯に行くことになった中川。当然のように局部をタオルで隠し、浴槽に入ろうとする。そんな中川に対し、先に浴槽に入っていた両津は、「中川、前を隠すなよ」と注意を与え、ボルボも「そうだよ、まったく」と憤る。「えっ?」と不思議そうにする中川に、「男同士なんだから隠す必要ないだろ」と両津。

 さらに両津は「取っちゃえよ、こんなの」と言って、タオルを取ろうとするが、中川は拒否。ボルボは「隠すから余計気になるんだ」と話し、両津も「そうだよ、とんでもないものがついていると思うだろ」と憤る。

 そして「手ぬぐいってのは、肩にかけて、前を堂々と見せてはいるべきだ」と指導し、タオルを取ろうとする両津。しかし、中川は「無理に引っ張らないで」と譲らない。両津は「そこまで強硬となると物凄い形をしていると思うぞ」と話す。

 頑なにタオルを取らない中川に両津は後ろに回ってタオルを取り上げると、壁の向こう側にある女風呂へ投げ捨てる。それでも隠そうとする中川を両津は羽交い締めにし、ボルボが「モノ」を確認する。表情を変えないボルボは「普通のものだ」とポツリ。両津は「般若の入れ墨でもしてあるのかと思ったよ。普通のもので騒ぎやがって」と怒る。

 さらに本田が局部を隠さず入ってくると、「本田は下町育ちだから隠さない」「中川は下町を馬鹿にして、隠して入るんだよ。小市民なんかに自分のを見せてたまるかと」と指摘。そして両津は子供の頃の行動として、局部を回転させる、横にゆすったうえで、浴槽に入るよう命令する。

 やけくその中川は、局部を見せ「ハロー」と回転させ、「一番風呂最高」と横に揺すってみせた。そんな様子に両津は「動きがいい」と絶賛し、「吹っ切れたな中川くん。これで君も下町の仲間入りだ」と褒めた(106巻)

 冷静沈着な中川が局部を露出し、振り回す。かなり、衝撃的な光景だった。

全裸でナマケモノに

 秋の旅行会を開くことになった新葛飾署。中川は麗子から、行き先が男女で異なり、男性のみ予算1人100円の熱海旅行であることを告げられると卒倒してしまう。

 不安を覚えた中川は、幹事の両津に食べ物を缶詰にするよう交渉するが、1人あたり3円の刺し身の盛り合わせ、素泊まりで62円のホテルに宿泊することが決まったと告げられる。説得しようとする中川だったが、ネットで検索中の両津に「うるせえ」と怒鳴られ、覚悟を決めた。

 当日、謎の豪華バスで、出どころ不明の日本酒を飲みながら熱海に向かった一行。中川は不安から酒を飲みすぎて酔っ払ってしまい、ホテルに到着。理由は明かされなかったが、中川が確認するとたしかに宿泊費は1人62円だった。一行が部屋に入ると、祈祷師が訪れ、謎のお祓い。さらに両津は清めの塩を撒く。

 さらに両津は中川と本田に「444号室」に泊まるよう案内する。その部屋はいわくつきで、壁に御札が貼られており、女将が「何かあったら数珠を持って悪霊退散と叫んでほしい」と頼む、かなり不気味な部屋だった。

 「遊園地のお化け屋敷より怖い」と叫ぶ本田に、中川は「酔って全てを忘れたい」と言い残し、夕食へ。出された料理は予算3円にもかかわらず、フグや松茸、キャビアなど上物ばかり。中川は本田に「手を付けないほうがいい」と忠告するが、一行は全く気にせず食べる。

 そんな様子を見てパニックになった中川は「全部食べてやる」と壊れ、「不安を消すため早く酔うぞ」とワインをラッパ飲み。両津が「ワケアリのワイン」と持ってきたロマネコンティも「綺麗事なんか言ってられない」とラッパ飲みする。

 酔った中川は新人警察官が裸芸をしている様子を見ると、「こら、新人。甘いぞ。裸など芸じゃない。裸から何をやるかが芸だろ」と立腹。止める両津を投げ飛ばすと裸になり、天井にしがみついて動き回り「働き者のナマケモノじゃ~」と叫んだ。

 数日後、署で話す両津と本田、そして麗子と中川。中川は「全然記憶がなくて…」と頭を抱える。麗子は「裸でホテルを5時間走り回ったんだって」と呆れ気味。本田は「あれ以来悪霊が出なくなったそうです」両津も「中川がお祓いしたんじゃないの」と話した。(150巻)

 1人100円の予算にもかかわらず正体不明の高級品が出続けることに壊れてしまった中川。当然といえば当然なのだが、その壊れぶりは両津をも驚かせるものだった。

両津を角刈り呼ばわりしてキレる

 両津の3月3日の誕生日にローリンクルストトンズのコンサート、「先輩のあの人に会いたい人No1」ロバート李監督との対談、東京ドームのライブステージで若い女性のエキストラに超一流のバックバンドを従えて歌う、夕食にトッププロの美食会など、晴れの舞台を用意した中川。

 麗子に豪華な誕生イベントを用意した理由を聞かれ、「先輩が突然いなくなる夢を見てね。短すぎるけど、もっと大切にしなければいけないと思ったんだ」と説明。そして中川は3年前から企画し、やっと舞台やアーティストのスケジュールが合ったのだと話す。舞台を揃えた中川は、麗子から両津が1日前に大阪へ結婚式にでかけたことを告げられ、「なんで前日に大阪に行くんだよ」と頭を抱える。さらに「新幹線が止まるかもしれない。雪や地震に物凄く弱い」と取り乱し、大阪からのヘリコプターを用意させる。

 不安が拭い去れない中川は高速バスとバイクも手配。そんな中川をよそに結婚式を終えた両津は、博多行の新幹線に乗り込み居眠りしてしまい、東京ではなく博多駅に行ってしまう。東京着の新幹線に両津が乗っていないことを電話で告げられた中川は受話器を投げ捨て、「スケジュールを押さえるのはミュージシャンではなく先輩だった」と嘆き、教訓として書き留め、「身体にGPSを埋め込んでおけばよかった」と怒る。

 両津は鹿児島中央駅に行ってしまい、中川は行方がつかめず。誕生イベントを中止するわけには行かないだけに、「信頼の問題だ。二度と手に入らない」と話し、「どこにいるんだよ角刈り。3年間の苦労がパアになるだろうが」と両津を角刈り呼ばわりして取り乱した。

 結局両津は誕生日当日も鹿児島から東京に戻る飛行機にトラブルが発生してしまい、帰京できず。誕生イベントには代理の「角刈り」が参加し、両津が東京に戻ってきたのは4日だった。怒りが頂点に達したであろう中川は、「あの日の記憶が殆どない」と、苦笑いを浮かべた。(193巻)

 両津への想いを込めた誕生日イベントを3年前から用意したにもかかわらず、本人がどこかへ行ってしまい取り乱した中川。その気持ちは十分理解できるが、かなり強烈なものだった。

拳銃乱射

 大阪府警通天閣署別館に異動になった中川。御堂春に迎えられ、上機嫌の中川は徐々に通天閣署別館に染まっていく。酒で祝う習慣のある通天閣署別館で毎日のように安酒を飲まされた中川はすっかり人が変わる。両津曰く、「安酒に耐性がない」とのことで、人が変わってしまったのだ。

 振り込め詐欺集団の摘発に向かうことになると、44マグナムに口に入れた酒を吹きかけ、「黙っちゃいねえぜ」と、拳銃を持ったままアジトに向かう中川。振り込め詐欺集団のビルに入ると「令状を見せろ」と言われるが、中川は「通天閣署はナニワのワイルド7と言われてるんじゃ。いちいち令状なんか持ってくるか、ボケ」と強行突破する。

 さらに銃撃戦でもマムシトカゲ酒を飲み、ボスから「警官が酒飲んでる」と注意されると「やかましい。俺は注意されるのが大嫌いなんだ」と激怒し、銃口を突きつけ、殺そうとする。中川の常軌を逸した迫力に、詐欺集団のボスはすべてを白状した。その後東京に帰ってきた中川は、すっかり元の人間に。「中川すごかったなお前」と驚く両津に中川は「通天閣署の記憶がまったくない」と話した。(200巻)

 元々拳銃好きの中川ではあったが、通天閣署の安酒に自分を失い、まるでギャングのようになってしまった。その壊れぶりは凄まじいものがあった。

中川の壊れ回にハズレなし?

 普段は冷静な中川が壊れる回は、その意外性と破茶滅茶ぶりが凄まじいものになっている。是非、読み返してチェックしてみてほしい。