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堂本光一率いる『Endless SHOCK』、映画版ならではの楽しみ方 物語への理解を深める機会に

音楽

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リアルサウンド

 堂本光一が作・構成・演出・主演を務める舞台『Endless SHOCK -Eternal-』が2月4日から帝国劇場で開幕した。また2月1日からは映画『Endless SHOCK』が2週間限定で全国82カ所の映画館で上映されている。

 『Endless SHOCK -Eternal-』は、『Endless SHOCK』のスピンオフ作品で、本編の3年後の世界を描いた。2019年9月には大阪・梅田芸術劇場で上演されたほか、ネット配信も行われた。

 前出の舞台の記者会見では、堂本が映画の上映について昨年の大阪公演中に思いついたと明かし、共演の上田竜也(KAT-TUN)は舞台作品の映画化を実現した堂本について「ジャニーさんの申し子みたい」とそのアイデアを称賛していた。

 堂本が2000年から帝国劇場を中心に続けてきた同シリーズ。昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月28日から帝国劇場での公演を中止した。ほどなくして、公式Instagramにて堂本をはじめとするキャストが顔をみせ、ライブ配信を行ったほか、3月22日には帝国劇場史上初となるインスタライブを行い、舞台の演目を配信した。また音楽番組でも演目の一部を披露し、これまで舞台作品に触れたことがない層にもお披露目された。

 一連の流れは、劇中でも描かれている「Show must go on」そのものであり、アイデアを実現させる実行力やディレクション力に、「作・構成・演出・主演」の文字が並ぶ凄みを改めて感じた。映画『Endless SHOCK』は、堂本が舞台を初めて観る人も楽しめるようにと語っていたが、その言葉通り、本編の内容が伝わる作品だった。

 映画は無観客の劇場で、カメラ16台、ドローン1機を用いて撮影されたという。カメラの数が物語っているように、出演者にフォーカスし、様々なアングルから捉えられていた。劇場では座席によってある程度、視点が固定される。同作品では、舞台の上手・下手からの映像、セリフを言う人物の表情も、正面に加えて、やや上、反対にやや下から捉えたり、全体を映す引きの映像があったりと、シーンに合わせたカメラワークによって物語が形作られていく側面も。スクリーンならではの切り取り方がなされていた。

 セリフを語る人物を単体でフォーカスしたり、語る人物の先にもう一人の姿が映し出されることで、二人の関係性、状況がありありと伝わってきた。また、ジャケットを脱ぎ、リボンタイをほどいてシャツのボタンを開ける……そんな細かな仕草が映し出され、重なっていくことで、セリフやパフォーマンスではない部分からも心情や状況が伝わってきた。

 舞台でも注目を浴びる22段の階段落ちのシーンも、それぞれの表情にフォーカスすることで胸に突き刺さるような勢い迫るものがあり、ハーネスを使わない自力のフライングも、ライティングやカメラで捉えたアングルによって一層華々しさを増していた。

 当然ながら、劇場では息づかい、足音など動きによる音、キャストから感じる熱気や興奮と、生で観るからこその迫力がある。また、自分が観たい部分を観ることができるのも舞台の魅力の一つではあるが、映画版は細部にフォーカスがあたり、細かな部分がよく見えることで劇場とはまた違った没入感が生まれていた。カメラワークに委ねることで、物語への理解をさらに深める機会となった。

 ただ、やはりこの感動を劇場で、キャスト陣に拍手で伝えたい! という衝動に駆られたのは正直な感想だ。静かに会場を後にする寂しさがあった。2月4日には、早朝から『Endless SHOCK -Eternal-』の舞台挨拶の模様が報じられた。体重の増加を自虐的に語った堂本光一。クスっと笑えるエピソードとキャスト陣の笑顔と共に、明るいニュースが届けられた。「今年もSHOCKの季節がやってまいりました」ーー「満員御礼」の札と共に、劇場でキャストも観客も心置きなく作品に没頭できる日がくることを願うばかりだ。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

※記事初出時、公式Instagram開設の時期に誤りがございましたので訂正いたしました。