芳根京子が17歳から100歳以上までを演じる 映画『Arc アーク』6月公開
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映画『Arc アーク』が6月25日から全国公開される。
同作は、SF作家ケン・リュウの短編小説『円弧』をもとにした作品。17歳で生まれたばかりの息子と別れ、放浪生活を送っていたリナは、19歳で師となるエマと出会い、遺体を生きていた姿のまま保存できるようプラスティネーションする仕事に就くが、姉エマと対立しながら不老不死の研究を進める天音の処置を受け、30歳で人類初となる永遠の命を得るというあらすじだ。
リナ役で主演を務め、17歳から100歳以上を演じるのは芳根京子。リナが勤務するエターニティ社の責任者エマ役に寺島しのぶ、エマの弟で天才科学者の天音役に岡田将生、物語の重要な鍵を握る人物の役に倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫がキャスティングされているほか、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆりが出演する。『愚行録』『蜜蜂と遠雷』の石川慶がメガホンを取り、『愛がなんだ』の澤井香織と共に脚本を手掛けた。音楽を世武裕子が担当。撮影は昨年2月から3月にかけて主に香川で行なわれた。
今回の発表とあわせて特報映像とティザービジュアルが公開。「人はなぜプラスティネーションを望むと思う? 抵抗、死への抵抗」という言葉から始まる特報映像では、天音が会見で「我々は、老齢と死を克服する時代に突入します」とスピーチする姿、リナの苦悩や彼女を取り巻く人々との様子などが確認できる。
リナの姿が写し出されたティザービジュアルには「私は世界に触れる」というコピーが添えられている。
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芳根京子のコメント
はじめにこのお話を聞いた時、あまりの難役にどうして石川監督は私にリナを託してくださるのか、嬉しさもありましたが、疑問、不安、恐怖が大きく即答することが出来ませんでした。お時間を頂き、正直に自分が思ってることをお伝えしました。監督は真っ直ぐ向き合ってくださり、私の不安を取り除き、そして「最高のスタッフを集めました」と言ってくださいました。監督から背中を押してもらい、この世界に飛び込ませてもらいたいと決意しました。“生きている”ことに対して無意識、というか、当たり前、というか、それが日常になっていたものが、この作品と出逢って特別なものと思えるようになりました。タイトルの“Arc”からも、人生の始まりと終わりは一直線上の対極ではなく、弧を描いた隣同士だと感じました。もしも自分のこれからの人生の選択肢の中に“人生を終えない道”があるとしたら、自分はどういう選択をするだろうかと、この作品に出会わなければ出てこない発想・想像力をたくさん膨らまして、自分の人生をより一層濃いものにしてくれました。観てくださった方も、自分の人生を今までとは少し違う角度の視点から感じられるような、新しい発見のきっかけになっていただけたら嬉しいです。たくさんの方に届きますように。
寺島しのぶさんのコメント
台本を読んだ時、内容がよくわからないけれど全ては監督の頭の中にあるのだなと思いました。私はそこに飛び込み、ただ身を委ねました。不思議な作品になっていると思います。永遠に生きるとは・・・。そう遠くない未来、世界はそうなっているかもしれません。
岡田将生のコメント
後悔のないように必死に生きる姿は、やはり尊くそして綺麗でした。生きること、死ぬこと。命とは何か。それくらい壮大なお話で、命がめぐるように僕たちもこの世界で必死に回っている感覚に陥りました。多分僕はこの脚本、この映画の本質を今も100%は理解出来ていません。この脚本を理解するのにとても苦労したことを覚えてます。しかし、石川監督なら絶対大丈夫。安心して身を任せられると思いました。石川監督の演出はとても独特で、監督とキャストだけで何度もリハーサルをし、撮影の仕方も他の現場と異なる感じで、カメラの前にいることを忘れるほど集中して現場に立っていた感覚でした。
風吹ジュンのコメント
『Arc アーク』は近未来のお話ですが、死生観を問うような面白い脚本でしたので、石川監督にお会いするのを楽しみにしておりました。小林薫さんとの共演も…。監督に“Arc”ってなんですか?って聞いたことがありました。「弓のような形」と答えてくださいました。でも見えているのはもしかしたらほんの一部で、大きな丸が隠れて居るのでは。それはきっと亡くなっても、何かは続いていて円周を一回りしたら又“Arc”の線につながってる?そんなイメージが湧いてきました。見終えたときに幸せを受け取れる不思議な力がある作品です。
小林薫のコメント
近未来の世界に不老不死。どんな映画になるのか、どんな仕上がりになるのか、全く見当がつきませんでした。
ただワタシの役は自然に歳を取った老人でしたので、役にすんなり入ることができましたが、コロナがじんわりと広がりつつあった3月初頭の撮影で風邪をひいてしまいまして、ビビリましたね。共演の風吹さんから濃縮のビタミンをいただきましたらこれでケロっと治りまして、ホント風吹さんには感謝しております。石川慶監督のコメント
不老不死をテーマにした物語は古今東西あれど、ケン・リュウが提示するテーマは全く新しいものでした。そこにあるのはありきたりな不死への警笛ではなく、不死を得た新しいカラダに僕らの価値観がついていけるのかを強く問うてきます。アンチエイジングが発達した今、ストップエイジングは必ずしも遠い未来の話ではないのです。この大きなテーマを背負う主人公を、芳根京子さんがまさに体当たりで演じてくださいました。役とともに本当に生きることができる芳根さんと、この映画を作れたことは自分にとって大きな幸運です。他に寺島しのぶさん、岡田将生さん、倍賞千恵子さん、風吹ジュンさん、小林薫さんら名優たちが、一見荒唐無稽に見えるこの物語に大きな説得力を与えてくださいました。ぜひ劇場まで足を運んでいただけたら幸いです。