白石和彌×斎藤工で「麻雀放浪記」再び映画化、「リメイクと言うより新装開店」
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「麻雀放浪記2020」にて坊や哲役を務める斎藤工。
白石和彌が監督、斎藤工が主演を務める新作映画「麻雀放浪記2020」の公開が決定した。
原案は、阿佐田哲也の小説「麻雀放浪記」。1984年には和田誠監督、真田広之主演で映画化され、戦後の東京で麻雀に打ち込む坊や哲が、さまざまな勝負師と出会い成長する姿を描き出した。
「麻雀放浪記2020」の企画は、1984年版「麻雀放浪記」を名作としてたたえる斎藤が、この10年間映画化を熱望していたことをきっかけにスタート。白石が監督、佐藤佐吉が脚本を担当し、時代設定を大幅に変えることでリメイクが実現した。物語の舞台は2020年、東京オリンピックが中止となった未来。1945年からそこへやって来た坊や哲が、麻雀で死闘を繰り広げていく。阿佐田が色川武大名義で発表した小説を原作とする内藤誠監督作「明日泣く」に出演した経験のある斎藤が、坊や哲役を務める。
この発表にあたり、斎藤は「私は邦画ファンとして、この台本での白石和彌×麻雀放浪記が無性に観たくて仕方なくなっていました。とんでもない作品が生まれる瞬間に立ち会えるのではなかろうか」とコメント。「『麻雀放浪記2020』は、リメイクと言うより新装開店、リニューアルに近い、白石和彌版の麻雀放浪記の凄まじい世界に酔いしれて頂きたく思います」とメッセージを送る。そして白石はオファーを受けたときの心境を「率直に無理だと思いました」と振り返りつつ、「時代に生きられないアウトローたちを描いてきましたが、坊や哲はその最たるもので、彼が2020年の近未来に来たらと考えると堪らなくなり作品に邁進することにしました」と話した。
「麻雀放浪記2020」は2019年4月5日より全国ロードショー。
斎藤工 コメント
個人的な意見ですが、名画をリメイクしてオリジナルを超えた作品は、はっきり言って殆ど無い。
それくらい名作・傑作のハードルは高く、どれだけ戦略を練ったとしても、そんな奇跡の映画をリメイクで“超える”のは至難の業である。
正直この企画に対しても、和田誠版「麻雀放浪記」ファンとして当初、些か不安を感じました。
(しかも坊や哲が私とは、何ともエキセントリックなキャスティング)
しかし頂いた佐藤佐吉さんの脚本をめくって行くと、これは本当に麻雀放浪記?と思うほどの鋭角的で 奇天烈な世界観に唖然・呆然としながらも、気がつくと喉が渇き切る様に最後のページまでめくっていました。これこそ邦画がいつの日か失った、映画の持つ自由表現の行使ではないだろうか。
これこそ阿佐田哲也のスケールなのではないだろうか。
そして監督はあの白石和彌監督。
私は邦画ファンとして、この台本での白石和彌×麻雀放浪記が無性に観たくて仕方なくなっていました。
とんでもない作品が生まれる瞬間に立ち会えるのではなかろうか。
私はかつて「明日泣く」と言う作品(内藤誠監督作)で阿佐田哲也さんの半生を演じさせて頂いた御縁もあり、本作に身を投じさせて頂こうと思いました。
「麻雀放浪記2020」は、リメイクと言うより新装開店、リニューアルに近い、白石和彌版の麻雀放浪記の凄まじい世界に酔いしれて頂きたく思います。
白石和彌 コメント
今や映画のオピニオンである斎藤工さんが名作のうちの一つと公言している「麻雀放浪記」の新たな映画化のご指名を頂いた時、率直に無理だと思いました。どんなに努力したところで和田誠監督の名作を超えることなんて不可能だからです。あの手この手で断り方を考えているうちに、プロデューサーからポロっと出たアイデアが坊や哲が2020年に来たら……。最初は半笑いでしたが、これはもしや今誰もが感じている現代社会のひずみや、今の社会が忘れてしまったものを警鐘として描けるかな、と思い至りました。時代に生きられないアウトローたちを描いてきましたが、坊や哲はその最たるもので、彼が2020年の近未来に来たらと考えると堪らなくなり作品に邁進することにしました。
斎藤さんは、想像以上に昭和を感じさせてくれる大和男児でした。数々の昭和の男たちを描いてきた私の作品の中でも、一番泥臭い昭和の男になっていると思います。坊や哲と出会うことで周りの人々や社会は変わっていきますが、坊や哲は時代が変わっても、一切ぶれない芯の通った男として、演じきってくれました。
麻雀を好きな人が見ても当然楽しめるけど、全く知らない人が見ても、楽しめるものになっていると思います。ご期待ください。