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斎藤工×白石和彌初タッグ『麻雀放浪記2020』公開へ 斎藤「凄まじい世界に酔いしれて頂きたい」

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リアルサウンド

 斎藤工主演映画『麻雀放浪記2020』が、2019年4月に公開されることが決定した。

 参考:斎藤工、物語に大きな展開を生む 『半分、青い。』祥平役で見せたリアルな人間像

 本作は、累計発行部数250万部を超える阿佐田哲也のベストセラー小説『麻雀放浪記』を映画化したもの。『麻雀放浪記』の映画化は、イラストレーターの和田誠が初めて監督を務めた『麻雀放浪記』以来、35年ぶりとなる。

 本作の企画は、近年俳優のみならず、映画監督にも挑戦し、本作で主演を務めた斎藤によるもの。映画ファンとして名高い斎藤自身が名作の一つとして『麻雀放浪記』を讃えており、この10年間、映画化を熱望し、アプローチを続けていた。企画が始まり、最初に監督として白羽の矢を立てたのが、『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』の白石和彌監督だった。

 本作では、原作の設定を大きく変更。主人公・坊や哲がいるのは、2020年の“未来”。人口が減少し、労働はAI(人工知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている。そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だった。1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る、驚愕の世界と、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘を描く。

 公開決定の報に合わせて、斎藤、白石監督からのコメントが公開された。

斎藤工
個人的な意見ですが、名画をリメイクしてオリジナルを超えた作品は、はっきり言って殆ど無い。
それくらい名作・傑作のハードルは高く、どれだけ戦略を練ったとしても、そんな奇跡の映画をリメイクで”超える”のは至難の業である。
正直この企画に対しても、和田誠版『麻雀放浪記』ファンとして当初、些か不安を感じました。
(しかも坊や哲が私とは、何ともエキセントリックなキャスティング)
しかし頂いた佐藤佐吉さんの脚本をめくって行くと、これは本当に麻雀放浪記?と思うほどの鋭角的で奇天烈な世界観に唖然・呆然としながらも、気がつくと喉が渇き切る様に最後のページまでめくっていました。これこそ邦画がいつの日か失った、映画の持つ自由表現の行使ではないだろうか。
これこそ阿佐田哲也のスケールなのではないだろうか。
そして監督はあの白石和彌監督。
私は邦画ファンとして、この台本での白石和彌×麻雀放浪記が無性に観たくて仕方なくなっていました。
とんでもない作品が生まれる瞬間に立ち会えるのではなかろうか。
私はかつて『明日、泣く』と言う作品(内藤誠監督作)で阿佐田哲也さんの半生を演じさせて頂いた御縁もあり、本作に身を投じさせて頂こうと思いました。
『麻雀放浪記2020』は、リメイクと言うより新装開店、リニューアルに近い、白石和彌版の麻雀放浪記の凄まじい世界に酔いしれて頂きたく思います。

白石和彌監督
今や映画のオピニオンである斎藤工さんが名作のうちの一つと公言している『麻雀放浪記』の新たな映画化のご指名を頂いた時、率直に無理だと思いました。どんなに努力したところで和田誠監督の名作を超えることなんて不可能だからです。あの手この手で断り方を考えているうちに、プロデューサーからポロっと出たアイデアが坊や哲が2020年に来たら・・・。最初は半笑いでしたが、これはもしや今誰もが感じている現代社会のひずみや、今の社会が忘れてしまったものを警鐘として描けるかな、と思い至りました。時代に生きられないアウトローたちを描いてきましたが、坊や哲はその最たるもので、彼が2020年の近未来に来たらと考えると堪らなくなり作品に邁進することにしました。
斎藤さんは、想像以上に昭和を感じさせてくれる大和男児でした。数々の昭和の男たちを描いてきた私の作品の中でも、一番泥臭い昭和の男になっていると思います。坊や哲と出会うことで周りの人々や社会は変わっていきますが、坊や哲は時代が変わっても、一切ぶれない芯の通った男として、演じきってくれました。
麻雀を好きな人が見ても当然楽しめるけど、全く知らない人が見ても、楽しめるものになっていると思います。ご期待ください。
(リアルサウンド編集部)