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キェシロフスキ「デカローグ」リマスター版が公開、石川慶や池田千尋のコメント到着

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「デカローグ デジタル・リマスター版」ティザーチラシ

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作「デカローグ」のデジタル・リマスター版が、4月上旬より東京のシアター・イメージフォーラムで公開される。

「トリコロール」3部作や「ふたりのベロニカ」で知られるキェシロフスキ。「デカローグ」は旧約聖書の「十戒」を下敷きに、ポーランド郊外の巨大団地に暮らす人々の人生をつづった、各約1時間・全10編の連作集だ。日本では1996年に劇場初公開され、その後2005年にリバイバル上映が行われた。最新レストアによるデジタル・リマスター版は初公開となる。

ポーランドのウッチ映画大学を卒業した映画監督・石川慶は「この映画には、人生のすべてが詰まっている」とコメント。「記憶の技法」「東南角部屋二階の女」などで知られる映画監督・池田千尋は「今を生き抜くために、私はいつも彼の作品を見るのだ」と述べている。

なお7000円で全10編を鑑賞できる特典付き前売り券が、2月27日に劇場窓口およびメイジャーで発売。YouTubeでは特報映像が公開中だ。

石川慶(映画監督)コメント

「デカローグ」には、映画のすべてが詰まっている、ポーランドの映画学校でそう教わった。
今回改めて全編見直してみて、考えを改めた。この映画には、人生のすべてが詰まっている。

沼野充義(ロシア・ポーランド文学者)コメント

「十戒」とはいっても、ここには神も英雄もいない。解決不能な状況に直面した普通の人間の苦しみと欲望があるだけ。だからこれは私のことでもあり、あなたのことでもある。見終えてからしばらく立ち上がれない。

池田千尋(映画監督・脚本家)コメント

人間とはいかに不完全であることか、その卑小さに徹底した眼差しを向けながら、それでもキェシロフスキは言う。生きなさいと、生きていて良いのだと。今を生き抜くために、私はいつも彼の作品を見るのだ。

巖谷國士(写真家・評論家)コメント

切なくいとおしい。ナチスによる破壊から蘇った美しい都市、ワルシャワに生まれた十篇の物語は、ガラス窓と光の冷やかな感触とともに暖かく育ってゆく。樹木や風、人の表情まで結晶に変える映像に『ふたりのベロニカ』の予感も走る。

(c)TVP - Telewizja Polska S.A.