K・キェシロフスキ監督『デカローグ』デジタルリマスター版が劇場公開
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映画『デカローグ デジタル・リマスター版』が4月上旬から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開される。
1989年に『ヴェネチア国際映画祭』国際評論家賞受賞を受賞した『デカローグ』は、「トリコロール三部作」などで知られ、今年生誕80年、没25年を迎えるクシシュトフ・キェシロフスキ監督の作品。旧約聖書の十戒をモチーフに、ポーランド・ワルシャワのアパートに暮らす人々の人生模様を全10話、587分の映像で綴る。日本語字幕の翻訳を寺尾次郎が担当。スタリー・キューブリックが「重要な映画」と評したほか、エドワード・ヤンや侯孝賢らが賛辞を送った。
最新レストアによるデジタルリマスター版が公開されるのは初。前売券は2月27日から劇場窓口、メイジャーネット通販で販売され、7,000円で全10話を鑑賞できる特典付き鑑賞券も用意される。
今回の発表とあわせて特報映像とメインビジュアル、石川慶、同作の日本語字幕の監修を手掛けた沼野充義、池田千尋、巖谷國士のコメントが公開。
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石川慶のコメント
『デカローグ』には、映画のすべてが詰まっている、ポーランドの映画学校でそう教わった。
今回改めて全編見直してみて、考えを改めた。この映画には、人生のすべてが詰まっている。沼野充義のコメント
『十戒』とはいっても、ここには神も英雄もいない。解決不能な状況に直面した普通の人間の苦しみと欲望があるだけ。だからこれは私のことでもあり、あなたのことでもある。見終えてからしばらく立ち上がれない。
池田千尋のコメント
人間とはいかに不完全であることか、その卑小さに徹底した眼差しを向けながら、それでもキェシロフスキは言う。生きなさいと、生きていて良いのだと。今を生き抜くために、私はいつも彼の作品を見るのだ。
巖谷國士のコメント
切なくいとおしい。ナチスによる破壊から蘇った美しい都市、ワルシャワに生まれた十篇の物語は、ガラス窓と光の冷やかな感触とともに暖かく育ってゆく。樹木や風、人の表情まで結晶に変える映像に『ふたりのベロニカ』の予感も走る。