明日海りおの過去が明らかに 『おちょやん』ルリ子と千代に共通点も?
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ルリ子(明日海りお)を引き止め、また鶴亀家庭劇に戻ってもらうために一平(成田凌)と千代(杉咲花)は説得に向かう。そこで思わぬルリ子の秘密を知ってしまうのだった。連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)第48話では、ルリ子の過去と千代を嫌う理由が描かれる。
千代は一平と共に旅館泉屋を訪れる。ルリ子は高級そうなこの旅館に滞在しているものと思っていたが、内情は役者の仕事だけでは食べていけず、空いた時間を仲居として働いていた。そして千代たちはルリ子から、衝撃の事実を聞かされる。ルリ子がかつて所属していた花菱団で、主役の座を奪った若い女優を絞め殺そうとしたというのだ。
しかし千代が、再度ルリ子を訪れ説得すると、ルリ子は千代に真実を話す。実はこの話はデマであり、ルリ子は花菱団で撮影所出身の女優に婚約者や主演の座など何もかも奪われ、ほおを平手打ちしたのが本当の話。だが、その女優のせいで尾びれも背びれもついて噂が広まることとなってしまったのだ。
「本当のことを言って信じてもらえなかった時の方が傷つくから」とルリ子は話す。そして「あの映画出身の女、あなたに本当によく似てるのよね」とかつての女優に千代が似ていたから嫌いだったのだとも明かした。誰の懐にもスッと入り込み、どこへ行っても可愛がられる千代は、不器用でプライドの高いルリ子とは正反対だ。そんな千代の姿は、ルリ子にとって一種の羨望と、かつての苦しみを思い出させる存在となってしまったのだろう。だがルリ子には、丁寧な芝居と努力家で実直という長所がある。そしてまた千代にも、テルヲのせいで居場所を失ったという経験があった。歯車が噛み合わず、分かり合うことのできなかったふたりだが、実は決して似ていないところばかりでもないのだ。
「ウチは絶対高峰さんを裏切ったりしない。だから高峰さんも今までがんばってきた自分自身を裏切らないでください」。千代の説得でルリ子は、無事に鶴亀家庭劇に戻ることとなる。しかし今度は、千之助(星田英利)の言葉にカチンときた千代が千之助に勝負を挑んでしまうのだ。より観客を笑わせたほうが勝ちだというこの勝負。千之助が勝った暁には座長の座を奪うと宣言してきた。一平はこの条件を飲み、受けて立つことに。
実は千之助自身もまた須賀廼家万太郎一座から捨てられたという過去を持つ。最後まで“笑い”にこだわった芝居をするわけは、この過去のせいなのか。苦しみ続ける千之助の心の内が気になる。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/