瀬々敬久監督の特集上映に『ヘヴンズ ストーリー』やピンク映画など11作品
映画
ニュース
特集上映『世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―』が3月6日から東京・新宿のK's cinemaで開催される。
同イベントでは、『明日の食卓』『護られなかった者たちへ』『とんび』などの公開を控える瀬々敬久監督の作品を特集。上映作品には、DCP上映となる『ヘヴンズ ストーリー』をはじめ、アナーキストと女相撲を題材に激動の時代を描いた『菊とギロチン』、ピンク映画時代の『現代群盗伝』『End of The World』、瀬々監督自らマルチ映写する8mm作品『少年版私慕情 国東 京都 日田』、性同一性障害を描く『ユダ』、つげ忠男作品を映画化した『なりゆきな魂、』、瀬々監督がプロデュースした藤川佳三監督の『石巻市立湊小学校避難所』など11作がラインナップしている。
会期中は連日トークイベントが行なわれ、瀬々監督は全日登壇。3月6日12:30からの『ヘヴンズ ストーリー』上映後には山崎ハコ、3月7日14:30からの『菊とギロチン』上映後には木竜麻生、3月11日13:00からの『石巻市立湊小学校避難所』上映後には宮城・石巻からリモートで藤川佳三監督が参加する。3月8日16:20からの『End of the World』上映後には川瀬陽太の出演を予定。3月9日15:30からの『なりゆきな魂、』上映後、3月10日12:30からの『ヘヴンズ ストーリー』上映後、3月12日14:30からの『菊とギロチン』上映後のゲストは未定となっている。
瀬々敬久監督のコメント
若い頃、70年代の終わりから80年代初頭にかけ自主映画とピンク映画で次々と若い監督たちが新しい映画を作っていた。映画が何かを変えるのだと思った。そこには「変革」があるのだと思った。自分も同じ旗を振りたいと思った。その頃読んで夢中になったのが「秩父事件」(井上幸治)、東アジア反日武装戦線について書かれた「狼煙を見よ」(松下竜一)。「明治の圧政政府」や「国家の暴力」に抵抗した人々の話だ。90年代にピンク映画でそれらをモチーフにした。一方で90年代は新しい犯罪の時代だった。「人が人を殺す」ということを描いた。0年代になって『ヘヴンズ ストーリー』を自主で作り、その問題を掘り下げようとした。10年代は『菊とギロチン』で再び「変革」について考えた。
たとえ身を窶(やつ)していても、映画にはまだまだ「変える力」があるのだ、そう思っている。回顧することなく、現在形として。
今、こんな時代だからこそ「世直しじゃー!」なのだ。