コムアイ×オオルタイチ「YAKUSHIMA TREASURE」の映像作品が配信スタート
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映像作品『YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA』の配信がスタートした。
沖縄・久高島に伝わる「輪廻転生の死生観(奄美群島のニライカナイ信仰)」をテーマにした同作は、Dentsu Craft Tokyo、コムアイとオオルタイチによるプロジェクト「YAKUSHIMA TREASURE」、映像作家・辻川幸一郎のコラボ作品。プロジェクトが生まれた鹿児島・屋久島にあるガジュマルの森で行なわれたライブの模様を、テクノロジーを駆使し、肉眼で捉える光景や実写のライブ配信映像とは異なるかたちで提供する。コムアイは今回のために制作されたオリジナル楽器「UFO琴」を演奏している。
コムアイのコメント
殯舟(もがりぶね)と東(ひがし)は、YAKUSHIMA TREASUREのアルバムの中でクライマックスとも言えるシーンで、いつか視覚化してもらえたらと思っていました。
このアルバムでは、命の巡りに想いを馳せています。「もがり」とは死者の弔いのことで、肉体が役目を終えていく、魂がそこから離れていくのをじっくり見届ける時間のことです。殯舟を歌うときは、自分が老いて、長かった人生を回想しているようです。
それと同時に、他の死にゆく人を見送る歌でもあります。自分が死にながら、誰かがどこかで生まれてくるのを感じるのはどんな気持ちでしょうか。太陽の運行とともに、島の西に死にゆき、島の東に生まれくる。
ライブは一回きりですが、私たちはその場に存在していたガジュマルや石や苔と同じように、粒子となって情報となって保存され、その空間のいろんな場所から何度も新しい姿で見てもらうことができます。こんな不思議な体験をさせてもらえたことに感謝します。オオルタイチのコメント
今回の作品は枯れることのない復活の泉のようだと思いました。僕らのライブを体験するということだけでなく、殯舟~東を通して描かれた、死から再生のイメージに浸ることによって心が癒され、鼓舞されて再び蘇生できる作用があるような気がしました。
修験道の世界には擬似的に死んで復活する胎内くぐりという習俗がありますが、まさにそんなようなことを感じました。
自然は弛むことなく、ただ直向きに生死のサイクルを回転させています。そのサイクルこそが根源的な力だと思いますが、屋久島とともに作り上げた音楽と映像を通し、無辺無中へその力をお届けできたら良いなと思っています。