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濱口竜介の新作短編集「偶然と想像」がベルリン国際映画祭コンペ部門に出品決定

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「偶然と想像」キャスト。上段左から古川琴音、中島歩、玄理。中段左から渋川清彦、森郁月、甲斐翔真。下段左から占部房子、河井青葉。

濱口竜介の新作映画「偶然と想像」が、第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門へ出品されることがわかった。

本作は「偶然」と「想像」をテーマにした3つの短編で構成された計121分のオムニバス。濱口が「ハッピーアワー」のプロデューサー・高田聡とともに企画を立ち上げ、2019年夏から約1年半をかけて製作した。濱口にとっては初めての短編集で、脚本もすべて自身で手がけている。英題は「Wheel of Fortune and Fantasy」。

自分の元彼を親友が意識し始めたことで思案するモデルを主人公にした第1話「魔法(よりもっと不確か)」、芥川賞作家の大学教授と彼に恨みを抱く男子学生、そして1人の女子学生の関係を軸にした第2話「扉は開けたままで」、地元の宮城・仙台で20年ぶりに再会した2人の女性のすれ違いを描く第3話「もう一度」で構成された。第1話には古川琴音、中島歩、玄理、第2話には渋川清彦、森郁月、甲斐翔真、第3話には占部房子と河井青葉が出演。「ひかりの歌」「うたうひと」で知られる飯岡幸子が全作の撮影を担当した。

今回製作されたのは3話のみだが、濱口のコメントによると今後、全7話のシリーズにする予定だという。「私自身が物語の行く先・発展に驚かされることが多くありました。今回の制作を通じて短編という形式や、偶然というテーマの面白さを再発見しました。『偶然と想像』は全7話のシリーズを予定しています。このシリーズを自分の40代通じての仕事としたいと思っています」と語っている。

第71回ベルリン国際映画祭は新型コロナウイルスの影響によりオンラインで開催。現地時間3月1日から5日、6月9日から20日に分散して開催される。「偶然と想像」は同映画祭でワールドプレミア。日本での公開時期は明らかになっていないため続報を待とう。

濱口竜介 コメント

「偶然と想像」は、私にとっての初の「短編集」です。短編映画という形式にはずっと大きな可能性を感じていましたが、現在の映画製作サイクルの中では短編用の上映枠がないという「出口」の問題がありました。そのため今回は、「偶然と想像」という統一したテーマのもと3話を制作し、長編映画サイズの短編集となりました。
私自身にとっても実験的性格の強いプロジェクトだったのですが、それを一緒に面白がって参加してくれたキャストやスタッフの皆さんにこの場を借りて御礼を申し上げたいと思います。1話ごとに時間を置いて制作したおかげで、各話十分な準備を経た上で撮影ができました。特に各話それぞれキャストの皆さんと長時間のリハーサルの時間を持てたことはとても贅沢なことで、結果としてどの撮影現場でもとても素晴らしい演技と出会えました。
また今回、特に「偶然」というテーマを採用したことによって、私自身が物語の行く先・発展に驚かされることが多くありました。今回の制作を通じて短編という形式や、偶然というテーマの面白さを再発見しました。「偶然と想像」は全7話のシリーズを予定しています。このシリーズを自分の40代通じての仕事としたいと思っています。
最後に、ベルリン国際映画祭に本作を正式招待いただいたことへの感謝を申し上げます。歴史ある映画祭のコンペに選出されることは、とても勇気づけられることでした。キャストやスタッフの仕事の素晴らしさが認められたようで、嬉しく思っています。コロナ禍のために映画祭期間中に、ベルリンの地を踏めないことは残念ではありますが、「偶然と想像」と多くの観客が出会う契機となることを願っています。

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